スコア:197/999
出典: ファントム・フィルム
『神様はバリにいる』
【あらすじ】
ビジネスに失敗した照川祥子は、バリで死のうとしていたところをアニキと呼ばれる大富豪の部下であるリュウによって救われる。図らずも祥子は、しばらくアニキの元で人生とビジネスについて学ぶことになった。
【作品情報】
公開:2015年1月17日(日本)/上映時間:106分/ジャンル:ドラマ/サブジャンル:実話原作/映倫区分:全年齢/製作国:日本/言語:日本語
【スタッフ】
(監督)李闘士 男/(脚本)森 ハヤシ/(主題歌) 湘南乃風『BIG UP』
【キャスト】
堤真一/尾野真千子/ナオト・インティライミ/菜々緒/ 玉木宏
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ポイントレビュー
■超薄目のカルピスを出された感じ
ポイント:53/333|評価:BAD
神ってるですとか、神がかってるですとか、私にとっての神様ですとか、「神」や「神様」という言葉を使った表現は、結構日本では気楽な感じで使われがちですが、神様という表現この映画に関しては題名に使って欲しくなかったですね。
バリに(古来からいる本物の)神様はいらっしゃるんでしょうけど、作中のアニキなる人物を商売の神様と誤認するようなタイトルは、この作品の評価を逆に下げてしまっているように思います。
方向性を誤ったプロモーションビデオっていう視聴感でした。お金持ちの家に遊びに行ったら、薄い薄いカルピス出されましたみたいな。
最低レベルとまでは言えないストーリー展開ですけど、だから余計に苛立ちが増すみたいな部分がある作品です。
■正論を語り続けると返ってうさん臭くなるってお話
ポイント:61/333|評価:BAD
堤真一と尾野真千子の無駄遣い、ここに極まれりという感想ですな。仮にこの映画に「私の人生を変えた一作」という評価を下す方がいたとしたら、私がその人と仲良くなることはないだろう。
それを否定は致しませんが……
感想らしい感想さえ、書きにくいなって映画。これを見てビジネスに成功する秘訣が得られるんだとしたら、私は永遠に成功しなくてもいい。
ただ、そこまで仲良くなかった学生時代の先輩に、『金持ち父さん貧乏父さん』を社会人になってから無理矢理読まされた経験が蘇ってきた懐かしさポイントがあったことは付け加えておきます(本編とこの本は一切関係ないです)。
そうっすね。話としては見られる……見られる、見られないで言ったら見られないこともない作品なんだけど、アニキの存在の描き方がうさん臭さ過ぎる。
モデルになった方は配役が堤真一になったこと以外はキレても良いのでは?
■人生は運ゲーって結論でいいの?
ホラー担当:試文 書人
ポイント:83/333
ガチでどうしようもないお話。結局、言いたがってることは、成功するためには「感謝しなさい」ってこと。
そんなん分かってるし、それが出来たからって、そううまくはいかねーだろ。
それっぽくいい話みたいな感じで描いているけど、終始マルチビジネスにハマってるヤツが相手を丸め込むために本作を利用しそうな展開で、現実でそんな輩に出会ったら、ホラーだよ。マジで。
これ、本当に実話が元なの?
もしも本当に大した脚色もしてない事実が元になっている作品なんだとしたら、人生は最終的に運ゲーってことでよろしいかしら?
ん?いやよくよく考えてみると人生って運ゲーかも。はいよ、そこは加点です。
メインレビュー
- ネタバレありの感想と解説を読む
「実在の人物をモデルに」は卑怯な手段にもなりえる
メインレビュアー
ドラマ担当/最低評価選ばれたレビュアー同士で、ある意味自分が最低点にならないように鎬を削っていた作品かもしれません。結果、その争いには負けてしまいましたが(もちろん、皆さん正直にポイントを付けています)。
皆、こういう作品のレビューの書き方が分からないんです……実在の人物をモデルにですとか、実在の話をベースとしてですとか、表現の仕方は色々あるんですけど、別に実話や実在の人物をモデルやベースにしているからと言って、作品としての格が上がるわけではないはずなんですよね。
そう、そういうわけではないんはずなんですけど、観賞して感想を述べるこちら側としては、実話の元になった関係者の方々の存在がちらつかざるを得ない。賞賛するにしても批判するにしても、どうしても気になってしまう。
実在の個人を批評するのではなく、作品を批評したいんです。
でも、「実在の人物をモデル」に「実話を元に」の言葉が出るだけで、少し萎縮してしまう。この批評だとモデルになった方に悪いかなぁ……と。
でも、だからこそ、そこそこのプライドを持っているレビュアーとして、作品への批評として、勇気を持って評価しなければならない。そう思っています。
なので、前置きはこれぐらいにして、ハッキリ言いましょう。
ビジネスでの成功という綺麗ごとだけでは絶対に片付かないことを、後片付けせずに帰っていった。
そんな作品です。
レビュアー仲間の誰かも言っていましたが、見られるんです。見られる。なんとか見られる。でも、気が付いたら、ラストはどうでも良いと思いながら見てる。そういう作品です。
この作中のアニキが何をしてらっしゃる方なのかは存じませんが、これなら、『ソーシャル・ネットワーク』の方が、何100倍もプロモーション効果がある。
あちらは、あれだけの批判を交えて(私の感想として)描かれていても、それぞれの登場人物たちは魅力的でしたから。
「この話は実話を元に構成されています」という作品として逃げた感じの文言は良く目にしますけど、「この話は実話を元に構成されていますが、実際のところはわかりません」という文言を見たことがない理由がこの映画を見てハッキリとわかりました。
実話を元にしているというエクスキューズってもの凄く大きいんです。
それを最大限に利用した作品なんだと思ってしまいました。
申し訳ないですが、映画として、感動も感傷も感激も一切ありませんでした。
0点はつけられないけど、0点をつけられる作品の方が価値があるって思います。
点数の割には極端にキレ気味なレビューになってしまいましたが、私のレビュアーとしての心情をお察しいただければ幸いです。
あ、そう考えると良い映画だったのかもしれませんね。
認めたくはないですけど。
本作の名台詞
睡眠は完全に悪や
出典:神様はバリにいる/VOD版
役名:アニキ
演:堤真一