洋画『ディープ・ブルー』/サメ映画ファン待望の「サメ映画第2世代」の傑作

スコア:638/999

ディープ・ブルー出典:ワーナー・ブラザース
『ディープ・ブルー』


【あらすじ】

海上の研究所でサメの脳細胞を利用したアルツハイマー病の治療薬を開発していたスーザンは、一度は研究用のサメに逃げられた事でその道を閉ざされるも、再びチャンスが与えられる。だが、またヤバいことになった。


【作品情報】

公開:1999年7月26日(アメリカ)|1999年10月9日(日本)/上映時間:105分/ジャンル:パニック/サブジャンル:サメ映画/映倫区分:全年齢/製作国:アメリカ/言語:英語


【スタッフ】

(監督) レニー・ハーリン/(脚本) ダンカン・ケネディ,ウェイン・パワーズ,ドナ・パワーズ/(音楽) トレヴァー・ラビン


【キャスト】

サフロン・バロウズ/トーマス・ジェーン/サミュエル・L・ジャクソン/ジャクリーン・マッケンジー/マイケル・ラパポート/ステラン・スカルスガルド/LL・クール・J


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※情報は【2022年10月29日】現在のものです。上記のボタンをクリックすると各VODの作品ページにジャンプすることが出来ます。詳しくはこちらのページをご確認ください。

ポイントレビュー


■サメ映画界では3本の指に入るぐらいの名作

試文 書人
試文 書人
パニック担当
ポイント:241/333|評価:GOOD

「ホラーとパニックって凄い近いじゃん。でも、違うじゃん」という、単なる思いつきで早くも分離することになったジャンル『パニック』担当の試文書人です。以後、宜しくお願い致します。

本作の魅力は何と言っても、サメ映画界の超名作『ジョーズ』に及ばないまでにしても、『ジョーズ2』あたりには勝ってるんじゃないか?いや、そうでもないか?ほどには傑作な点にあるだろう。

ネット等ですでに耳にタコが出来るぐらい話題にのぼっている話ではあるが、本当にサメ映画はそのほとんどがひどい。マジでひどい。

しかもタチが悪いことにその作品数の多さと言ったらもう……『サメ映画』という新たなジャンルを設立してもいいんじゃないかってぐらいの数。

しかしながら、本作に関しては、その中にあって飛びぬけて「まともな方で」かつ「面白く」かつ「まぁ理屈はわかる」作品だと言えるんじゃなかろうか?いや、ぶっちゃけ、これはサメ映画界では3本の指に入るぐらい名作と言ったっていい。

そんぐらいサメ映画ってひどいから。まぁ、そこが好きなんだけどね。


■あの『ジョーズ』に善戦

山守 秀久
山守 秀久
アクション担当
ポイント:202/333|評価:GOOD

どうしてもサメ映画となると『ジョーズ』と比べられてしまうのが、可哀そうなところなのですが、『ジョーズ』よりも製作された時代(本作は約10数年ほど後)が新しい分、映像的には迫力があったような気がします。

ただ、パニック映画において一番大事な『恐怖心』の部分では、やっぱり負けてしまっていたかな。

かの有名な音楽だけでサメが迫りくる例の演出には、どうやっても勝てるものじゃないのかもしれません。

とはいえ、相手が悪かっただけで、十分あの『ジョーズ』に善戦している作品だと思います。

現代のCG技術を知ってしまうと、少々リアリティと迫力に欠けるシーンはありますが、それでも十分現代人にも通用する恐怖と混乱を描けていたのではないでしょうか?


■無茶苦茶はやってない稀有なサメ映画

近道 通
近道 通
オールジャンル担当
ポイント:195/333|評価:GOOD

正統派のサメモノとして、ウマいこと凌いだんじゃないですか?この映画。

他のレビュアーもおそらくあの名作『ジョーズ』に触れながらのレビューになっていると思うんだけど、『ジョーズ』を知らない世代なら、友達とワイワイ楽しむも良し、家族でサメの恐ろしさを学ぶも良し、気になるあの子にしがみ着かれるも良しの三拍子揃った作品だと思います。

なんで、アルツハイマー用の薬品を作るのに、材料が魚類なんだ?っていう理論も無理くりではあるけど、一応さらっと説明はしてたしね。

少なくとも『サメ映画』にありがちな無茶苦茶なお話ではありません。因みに、サメって実はそんなに人間を襲わないんだそうです。人間を襲う種類は4つぐらいって聞いたことがあります。それも、アザラシかなんかと間違えてだとか何とか。

と、そのあたりの半端な豆知識は別にして、とにかく私にとっては再生ボタンをポチる価値はあった作品でした。


メインレビュー

ネタバレありの感想と解説を読む

おもしろ黒人枠の使い方が最高にウマい

試文 書人
試文 書人
メインレビュアー
パニック担当/最高評価

パニック映画に必要不可欠な枠と言えば、『おもしろ黒人枠』に止めを刺すであろう。特に玉石混交(90%以上石)の作品が入り乱れるサメ映画業界では、これは非常に重要なファクターだ。

サメ映画界のレジェンド『ジョーズ』の主要登場人物に黒人は出て来ないが、そこは今はめんどいのでひとまず置いておくとしよう。

とにかく、理屈抜きで『おもしろ黒人枠』をどう使うかで、パニック映画としての評価がある程度決まるということをまずは皆さんにご理解頂きたい。

もの凄い極論だし、正直この理論は半分嘘なんだけれども、本作はこの『おもしろ黒人枠』の使い方が抜群に上手い。

キャラとしてはプリーチャーというあだ名の料理人で、肩にペットのオウムを止まらせているという、狙っているのか狙っていないのか良く分からない存在なんだけど、全然物語の邪魔になってない。

この映画はむしろコイツが主役だったんじゃないかって思ったほど。

もう終盤は、主役とかヒロインとか頭のいいサメとかどうでも良くなってくるぐらいに、コイツのことばっかり気になってしまう(あ、そういう意味では話には邪魔か……)。

『おもしろ黒人枠』の悪い使い方のテンプレを挙げ出すと、「常にラップ調で語るヤツ」とか、「冗談言ってる最中に死ぬヤツ」とか、「すぐ死ぬヤツ」とか、キリがなくなってしまうけど、コイツはそういうテンプレートからいい意味でズレていて、真に必要な『おもしろ黒人枠』だったと思う。

『おもしろ黒人枠』の名キャラクターを挙げろと言われたら、まずコイツが頭に浮かぶとまで言っていい。

無論、パニック映画としても本作は相当良い作品だと感じたし、サメ映画としても、ドキドキさせてくれるところも、ツッコミどころもあって、素敵な出来に仕上がっていると私は評価しているんだけど、その評価は全て彼の魅力があってこその賜物だと言ってしまいそうなほど、突出したキャラであった。

ついでに言えば、彼の肩に止まっていたオウムもアカデミー賞ものの存在感だった。

本作は映画としてはB級娯楽作品にあたるのかもしれないけど、この要素に関してだけ言えば、超A級作品に値すると断言したい。だって、だいたいつまんないヤツが多いんだもん。パニック映画に出て来る『おもしろ黒人枠』の登場人物って。

なので、未見の方は是非彼に注目して映画を見てみてね!

しかしまぁ、なんで私はこうもいつも偉そうなレビューになってしまうんだろうか……

好きな登場人物をコイツ呼ばわりするし。

というわけで最後に愛すべきプリーチャーに謝罪を。

コイツ呼ばわりしてごめんね。大好きだよ。俺は。

本作の名台詞

おれは ただの番人だ だが実験を早めるのは危険すぎる

出典:ディープ・ブルー/VOD版

役名:カーター
演:トーマス・ジェーン