スコア:410/999
出典:東宝
『ロボコン』
【あらすじ】
主人公、葉澤里美は、学生生活をただ何となく過ごしているだけの女子高専生。そんな彼女はある日、補講免除の条件として第2ロボット部への入部を言い渡される。最初は変人ばかりの部員達に辟易する彼女だったが…
【作品情報】
公開:2003年9月13日(日本)/上映時間:118分/ジャンル:ドラマ/サブジャンル:青春映画/映倫区分:全年齢/製作国:日本/言語:日本語
【スタッフ】
(監督・脚本)古厩 智之/(音楽)パシフィック231[蓮実 重臣,三宅剛正]
【キャスト】
長澤 まさみ/小栗 旬/伊藤 淳史/塚本 高史/荒川 良々/うじきつよし
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ポイントレビュー
■長澤まさみ初主演作は普通の学生青春映画
ドラマ担当:アクセル神田
ポイント:175/333
いわゆる部活モノの中で、体育会系の青春ではなく、理系の青春を描こうとした点については評価したいなと思います。
理系出身者以外にはおそらく分からない世界でしょうから。
だけどそれだけに、きめ細かな描写や設定を投げ捨ててしまっていたのは、人間ドラマとして少し残念でした。
普通に本当に普通に話が進んでいきます。あんまり野球部モノで弱小高が甲子園を目指すみたいなのとほぼ違いがないくらい、本当に普通に……
そうですね。普通の学生青春映画です。悪くはないです。
長澤まさみ初主演以外に特筆すべきところはないですかねぇ。
■長澤まさみが超カワイイだけ
ポイント:48/333|評価:BAD
主演クラスの部員4人を演じるのは、今となっては知る人ぞ知る役者陣……
現状では塚本高史だけ一段落ちる感はあるものの、この映画の中では一番マシなキャラクターでしたね。
ただ、それでも「あぁ、高専にもこういう生徒いるのね」程度だけど。
せっかく体力勝負の『スポ根』ではなく、知能、アイデア勝負の『ロボ根』をテーマにしているのに、それを台無し台無しにしてしまっているのは、各キャラクター設定とストーリー展開。
単純にロボットコンテストに出る高専生をステレオタイプにイメージして、それを元にテンプレートなストーリーを作り、薄目に味付けして、そのまま映画にしてみましたって感じです。
あと、DVDのジャケットだとあんまりだけど、長澤まさみってやっぱり若い頃からカワイイじゃん。
……それだけしか残らなかった。
■よく知らないけど「高専あるある」なの……かな?
ポイント:187/333|評価:GOOD
「女子高校生あるある」や「男子高校生あるある」があるのなら、「高等専門学校生あるある」これだと長いので短くすると、「高専あるある」もあるだろう、あってもいいじゃないの!的な期待感で見てみました。
にゃんだろう?
パンチはないけど、そこはかとなく『あるある感』は伝わって来たような……そんな印象です。
元高専生の友達がいないので、リアルな作りになっているのかどうかはわかりません。
でも、何となく高専生をしている主人公の葉澤里美と同様に、何となくはそれが伝わって来ました。
そうして、そんな感想を持ちながら見ているうちに、何となく話が終わっていましたとさ。
ちゃんちゃん。
メインレビュー
- ネタバレありの感想と解説を読む
これじゃない感が満載の理系青春映画
メインレビュアー
オールジャンル担当/最低評価『アイアムアヒーロー』で強い女も演じられることを証明する前の長澤まさみが見られる!
『クローズZERO』と真逆のキャラを演じている小栗旬が見られる!!
『チームバチスタの栄光(連続ドラマ版)』で、栄光を掴む前の伊藤淳史が見られる!!!
『アウトレイジ』で早々に殺される前の塚本高史が見られる!!!!
それぐらいの価値しかない映画です。
これを二時間ぐらいかけて見るぐらいなら、NHKあたりがたまに放映する本物の『ロボコン』ドキュメンタリーを見た方が絶対に良い。
あっちの方がずっと青春しているし、高専生達それぞれの個性をキッチリ描いている。
高等専門学校に通う生徒さん達って、人生の中の物凄く早い時期(中学校3年生)に、自分の生き方や、やりたいことを選択した子達なんですよね。
だからこそ、そういう子達の授業風景とか、部活とか、恋とかにはそれはそれは興味があったのだけれど、その辺の高専生のドキュメンタリーな部分が一切ない映画です。
そりゃ実際中には変なヤツもいるだろうし、やる気のないヤツもいるんだろうけど、あまりにもそれっぽく描こうとし過ぎていて、ストーリーもキャラクター設定も全てがお粗末。
こっちが見たいのはリアルな理系のスポ根ドラマなのに、なんか体育会系の人が理系(スポーツじゃない部活)の人達の青春を適当に馬鹿にして作ったみたいな話になってしまってる(って良く調べて見ると監督・脚本、芸術学部出身者じゃん…)。
ただでさえロボット作りっていうかなり地味な作業を題材にしているのに、演出面や登場人物達の個性でそこを全く補えていないから、気合を入れて見ていないと、とてもとても眠くなってくるし、展開がめちゃくちゃ読めてしまう。
こんな感じの仕上がりにするんだったら、最初から真面目にやってる第1ロボット部(主人公達は第2)が主役の物語で脚本を書いた方がまだ良かったんじゃないかな?
これじゃあ、真面目にロボットコンテストに向けて取り組んでいる高専生に失礼だし、もっと言えば、適当にロボコンに出ようとしている高専生(というか、そんな高専生って本当にいるの?)にさえ失礼極まりない。
主人公についても部活じゃなくて補講を選べばいいじゃん。他の部員も部活をガチでやりたくないヤツは辞めればいいじゃん。
部員達と性格や意識が合わなくて、ぼっちプレーに走るぐらいなら、他の部活を選べばいいじゃん。
あの部活を辞めることには定評がある桐島君だって部活辞めたんだよ。あんなに皆に愛されてたのに……もうこういうのホントやめて欲しいです。
理系の部活の大会(もちろん文系もね)って、ロボコン以外にも数学とか色々あって、甲子園を目指す高校球児と同じように熱い気持ちで日々戦っているんだから、そこは変にいじくらないで素直に映画にしようよ。
せっかく部活映画の中では新ジャンルって呼べるぐらいの体育会系以外の部活ってテーマで、さらには高専生っていうちょっとニッチな存在の学生達が主役なのに、マジでもったいない。
もしもこの映画が名作で、このジャンルがどんどん開拓されたらと想像すると、残念でなりません。
数学コンテストの全国大会を目指す映画とか超見てみたいし、高専生のごく普通日常を描いた映画だって見てみたい。
もしかしたら、少しはそういう映画がすでに出ているのかもしれないけど、ほとんどと言って良いほどそういった作品の評判が耳に入って来ないことから鑑みると、やっぱりこの『ロボコン』の罪は大きいと思う。
だって、これがこの新部活モノジャンルの中では名作扱いされているレベルなんだから。
あぁ、なんて書いている間に、なんでこんなに怒ってるのか途中で分からなくなってきてしまった……
ただ、今ハッキリとわかったのは、私は理系、文系の部活を愛してるってこと。
あと、長澤まさみはやっぱりカワイイってこと。もう30を超えた彼女でも全然いけるってこと。
この映画のレビューの締めくくりはこれに尽きます。
本作の名台詞
こんなに本気になったの初めてだったから……
出典:ロボコン/VOD版
役名:葉沢里美
演:長澤まさみ