洋画『インセプション』/何回も見ないと理解できない難解なお話

スコア:814/999

インセプション出典:ワーナー・ブラザース
『インセプション』


【あらすじ】

夢の中に入り込み情報を盗み出す産業スパイのコブは、サイトウからその力でターゲットの行動を操って欲しいとの依頼を受ける。困難な依頼に挑む彼だったが、やがてコブ自身の夢にある問題があることがわかる。


【作品情報】

公開:2010年7月13日(イギリス)|2010年7月16日(アメリカ)|2010年7月23日(日本)/上映時間:148分/ジャンル:SF/サスペンスアクション/映倫区分:全年齢/製作国:アメリカ・イギリス/言語:英語


【スタッフ】

(監督・脚本) クリストファー・ノーラン/(音楽) ハンス・ジマー


【キャスト】

レオナルド・ディカプリオ/渡辺謙/ジョセフ・ゴードン=レヴィット/マリオン・コティヤール/エレン・ペイジ


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※情報は【2022年11月3日】現在のものです。上記のボタンから本作品の再生ページに直接ジャンプ出来ます。各VODを選択してご利用ください。詳しくはこちらのページでご確認いただけます。

ポイントレビュー


■ついでに見る、ができない映画

猿渡 りん子
猿渡 りん子
SF担当
ポイント:299/333|評価:GOOD

実体験からお話をさせて貰いますけど、誰かに夢の話をするのって、とても難しいことですよね。

当時彼氏だった今の旦那とのデート中、昨晩見た不思議な夢の話をしたことがあったんですけど、全然辻褄が合わなくて、「お前さんは結局何が言いたいんだい?」って冷たく一蹴されたのをこの映画を見て思い出しました。

そのことがあってからは、二度と自分が見た夢の話を彼にはしなくなりましたが、でも、だからこそこの映画は凄いと思うんです。

本作は、ただでさえ辻褄の合いにくい夢の話の盲点をついて、逆にどう辻褄を合わせていくかを描いている作品なんですよね。その分、話としては難解になってしまうんですけど、夢の話で人を楽しませるって、そうでもしなければ、不可能に近いことだって私は思います。

ただ、それだけに、この映画の話を頭からつま先まで全部理解しようとするのは結構難しいかもしれません。

当時の彼氏、現旦那に言われた「お前さんは結局何が言いたいんだい?」も、これを見た後なら何となく理解できるような気がします。ちょっとでも目を離すとガチで意味わかんなくなります。何度、巻き戻したことか……

服の折り畳みなどの片手間では絶対見られない、主婦泣かせな映画です。


■わかんないとこもあったけど面白かったよね、そんな気がする

試文 書人
試文 書人
サスペンス担当
ポイント:270/333|評価:GOOD

話を理解するためにおそらく5回以上は見た。アホだから二度や三度じゃ理解できないんだ。最終的には『インセプション 解釈』で検索までしてやったよ。皆さん凄い。ホントすごい。マジですごい。

それでも今、全部理解したとは言い難い……哀しいね。

だけど、最初に見た時から面白い映画だとは思ったよ。それは確かに思った。嘘じゃないよ。ホントに思った。結構だいぶ意味わかんなかったけど、確かに意味はわかんないけど、なんかいいなって話って良くあるじゃない。

それ、まさにそれ。

サスペンス要素満載だし、なんかアクション感もあるし、切ないし、そんな話。だけど俺の評価厳しいよ。そうだね、俺に初見で理解しづらかったから、ちょっと減点だね。

サスペンス好きをアピールしてるくせに頭悪くてごめん。


■アクションシーンを含め、作中映像が荘厳美麗で幻想的

山守 秀久
山守 秀久
アクション担当
ポイント:245/333|評価:GOOD

大のアクション映画好きの方にとっては、もしかすると、夢の中の話なら何でも出来るでしょと思ってしまうところがあるかもしれませんが、アクションというジャンルの目線で言っても、映像美は実に素晴らしいです。

夢と現実の間。

アクション映画もある程度その間の部分で表現をするジャンルですから、レンタルビデオ屋さんでアクションの棚に置いてあっても違和感はないと思います。

ただ、世の中には、アクション映画として認められるのは、スタントなし、百歩譲ってワイヤーアクションまで!といった超超コアなファンも稀にいるので、そのあたりは個々の判断に委ねるしかありません。

そもそもアクションファンを顧客の対象にした映画ではないのでしょうが、マニアックなところにまで愛される映像美とアクションシーンのバランスを上手く取るのって、非常に難しそうですね。


メインレビュー

ネタバレありの感想と解説を読む

いい夢見ろよ!うん、映画で見たよ!!

猿渡 りん子
猿渡 りん子
メインレビュアー
SF担当/最高評価

夢ってとても不思議ですよね。ほとんどの場合が辻褄の合わない矛盾だらけの内容なのに、見ている間はそれに納得しているんですから。

ただ、そんな布団でみる夢の中にもヤケに現実的で矛盾の少ないものもあって、そういう夢を見た時はなんだか、良い映画をみたような気になることがあります。リアル過ぎて怖いのはイヤですけどね。

インセプションはそんな「現実的なの夢」みたいなお話でした。

もちろん、夢がメインテーマのお話なので、矛盾点やおかしな世界観はあるんだけど、妙に辻褄が合ってるんですよね。

話の筋はやたら難しいし、終始重苦しいムードだし、渡辺謙はそのムードに拍車をかけるしで、基本的には苦手な部類に入るSF作品なんだけど、「内容を全て理解したい」「結末が絶対知りたい」っていう変なやる気みたいなのを出させてくれる映画なので、やられちゃいました。

ええ、もう何回も見ましたよ。

検索もしたし、ディカプリオファンの友達にも電話までしました。最終的には知恵袋にまで頼ろうとまでしたんだけど、そこでは私と同じ悩みを抱えた人々が溢れていたので、同じ質問を繰り返すのは申し訳ないと、過去の質問を確認するだけで、何とか踏みとどまりました。

ですが、最終的には全ては理解できなかったかなぁ。

むしろ調べれば調べるほど、繰り返し見れば見るほど、奥が深くなってしまって、難しくなっていく。唯一、ラストシーンの意味は理解できたような気がしますが、もしかしたら間違っているかもしれないし、ある意味今もスッキリしてない状態です。

監督・脚本のクリストファー・ノーランは、本当に罪作りな人です。こういう悩ましい作品ばっかり出してます。

でも、面白いんですよねぇ。初見での彼の作品の感想を正直に一言で言うと、「うん、難しかった!」って子供みたいになっちゃうんですけど、その難しさが心地いいんです。この作品もその例に漏れません。

難しい話は苦手という人は、こういう作品を敬遠しがちでしょうけど、この『インセプション』は多分平気ですよ。これを難しくないっていう人なんて絶対いませんから。

全部は理解できなくても、なんとなく良い映画だったって感想は持てる作品なので、未見の方は難解な映画が苦手な人でも、是非一度は挑戦してみてくださいな。

ちょっと頭が疲れるかもしれませんけどね。でも、そういう時は寝ちゃえばいいんですよ。寝ちゃえば。

この映画を見た後に皆さんが良い夢がみられますように。それでは、おやすみなさい。

本作の名台詞

これが‟夢”ということか?

出典:インセプション/VOD版

役名:サイトー
演:渡辺謙