スコア:129/999
出典:ワーナー・ブラザース
『藁の盾』
【あらすじ】
権力者の蜷川は、孫娘を殺害した清丸を殺した者に10億円払うという新聞広告を掲載。危機感を抱いた清丸は身を隠していた福岡で自首をするが、東京までの護送の間、懸賞金目当ての人々から命を狙われることになる。
【作品情報】
公開:2013年4月26日(日本)/上映時間:125分/ジャンル:サスペンス/サブジャンル:サイコサスペンス/映倫区分:全年齢/製作国:日本/言語:日本語
【スタッフ】
(監督) 三池崇史/(脚本)林民夫/(主題歌) 氷室京介『NORTH OF EDEN』/(原作)木内一裕『藁の盾』
【キャスト】
大沢たかお/松嶋菜々子/藤原竜也/山崎努
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見放題配信
※情報は【2022年10月28日】現在のものです。上記のボタンをクリックすると各VODの作品ページにジャンプすることが出来ます。詳しくはこちらのページをご確認ください。
ポイントレビュー
■予告は良かったんだけどね……
ポイント:13/333|評価:BAD
本当にひどい。予告詐欺もいいとこ。予告を見た時はすんごく楽しみにしてたんだ。でも、実際の中身は「う~ん」どころの騒ぎじゃない出来映え。
ただ、予告で感じたドキドキとここまで解離してると逆に清々しいぐらいになってくるのも事実。そこは逆に加点してあげたいぐらい。ストーリー展開に対してではなく、ただただ純粋に、「あ、騙された!」と思った。公開当時の中吊り広告とかもやけに格好良かったしね。
個人的に好きな役者さんがいっぱい出てるからホントに残念。1度目は劇場で見ているんだけど、このレビューを書く確認作業のために、もう一度VODで見るのはガチのマジで辛かった。初視聴で感じたことを、そのまま再視聴でも感じさせてくれるってある意味凄いけど、死後の世界には、こういう地獄もありそうだな。まさに無間地獄の体験。
うーん、でも何が悪かったんだろ?ハッキリとは言えないところはあるんだよね。卑怯な言い方だけど、全体的につまらなかったって感じで。ただ、それを確認するために見るって意味では、もう一度だけ見てみる価値があるかも。いや、ないかも。
もうこういうのはホント困るよね。
■同じく懸賞金モノの『S.W.A.T』には負けちゃダメ
ポイント:50/333|評価:BAD
話の大枠ではサミュエル・L・ジャクソン主演の『S.W.A.T』や、メル・ギブソン主演の『身代金』に設定が似ている話だと思いました。例に挙げたどちらも、あることをした人に懸賞金を出しますよ、というお話です。
しかしながら、この二つの映画に、『藁の盾』は面白さでは圧倒的に負けてしまっています。『身代金』はまだしも、『S.W.A.T』に負けるなんて残念です……
邦画には邦画の良さがあると信じてやまない人間だと自負していますが、こういった設定ありきのテイストで作品を描くのは、日本という国では難しいのかもしれません。良い意味で突飛な行動をとる人が少ない国ですから、本作のような状況になることがまず想像しにくいんです。
ただ、そういった国民性の違いのハンデがあったとはいえ、展開があまりにもお粗末過ぎます。警察が油断していないシーンを探す方が難しいです。これなら私はウォーリーを探します。
■豪華俳優陣の藁にはすがることが出来ませんでしたね
ポイント:66/333|評価:BAD
なんだろう?俳優陣凄いし(主演級の3人以外にも脇役に山崎努とか岸谷五郎とか)、話としても面白くなりそうな設定なんですけどね。本当になんでだろう?
って、テツannトモの話じゃないけど、彼らにこの映画のダメなところネタにして貰ったら、そっちの方が、面白いんじゃないかとさえ思う。マジで「なんでだなんでだろう?」の連続。最後まで見てられないレベルかって聞かれたら、二つ返事で「うん、見てられないレベルだったよ」って答えられる自信があります。
でももし、「じゃあ、なんでこんなの最後まで見たの?」って聞かれたら、どうするだろう?
多分、「氷室さんが歌う主題歌を聞くのためだよ」って答えるかな?途中で流れていたら、多分その瞬間に見るのを止めていたので、結果論にはなってしまいますが、お馴染みのハスキーボイスが最高でした。しかし、エンドロールまで長かったなぁ……
メインレビュー
ネタバレありの感想と解説を読む
つまらないものにつまらないというのは辛い
メインレビュアー
サスペンス担当/最低評価見ている間、ひたすらイライラしっぱなし。最初の方はまだギリギリ興味を持てたけど、子供でも先が読めるような展開と無能な警察の面々。大沢たかおと松嶋菜々子の護送コンビも特段有能な感じはなく、むしろ足を引っ張っているフシすらあった。
まぁ、ここが有能過ぎるとお話にならないっていうのはわかるんだけど、それにしてもさ。他にあるじゃんやり方が。
そもそも10億貰えるからって人を殺したって、殺す対象が有名過ぎて絶対つかまるよね。いくら政財界で権力を持っている蜷川が何とかしてくれるって言ったって、それは無理でしょ。もしそれが可能なら、そっちの方が藤原竜也演じる清丸より根が深い悪だよ。
ドキドキ出来る場面が1ミリもない
もうダメダメな要素があり過ぎて言い出せばキリがないんだけど、全体の雰囲気的にはよくあるサスペンス+アクションモノって感じだからタチが悪い。
設定がありえないとか、護送側が無能すぎるとか、色々言ったけど、そんなのはこのジャンルでは良くあることで、それでも面白かったってお話は結構あるんだよね。ダメなところばっかりではあるものの、なんやかんやでドキドキだけはさせてくれるみたいな。だから、一掴みの期待を握り締めながら見続けちゃう。
例えば、赤ちゃんが撃たれそうになるシーンとか映画でよくあるけど、念のためにみたいな気遣いで一応はドキドキしてはみるじゃない?絶対撃たれないのに、画面をジッと見つめた振りをしてみたりはするじゃない?
でも、この映画はわざとやってんのかってぐらい、その観客が気を使ってくれそうな場面でさえドキドキできないし、退屈なんだよなぁ。結果が分かり切っている以前の問題。
血迷って、いつの日か再視聴してしまいそうな自分が怖い
つまらない話につまらないって突っ込むのが一番つまらないって自分は思っているんだけど、あえて、自分がつまらない人間だと思われる覚悟で、そう言わせて貰いたいぐらいにつまらなかった。
あの映画『カイジ』のビールシーンで一世を風靡した藤原竜也の犯罪的な演技力をもってしても、こういう映画が出来てしまうって恐ろしいよね。護送される犯人の清丸よりも、そのことの方が恐ろしいし、サスペンスだったよ。
まぁ、藤原達也は今回に関しては少し役にあってなかったような感じがするし、総合的にボタンを掛け違えた運の悪い映画ということなのかもしれないね。
おそらく二度とは見ることはないだろうけど、ふとしたイタズラ心でこういう映画を見返してしまう癖があるから、ホントに注意しないと……
怖いモノ見たさって、きっとこんなことを言うんだろうね。
ただ、こんなにも否定的に書いてしまったけど、予告とか良く出来てるし、まだ見てない人には積極的にオススメしたい作品ではあるかな。ほら、ここで書いているレビューは実は全部嘘で案外面白いかもしれないじゃない。見放題なんでしょ?早くこっちの世界においでよ。
ふふふ。ふふん。
本作の名台詞
この男… 清丸国秀を殺して欲しい……
出典:藁の盾/VOD版
役名:蜷川隆興
演:山崎努