韓国映画『七番房の奇跡』/無実の罪で刑務所に入れられちゃったけど、雑居房に娘が遊びに来てくれました

七番房の奇跡出典:ネクスト・エンターテインメント・ワールド
『七番房の奇跡』

スコア:603/999


【あらすじ】

主人公ヨングは知的障がいを抱えながらも娘のイェスンに支えられ、親子二人で仲睦まじく生活をしていた。ところがある日、道端で横たわっている少女を助けようとしていたのを誤認され、殺人罪で逮捕されてしまう。


【作品情報】

公開:2013年1月23日(韓国)|2014年1月25年(日本)/上映時間:127分/ジャンル:ドラマ/サブジャンル:ヒューマンドラマ/映倫区分:全年齢/製作国:韓国/言語:韓国語


【スタッフ】

(監督)イ・ファンギョン/(脚本)イ・ファンギョン,ユ・ヨンア,キム・ファンソン,キム・ヨンソク/(音楽)イ・ドンジュン


【キャスト】

カル・ソウォン/リュ・スンリョン/パク・シネ/チョン・ジニョン/オ・ダルス/パク・ウォンサン/キム・ジョンテ/チョン・マンシク/キム・チョン


スポンサーリンク

見放題配信

誠に申し訳ございません。現在、当サイトが調査確認しているVODサービスでは見放題での配信は見つかりませんでした。見放題配信を開始したサービスが確認され次第、ボタンを再設置する予定です。

※情報は【2022年11月5日】現在のものです。上記のボタンから本作品の再生ページに直接ジャンプ出来ます。各VODを選択してご利用ください。詳しくはこちらのページでご確認いただけます。

ポイントレビュー


■素直に感動出来たけど、こういう冤罪は実際本当に困る

アクセル神田
アクセル神田
ドラマ担当
ポイント:205/333|評価:GOOD

刑務所の中のお話なのに良い人ばかりのファンタジーな映画ですが、そこの理由付けがギリギリで許せるラインだったので、素直に感動することが出来ました。でも、本当に困りますね。救護活動をしていただけなのに殺人と誤認されるなんて……別に本作を見たからという理由ではないですが、日本でもあり得ない話ではないので、倒れている人を見かけた場合、人口呼吸、心臓マッサージ等は、一瞬躊躇してしまうかもしれません。


■無理はあるが、序盤、中盤、終盤となかなか見せる作品

近道 通
近道 通
オールジャンル担当
ポイント:214/333|評価:GOOD

刑務所内は牢名主と刑務所長さえ抑えてしまえば、あらかた問題ナシって流れは思わず笑ってしまいました。娘を刑務所の房内に連れ込んで一緒に生活するのは無理があるだろうよ(笑)。ただ、娘と主人公ヨングを会わせるための大作戦はコミカルで面白かったですね。同房者と娘イェスンの和気藹々とした交流の時間もほんわかとします。それだけに終盤の気分の振れ幅が大きさがハンパじゃありません。


■犯罪者なのに同房者の可愛らしくて優しく見える

猿渡 りん子
猿渡 りん子
お母さん代表
ポイント:184/333|評価:GOOD

もしも私が無実の罪で捕まって、もしも本作のようなことが可能であるなら同じことをやっちゃう自信があります。やっぱりそれが一番寂しいですもんね。でも、主人公のヨングって同房者に相当恵まれていると思います。皆根っこでは可愛らしいです。私的なお気に入りは姦通罪の人かな?いいキャラしてました。次点で兄貴ですね。あと全く関係ない話ですが、『セーラームーン』って韓国でも人気なんですね。全然知りませんでした。


メインレビュー

ネタバレありの感想と解説を読む

作品を観賞するのではなく、鑑賞するタイプの人には向かないかも

近道 通
近道 通
メインレビュアー
オールジャンル担当/最高評価

決してハッピーエンドではないですが、最後はバッチリまとめてくれました。こういうまとめ方は嬉しいですね。ほんの少し感動を押し売りしているような場面も見受けられましたが、余裕の許容範囲です。絶対にありえないけど、ありえては欲しいお話になっていました。

あと、作品を通して性善説を採用しているのも、見ている方としてはありがたかったです。安らかな気持ちで見られます。ツッコミどころは満載ですが、たまにはこういった良い人だらけの映画があってもいいんじゃないでしょうか?

仮に本作を昔気質の職人さんなんかが見たとしたら、涙を浮かべながらキレ気味に「細けぇことはいいんだよ」とでも言いそうな大雑把に優しい展開です。サバイバルな他の刑務所モノとは一線を画していますね。同じく韓国映画の『監獄の首領』などとは正反対の作品です。

ただ、だいぶ娘役の女の子の愛らしさに救われているところはありました。彼女が映画全体を食っちゃっているので、中盤ぐらいではヨングの冤罪の件を忘れそうになったぐらいです。

日本が誇る芦田愛菜といい、『エスター』のイザベル・ファーマンといい、2010年前後ぐらいから、子役力が異常に上がって来ているように感じます。私が当時の彼女達と同じくらいの時に出来た演技は、「仮病」ぐらいのもんでしたから……しかも、速攻で見抜かれてましたし。

そんな演技力抜群の子役が切ない役柄を演じるもんだから、いい歳こいたオッサン(私)にはたまったもんじゃありません。彼女ぐらいの年齢の娘がいてもおかしくないですからね。心の奥底にある父性をくすぐる手口は卑怯ですよ。

たぶん若い頃ならね、こんなに涙腺が弱くなかったと思うんですよ。むしろ変に尖って、「ありえない」「つまらない」とか言っちゃってたと思います。完全フィクションながらも一応モデルとなっている冤罪事件があるみたいですが、本作のストーリーはどう贔屓目に見ても起こり得ないです。

だからこそ「奇跡」なんだよと言われても、この奇跡は現実で起きてはダメでしょう。フィクションの中だから許されるお話です。冤罪で刑務所に入れられたヨングには同情しかありませんが、こんなに管理が雑な刑務所があったら、周囲の住民は夜も眠れません。

なので、かなり視聴者側が受け入れ態勢を広くして見ないといけない作品であるとは思います。映画を観賞するのではなく、鑑賞するスタイルで見る方にとっては想像以上に荒い部分があるのは確かです。

気球に乗って脱走を図るシーンなんて、急遽コメディ映画に路線変更したのかと、思う人がいてもおかしくありません。

ですが、ラストの悲しくも温かいまとめ方は、ガチガチの鑑賞者も評価してあげていいんじゃないでしょうか?あれが評価されないなら、こういうファンタジックなヒューマンドラマは作れなくなってしまう気がします。

私はこんなレビューを書いていますが、映画を「観賞する」立場で見たい人間なので、ツッコミどころを含めて出だしから結末まで存分に楽しむことが出来ました。

「鑑賞する」立場で見た方が、一体どんな感想を抱いたのが気になる作品ではありますが、取り敢えず自分が面白かったのでそれでいいです。視聴後の余韻ついでに沢山の方のレビューを読みましたが、様々な評価があってそれもオマケ的に大変興味深かったです。

映画って本当に色んな感想があるんだなと改めて感じました。というわけで、私にとってはオススメしたい作品ですが、それに乗って頂いた方の感想には責任は持てません(笑)。あらかじめご了承下さい。

本作の名台詞

私も一緒に刑務所に入れない?

出典:七番房の奇跡/VOD版

役名:イェスン
演:カル・ソウォン