アニメ映画『言の葉の庭』/シブい夢を持つ少年が、一回りも違う女教師に恋しちゃいました

スコア:495/999

言の葉の庭出典:東宝
『言の葉の庭』


【あらすじ】

靴職人を夢見る15歳の秋月孝雄は、朝の授業をバックレた雨のある日に新宿御苑のベンチに座る27歳の雪野百香里と出会う。彼女は冷めたような目をしながら朝から缶ビールを飲み、どこか葛藤を抱えているようだった。


【作品情報】

公開:2013年5月31日(日本・香港・台湾・中国)2013年8月14日(韓国)/上映時間:46分/ジャンル:アニメ/サブジャンル:青春映画/映倫区分:全年齢/製作国:日本/言語:日本語


【スタッフ】

(監督・脚本・原作)新海誠/(音楽)KASHIWA Daisuke/(主題歌)秦基博『Rain』


【キャスト】

入野自由/関根航/花澤香菜/平野文/前田剛/寺崎裕香/井上優/潘めぐみ/星野貴紀/小松未可子


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見放題配信

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ポイントレビュー


■孝雄君、もっと弱みに付け込まなきゃ!

猿渡 りん子
猿渡 りん子
アニメ担当
ポイント:239/333|評価:GOOD

『秒速5センチメートル』『君の名は。』でおなじみの新海監督の好みを、全て凝縮したような作品になっています。おそらく女教師の雪野百香里は監督のお気に入りキャラです。

あの『君の名は。』にも雪ちゃん先生として出てるっぽいくらいですからね。特段お話として出す理由が見当たらないのは、まぁファンサービスということでOKにしておきましょう。ちなみに『君の名は。』には秋月孝雄も申し訳なさ程度に一瞬出ているみたいです。

作品としては、映像の美しさと主題歌選びのセンスは相変わらず最高水準のレベルとなっております。

また、今回に関して言えば、映画対主題歌対決は惜敗って感じです。映画としてのストーリー性も悪くないです。『秒速5センチメートル』よりは、イライラさせられません。こういうこともありえるだろうし、あったら一生の思い出になるだろうし、「恋だね。夢だね。青春だねぇ」って、主人公の男の子に対してオバサン目線でニヤニヤ出来ます。

ただ、自分の息子が孝雄君みたいになるのは嫌かなぁ。もうちょっとずる賢く大人の女を騙せるような15歳に育って欲しいって願っています。エロいことしか考えていないハズの時期(偏見)に、あんなに純ではダメです。


■相変わらず主題歌選びに抜かりなし

橘 律
橘 律
ラブストーリー担当
ポイント:188/333|評価:GOOD

完全に願望ですよね、このお話。監督の願望。少年時代にこういう闇を抱えた女教師と切ない恋愛関係になってみたかったっていう。

ただ、主人公に関しては『秒速5センチメートル』よりは好きですね。秒速の遠野貴樹ほどには暗くはないですし。靴職人を目指すなんて夢この多感な時期になかなかシブい夢を思い描いているところは良かったんじゃないですか?

そんな彼の純朴な可愛らしさがゆえに、過去の生徒からのいじめの影響でアルコールに依存していた元女性教師と共依存の関係になる話だって脳内変換すれば、なかなか面白い恋愛映画だと思います。

しかし主題歌選びには相変わらず抜かりがないですね。どうやって選んでいるんだろう?もしも、監督が選んでいるのだとしたら、そこの能力は日本のアニメ界では屈指のモノをもってらっしゃる方だと思います。


■男女逆なら完全に事案発生

近道 通
近道 通
オールジャンル担当
ポイント:68/333|評価:BAD

え~、言いたいことと、表現したいことは分かるし、フィクションとしてはそれなりに評価したいんだけど、これを認めてしまって良いのかなというのはありますね。

正直ダメじゃないですか?切なげで美しいムードに思わず流されてしまいそうになるけど、冷静に考えると(雨がやばかったとはいえ)、根本的にはマズイ話なんじゃない?

これは映画であり、フィクションなので、何をどう描こうと構わないっちゃ構わない。でも、出来れば逆の設定でやって欲しかったですね。教師と生徒の恋愛は圧倒的に男教師と女生徒のパターンが多いんですから。

だからこそ、珍しいケースで素敵な話なんだよって言いたいのかも知れないけど、もし現実に元教師だった男が女生徒を自室に引っ張り込んだら、このご時世じゃ、ヘタしたらニュースになる事案ですよ。

未成年者と大人が恋愛っぽい関係に陥ることを頭ごなしに否定したいわけじゃありません。だけど、社会的に認められていない関係(本作はプラトニックな関係ではありましたが)について、綺麗なキレイな生徒の恋と元女性教師の成長の物語ですって、雰囲気のままでお話を終わらせてほしくはなかったです。

フィクションは大いに自由な設定にすべきだし、本当は細かいケチはつけたくはないんですが、批判から逃げた設定っだなって、どうしても鼻についてしまう作品ではありました。映画として何が言いたかったのかも良く分からなかったですし……


メインレビュー

ネタバレありの感想と解説を読む

純粋もたいがいにして欲しい高校男子の物語

近道 通
近道 通
メインレビュアー
オールジャンル担当/最低評価

う~ん、元高校男子としては分からなくはない話ではあるんです。高校在学中には美人女教師(雪野は元だけど)の授業に当たる機会がなかっただけに、羨ましくも思います。

自分の経験上では生涯で一度ぐらいかな?小学生の時だったので、男目線って意味では少し違うのかもしれないけど、担任の産休で来た臨時教師は美人でした。でも、雪野ほどではありません。ただ、それでもテンションはMAX最高潮でしたね。

こんな話ばかりしていると、「そういう映画じゃねぇんだよ」と怒られてしまいそうですが、なんか主人公の孝雄にイマイチ感情移入出来ないんですよね。全然思春期特有の欲望が全く感じられない。もし自分が15歳の時に雪野みたいな元教師とお近づきになれたとしたら、あんな風に純な気持ちではいられません。

孝雄は、なんかそっち系の動画で女教師モノでも見ようものなら、罪悪感を感じちゃいそうな勢いのピュアさなんですよね。

未成年者云々かんぬんの話は置いておくとするならば、そういう路線で行って欲しかったなぁこの話は。

傷ついた元女教師(年上の女)をおとすために、高校男子があの手この手で奮闘するみたいな……

だいたい、こんな風に綺麗にはいかないだろうよ。高校男子はさ。自分の経験も踏まえて完全に決め付けさせて貰うけど、エロで頭がいっぱいおっぱいなハズじゃない?それが真に健全な高校男子像でしょうに。

夢を追いかけるのは別に良いんですよ。他のレビュアーも言ってたように、高校生にしてはビックリするぐらい、いぶし銀的な夢だし、努力もしているし、そこは応援したくなります。

でもね、夢を追いかける高校男子と精神を病んだ元女教師って設定だけで、小綺麗に話が進んでいくってのは何か違うんじゃないかな?

新宿御苑で一瞬だけ足フェチを思わせるようなシーンがあったけど、それは映画として製作陣が作った情景の映し方によって、そう思わさせたれただけであって、主人公の孝雄君本人の表情は全然そんな感じじゃない。

特別、足フェチにこだわらなくてもいいんだけど、主人公の彼からは思春期の男の子らしさってのが微塵も感じられないんです。

まぁ、靴職人を目指してる子が足フェチなのは確かにまずいので、何フェチでもなくていいから、何かしらアクション起こしてみようよって思います。なんでこの時期の高校男子が待ちの営業してるのかさっぱりわからない。もう元教師だってわかった終盤なんて完全にクロージング出来た状況じゃん。

ってね。しつこいぐらい自分の偏見に当てはめてディスってしまいましたが、ドロドロ系が苦手な方なら好きになれる作品なんじゃないですかね。汚い部分が全くない純恋愛なので。

ただ、私は生涯でこんな高校男子に出会ったことはありません。いつも教室の隅で机に突っ伏しているような同級生でも、何気なく話してみると持っているもんですからね。男としての矜持ってヤツを。

特に「俺はこう見えてギャルが好きなんだ」って、聞いてもいない事を教えてくれた美術部のアイツには、私専属のエロソムリエとして、当時本当にお世話になりました。高校時代の忘れられない思い出です。アイツ元気にしてるかなぁ。本作の孝雄も雪野先生に出会う前にアイツみたいなのに出会っていればね……

とはいえ、本作に関しては私のせいで500ポイントを割ってしまった感は否めませんね(笑)。この話が好きな方すんません。

本作の名台詞

自分のことは何も話さないくせに人の話ばっか聞き出して、おれのこと生徒だって知ってたんですよね?汚いですよそんなのって!

出典:言の葉の庭/VOD版

役名:秋月孝雄
声:入野自由