スコア:763/999
出典:ツイン
『殺人の告白』
【あらすじ】
刑事のチェ・ヒョングは女性のみを標的にした連続殺人犯をあと一歩というところで取り逃がしてしまい、事件はそのまま時効を迎えてしまう。だが、時効後に突然ある男が自分が犯人であると顔出しの記者会見を開いた。
【作品情報】
公開:2012年11月8日(韓国)|2013年6月1日(日本)/上映時間:119分/ジャンル:サスペンス/サブジャンル:サイコサスペンス/映倫区分:PG12/製作国:韓国/言語:朝鮮語
【スタッフ】
(監督) チョン・ビョンギル/(脚本) チョン・ビョンギル,イ・ヨンジョン,ホン・ウォンチャン/(音楽) キム・ウグン
【キャスト】
パク・シフ/チョン・ジェヨン/キム・ヨンエ/チョ・ウンジ/オ・ヨン/チェ・ウォニョン/J:チョン・ヘギュン/キム・ドヒョン
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見放題配信
※情報は【2022年11月4日】現在のものです。上記のボタンから本作品の再生ページに直接ジャンプ出来ます。各VODを選択してご利用ください。詳しくはこちらのページでご確認いただけます。
ポイントレビュー
■オススメは作品は?と聞かれた際に紹介の仕方にいささか困るお話
ポイント:250/333|評価:GOOD
時効を迎えたはずの殺人犯が自ら名乗り出るという、キャッチーな設定にひかれ、レンタルビデオ屋で発見した際にすぐに視聴。今回は数年ぶりのVODでの再視聴となったワケだけど、やっぱり初見時の衝撃の方が強かった(そりゃそうだよね)。
ただ、二度三度と見る映画ではないのは確か。これはサスペンスのかくあるべき姿なので、何の減点要素にもならないが、ちょっとしたことで映画の話題になった時に「面白い韓国のサスペンス映画」として、本作品を挙げても余り盛り上がれないのは少し寂しい。
なぜなら、触りの部分ぐらいしか話せないから。ちょっとでも情報を小出しにすると台無しだから。ラストがどうなるかが大切だから。
だけど、こういうネタバレなしの感想を書くのが難しいサスペンスってのは、良作の証拠。『刑事コロンボシリーズ』やら、それをオマージュした『古畑任三郎シリーズやら』の逆パターンの名作もあるけど、これらは純粋なるサスペンスとは言い難いと俺は思ってる。
お互いが視聴済み同士だったら、話も盛り上がれるだけどね。でも、初見当時は日本ではそれほど有名な作品ではなかったから、一人もそんな人と出会えなかったなぁ。俺が当時本作を発見出来たのも、『殺人の追憶』を借りようとしてた時の貰い事故みたいなもんだったし。
■韓流っぽさが気にならない人は是非こちらから
ポイント:264/333|評価:GOOD
日本でリメイク版が出ています。タイトルは『22年目の告白 -私が殺人犯です-』主演は藤原竜也となっています。
本家とリメイク版は、大筋は一緒ですが細かい部分とラストが違います。どちらも楽しめる作品です。おそらく日本では、リメイク版を先に見た方の方が多いと思いますが、私はこちらが初見でした。
本家である本作品については、序盤こそ韓流っぽさが抑えられていましたが、最後まで見ると、「あぁ、やっぱり韓国映画ですね」という感想を抱くのではないでしょうか。
私は日本に持ち込まれてくる韓国映画に関しては高く評価していますので、何ら問題ないのですが、同国の映画の独特のムードがどうしても苦手だという方は、リメイク版を見るに留めておくのが、無難かと思われます。
でも、そうでないなら、どちらも甲乙つけ難いところはありますが、私は本家を推します。普段、サスペンスを積極的には見ない私にとっては、結構な衝撃の結末でした。
■日本版と韓国版、どっちを先に見るかはコイントスで
ポイント:249/333|評価:GOOD
韓国のサスペンス映画は、日本のモノとは、やはり切り口が相当異なっていますね。その理由がお国柄の違いなのか、映画業界の体質の違いなのかはわかりませんが、ここまで違うのかと本作品で思い知りました。
どちらが上ということではなく、日本のサスペンスには日本のサスペンスの良いところがあり、韓国のサスペンスには韓国のサスペンスの良いところがある。その逆もまた然りです。
私は、リメイク版から先に見たので、衝撃度はやや薄かったですが、このストーリーを思いついた脚本家には拍手を送りたい。ネタ切れ感が否めない今のハリウッドのサスペンスと比べて遜色ないどころか、公開時点ではその上をいってたんじゃないかって脚本でした。
ただ、『本作品とリメイク版どちらを先に見たら良いか?』と聞かれると、ちょいと悩ましい話ではあります。記憶をリセットした状態で見ないと正しい評価がしにくい作品ではあるので、これは答えようがないんです。
どちらも未視聴の方はコイントスででも決めて下さい。
メインレビュー
- ネタバレありの感想と解説を読む
カーチェイスシーンさえなければ、さらに高評価
メインレビュアー
アクション担当/最高評価韓国のサスペンス映画としては、韓流らしいムードは常に漂っているものの、程よく見やすい部類に入る作品です。同国独特の目を覆いたくなるような場面もありますが、『親切なクムジャさん』などと比べれば、毒々しく血液が流れる場面は多くはありません。
猟奇殺人犯が登場する韓国映画にしては、これは珍しいケースだと言えます。
それだけに、被害者遺族の会とのカーチェイスシーンが不要でした。
あそこだけが、映画全体の映像の中で浮いているんです。ガチガチの名声優陣で固められているアニメの中に、一人だけ俳優さんが特別ゲストとして出演しているような違和感がありました。
加えて、時効を迎えて殺人を告白するイ・ドゥソクが若過ぎるのもなかなか馴染めませんでした。
これについては、作中で半分納得できるように説明がなされているんですが、それでもいくら何でもという若々しさです。中性的な顔立ちも手伝って、20代中ばぐらいに見えます。
この点については、ドゥソク役のパク・シフの秀逸な演技力にかなりフォローされている印象です。
不敵な笑みを浮かべさせたら、右に出る役者さんはいないんじゃないでしょうか?あんなにもニヒルでいやらしい笑みを他の韓流作品で見たことはありません(褒めてます)。
でも、それ以外にアラはないです。私が単純明快なストーリー構成のアクション映画ばかり見ている人間だからなのかもしれませんが、様々な場面で騙されましたし、先の展開も全く読めませんでした。
削るべきところは削り、強調すべきところは強調するということをもっと徹底していれば、私は躊躇なく名作の太鼓判を押していたとさえ思います。
日本には韓国映画にアレルギーのある方が一定数いらっしゃるので、どうしてもという場合は日本のリメイク版をオススメしますが、一度挑戦してみる価値はある作品です。特に映画好きの方々は、毛嫌いのせいで秀逸な作品を見逃すことが一番もったいないです。
何百本と見ても「良かった」と後々の記憶に残る映画というのは、それほど多くはありませんから。
韓国のサイコサスペンス映画も、日本と同じように、エログロなだけが売りの駄作が山のように存在していますが、本作品はサイコな内容の割にエログロに頼らない秀作という珍しい山にいる作品です。
興味を持った方は是非この山を登ってみてください。
本作の名台詞
私の告白は一時的に混乱をもたらすでしょう
出典:殺人の告白/VOD版
役名:イ・ドゥソク
演:パク・シフ