洋画『ヒート』/アル・パチーノVSロバート・デ・ニーロ初対決

スコア:822/999

出典:ワーナー・ブラザース
『ヒート』


【あらすじ】

銀行強盗を生業にしているニールとその一味は、証拠を残さない手口で数々の犯行を成功させてきた。しかしながら、警部補のヴィンセントによる執念深い捜査の結果、被疑者としてニール達の存在が浮上することになる。


【作品情報】

公開:1995年12月15日(アメリカ)|1996年5月25日(日本)/上映時間:171分/ジャンル:ドラマ/サブジャンル:豪華共演/映倫区分:R15+/製作国:アメリカ/言語:英語・スペイン語


【スタッフ】

(監督・脚本)マイケル・マン/(音楽) エリオット・ゴールデンサール


【キャスト】

アル・パチーノ/ロバート・デ・ニーロ/ヴァル・キルマー/ジョン・ヴォイト/トム・サイズモア/ナタリー・ポートマン


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※情報は【2019年11月21日】現在のものです。上記のボタンから本作品の再生ページに直接ジャンプ出来ます。各VODを選択してご利用ください。詳しくはこちらのページでご確認いただけます。

ポイントレビュー


■切なく悲しいクライムドラマ

アクセル神田
アクセル神田
ドラマ担当
ポイント:262/333|評価:GOOD

人によっては、所属ジャンルをドラマにするのか、アクションにするのか、迷うところはあるかもしれませんが、私としては、明らかにドラマにカテゴライズされるべき映画だと思っています。

本作の主軸がニール達の仕事は銀行強盗なので、アクションは満載です。強盗シーンのテンポも素晴らしい。

でも、この映画の真の主題はおそらく『刑事と犯罪者の悲哀』なんです。あのハラハラドキドキの一級品の強盗シーンを呼び水にして、人間ドラマを描こうとしているお話なんです。

なんて贅沢な作品なんでしょう。もし仮にアクションでない部分を適当にやっても、すでに中の上くらいの水準にあるんですが、そのアクションパートとドラマパートの抑揚があるからこそ、これだけのお話に仕上がったんだと思います。

いやはや、恐れ入りました。涙は出ないまでもクライム系の映画でこんなにも切ない気分にさせられるとは……


■単刀直入に申し上げますが、最高です

山守 秀久
山守 秀久
アクション担当
ポイント:302/333|評価:GOOD

あの不朽の名作『ゴッドファーザー PART II』で共演していたアル・パチーノとロバート・デニーロですが、真の意味(お互いに顔を合わせる場面がある)では、本作が初共演作と言っても過言ではありません。

『ゴッドファーザー PART II』以来、両役者ともギャング系及びクライム系映画の常連という印象が強いですが、この再共演までなんと20年近くの月日が流れているというのですから、不思議なものです。

お互い主演クラスなので、共演となると、ハリウッド的になかなか難しいものがあったのかもしれません。

あと、豆情報になりますが、『レオン』のナタリー・ポートマンがさらっと出演しています。

さて、本題の本作の感想についてですが……率直素直に言って最高でした。


■美学のある悪人はつい応援したくなってしまう

近道 通
近道 通
オールジャンル担当
ポイント:258/333|評価:GOOD

とにかくストーリーに合わせたキャスティングが凄い!これって、デニーロとパチーノの配役が入れ替わっても成立してたんじゃないですかねぇ……

いや、やっぱりこのままがいいか(笑)

なんてことを言ってみたくなるほど、二人の演技が素晴らしい。特にデニーロ。一応、彼が演じるニールは、銀行強盗団を率いている悪いヤツなのに、仕事が綺麗なのと、仲間思いなのとで、ついつい彼を応援したくなってしまう。

これがストックホルム症候群かって思いましたな。

えっ?違うの?


メインレビュー

ネタバレありのレビューを読む

クライム系作品の参考書のような映画

山守 秀久
山守 秀久
メインレビュアー
アクション担当/最高評価

熱い男と男の戦いに理由は必要でも言葉はいらないんだと、最後までまじまじと画面を見つめてしまいました。

実は小学生ぐらいの時にこの作品を一度見ている(親がレンタルビデオで借りてきました。現在は「R15+」指定のようなので15歳未満の子供は見ちゃダメですよ!)のですが、月日が経っているのも手伝って、初見と変わらない新鮮さがありました。これも名作たる証拠なのかもしれません。

今思えば、親も良くこんな悪人がカッコイイ映画を見せてくれたもんだと思います(笑)。

犯罪者を美しい物語の主人公として描いた映画を見せるのは、教育上問題があるとか言われてはおりますが、私としてはそこら辺をあまり気にし過ぎると、返って大人になってからの衝撃が強くなるんじゃないかなと。

あまりにもハードなものでなければ、多少は良いんじゃないでしょうか?面白いものは面白いもので良いんです。それで感性が育つような気がします。見たあとで「あれは映画の中のお話だからね」と言ってあげれば良いだけです。

少なくともこの『ヒート』に関してはR15+は厳しい感じがします。しかしながら、ルールはルールなので、それを守ること、我慢することを覚えさせるのも一つの教育と言うことなのかもしれません。

ただ、もしも、あの時、親に見せて貰えていなかったら、私の趣味は映画鑑賞ではなく、もっとタチの悪いものになっていたかも知れません。今、親にキレて電話していた可能性さえあります。

「なんであの時見せてくれなかったんだ!」と……それぐらい記憶に残る作品でした。

それゆえに、本作は今見ると時の流れを感じる場面が多々あります。何しろ日本での公開が1996年です。20年以上前の作品です。

現代の基準で考えれば、銀行のセキュリティも考えられないくらい甘々ですし、ニール達を炙り出すための捜査器具にも時代を感じさせられます。

でも、何故か古い映画だと思わせないだけの勢いがある。今の若者が本作を見たとしても「古い」という感想は出ないんじゃないでしょうか?

あくまで推測ですが、その理由は、この映画がいわゆるギャング(クライム)系作品の参考書のような作りになっているからなんだと思います。

教科書ではなく、参考書です。教科書は分かりにくくて面白くないですけど、参考書は分かりやすくて面白いですから。

この映画を参考書にして、現代でも沢山の名作が生まれているのは間違いありません。

銀行強盗モノで例をあげれば、本作からドラマ要素を消してクライム寄りにしたものに、『インサイド・マン』。かなり新しいものだと『ベイビードライバー』なんて言うスーパーエンターテイメント化させている銀行強盗作品もあります。

まぁこの『ヒート』も銀行強盗のシーンで言えば、1991年の『ハートブルー』を結構参考にしているじゃないかって感じはあるんですけどね。こちらも名作です。

いや、そう考えると、この手のタイプの銀行強盗モノの先駆者は『ハートブルー』ということになるのかな(笑)あちらも、相当人間ドラマを描いてやってましたから。

ただ、私は断然ヒート派です。悲しみを抱えた男同士の対決が見たいなら、絶対に『ヒート』がおすすめです。だけど、両方見るのはもっとおすすめですよ。

本作の名台詞

自分への掟だ

出典:ヒート/VOD版

役名:ニール・マッコーリー
演:ロバート・デ・ニーロ