邦画『億男』/宝くじで三億円当選!お金を追ってお金の本当の姿を知ろう……

スコア:686/999

億男出典:東宝
『億男』


【あらすじ】

兄の借金を背負う主人公は借金返済に追われる毎日を送っていた。ところがひょんなことから手に入れた宝くじが大当たりし、3億円を手に入れる。不安になった彼は親友に相談するが、彼は金を持って消えてしまう。


【作品情報】

公開:2018年10月19日(日本)|2018年12月12日(香港)/上映時間:115分/ジャンル:ドラマ/サブジャンル:ヒューマンドラマ/映倫区分:全年齢/製作国:日本/言語:日本語


【スタッフ】

(監督)大友啓史/(脚本)大友啓史,渡部辰城/(音楽)佐藤直紀/(主題歌) BUMP OF CHICKEN『話がしたいよ』/(原作)川村元気『億男』


【キャスト】

佐藤健/高橋一生/黒木華/北村一輝/沢尻エリカ/藤原竜也/池田エライザ


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※情報は【2020年02月09日】現在のものです。上記のボタンから本作品の再生ページに直接ジャンプ出来ます。各VODを選択してご利用ください。詳しくはこちらのページでご確認いただけます。

ポイントレビュー


■お金の話として、もっと評価されてもいいんじゃない?

アクセル神田
アクセル神田
ドラマ担当
ポイント:225/333|評価:GOOD

このお話、説教臭い場面もちらほら見受けられましたが、もっと評価されていいんじゃないでしょうか?ストーリーのテンポも良いですし、少なくともアクビは出て来ない内容です。中だるみもありましたが許容範囲だし、結果的には必要ではある場面でしたからね。見ているこっちがせっかちだっただけの問題です。あ~、でももったない!本作も大人の事情でたぶん地上波では無理ですよね?なのでVODにある内にご視聴はお早めにどうぞ。


■顔の良さ以外は主人公に感情移入しちゃったよ

試分 書人
試文 書人
サスペンス担当
ポイント:199/333|評価:GOOD

てっきりテレビ朝日で2008年に放送されていた、反町隆史主演の『ロト6で3億2千万円当てた男の悲劇』みたいな話かと思ってたけど、テーマが全然違う。俺的には宝くじ当選者の話なら断然本作の方が良かった。まぁこっちはフィクションだからね。しかし、こういう金に関する深い話は困るなぁ。必要以上に自分を主人公に投影させちゃうから客観性が保ちにくい。かなり感情移入して見ちゃったよ。佐藤健のイケメン顔以外はね。


■羨ましくて嫉妬が止まらないけど金が全てじゃないよね

橘 律
橘 律
ギャンブル好き代表
ポイント:262/333|評価:GOOD

宝くじ当ててぇ~。ロト6も普通の宝くじも、最後の2大砦と言われるスクラッチもナンバーズも人生の中で色々やりましたけど、大負けも言いとこです。最大当選金が1万円ぐらいだったかしら。そのお金の50倍はつぎ込んでいるのに……だから、「キーー!!」っていうね、羨ましさしかない話だと思いながら本作を見てたんですけど、最後はお金が全てじゃないって本気で思わせてくれる映画でした。だから決めました。競馬だけ続けます。


メインレビュー

ネタバレありの感想と解説を読む

競馬が出て来る作品に悪い話はございません

橘 律
橘 律
メインレビュアー
ギャンブル好き代表/最高評価

私が大好きな競馬をするシーンが映画の序盤で出てきたせいで、わずかに集中力を欠きながら本作を観賞していたことをここに告白させて頂きます。大変申し訳ございませんでした。

ただ、一応補足しておきますと、作中のレースは映像上でも11-5-7の3連単で決まりです。接戦で結果が分かりにくいレースではありましたが、映画的なズルはしていません。

しかしながら、ここで疑問が浮かびました。3連単1点に100万円賭けて万馬券ということなので、元々はかなり穴の3連単ではならなくてはなりません。3連単1点に100万円も賭けたら、G1レースでもない限り、オッズは大きく変動します。

出資者(百瀬栄一/演:北村一輝)はすでに2頭の本命馬を選んでいたので、このオッズはおかしいぞと思いながら私はこのシーンを見ていたんですけれども、実際には100万円を賭けていなかったというオチがつきます。

これで合点がいきました。実に正確な描写をする映画です。主人公も競馬のことはほとんど知らないと言ってましたしね。ある程度かじったことがある人間ならオッズの変化を見れば、すぐに賭けていないことに気が付いちゃいますから。

さらにどうでも良いことですが、開催場所はハロン棒のデザインから推測すると、この場面の競馬場って東京競馬場ではないでしょうか?東京競馬場は日本最大の競馬場で長い直線コースがウリです。着順が決まるまで苦しむ時間が長いですが、その分自分が買った馬が馬券内でゴールした時の喜びもひとしおになります。

もちろん、賭けている金額も関わっているでしょうが、作中の主人公の興奮の直線での仕方はこの東京競馬場特有のコース特性が大きく関係しているのは確実です。100万円の出資者(百瀬栄一/演:北村一輝)に言われるまで、そこまでレースには興味なさそうでしたからね。競馬場選びもなかなかナイスな作品です。

って、ここまで書いて東京競馬場じゃなかったらどうしよう……とね。大いに話が逸れてしまいましたので、レビューに戻りますが、つまり本作の主人公大倉一男は、親友の古河九十九(高橋一生)にお金を持ち逃げこそされましたが、元々驚異的な幸運の持ち主なんです。そのことに気が付けていないだけの人物なんです。

しかもこの場面で出資者から「一頭馬を選らべ」と言われた時に娘の誕生月ってだけで馬番を選んでます。作中でも言及がありましたが、これはいわゆるバースデー馬券(誕生日馬券)と言われるもので、滅多に当たりません。適当ですから。

そうなんです。「偶然にもいい月日に生まれた可愛い娘がいる」そんな些細な幸運にも気が付いていないんです。何にも幸運の本質がわかってない。あくまでこの時はですけどね。

そう、宝くじだって、そもそも娘が自転車が欲しいと福引をしたから手に入ったものなんです。その娘を生んでくれた奥さんと出会ったのも幸運だし、子宝に恵まれたのも幸運なんです。

宝くじが当たる前から常に「お金さえあれば別居中の家族と一緒に暮らせる」という事ばかり考え続けてたがゆえに、働いて働いて疲れ切っていたがゆえに、本当に大切なもの気が付いていない。幸運だけど不幸。それがスタート時の主人公です。神に選ばれし幸運の持ち主のクセにそれに気が付いていないお馬鹿さんなんですよ。彼は(半分嫉妬です)。

本作は、そんな彼が持ち逃げされた金を追うことで変わっていく話なんですが、その成長過程が非常にドラマチックで面白いです。見ている方はサスペンス映画の謎解きをしている時ようなテンションとでも言いましょうか、主人公の心の変化にワクワクしてきます。その辺は博才はあっても精神的には基本成長しない『カイジ』の主人公なんかとは全然違います(そういえば、彼も金を奪われてましたね)。

いつの間にかお金を追う話ではなくなっているんですよね。気が付いたら、自分が本当に欲しいもの……失った家族を取り戻すための話になっている。

また、その最中に出会う様々な九十九との関係者がまたブッ飛んでて魅力的なのも本作の面白さの一つです。千住清人とのシーンなんて、この人だけでスピンオフを作ってくれないかなぁと思ったぐらいです。演じておた名誉カイジこと藤原竜也、超ハマリ役でした。

ただ、本作に関しては、あとは特にこの場面の解釈はこうで……あの演出はこういう伏線で……と言う話ではないと思うんです。「お金の正体」について考えて貰うために作られた物語なんじゃないかなと、私は感じました。

なので、結末についてもあえてここでは詳しく触れません。本テーマとして掲げられている「お金の正体」に視聴者が納得できるかどうかが一番大事にお話ですから、視聴された方々それぞれにこの映画が出した結論に対する納得度が違うと思います。

参考程度に私の感想を述べるなら、本作の出した結論は四分の三ぐらいは納得できる正体でした。残りの四分の一は何故納得出来なかったかと言うと、そうですね……

手の平を返すようでなんですが、もっと他にも教え方があったような気がするんですよね。勢いがある作品なので、ついつい騙されてしまいそうになってしまうんですけど、後になって深く考え直してみると、別に当選金を持ち逃げまでする必要はなかったような……

あと、取り敢えず、主人公が兄の代わりに返済している3000万だけでも置いてってあげて欲しかったなぁって。

追いかけている間、夜のパートとかは休んじゃってると思うんですよね。地道に借金返してる人間に物事を教えるのにあの仕打ちはないかと……主人公も当選金受け取ったその足で、速攻で借金だけでも返しにいけよとは思いましたが。

うん!そうですね。やっぱり訂正します。この映画が伝えたかった「お金の正体」。私は半分もわかってません!結局「お金の正体」は私にとってはようわからんかったって話でした。

でも、映画なんて面白ければいいんじゃないですか?私が大好きな競馬だって面白くてやっているだけですしね。でもいいですよ。この映画。一瞬は本当にお金のことについて、真剣に考えさせられますからね。

とはいえ、競馬のシーンが出て来るだけでほんのり贔屓目に見ちゃうって、もうこれはちょっとした病気ですね。そこは反省します。このレビューだってほとんど競馬の話だし……

どんだけ好きなんだよ競馬。

本作の名台詞

一円玉と一万円札が同じ重さって皮肉だよね……

出典:億男/VOD版

役名:古河九十九
演:高橋一生