フランス映画『皇帝ペンギン』/それでも引っ越さないのには、きっとなにか理由があるんだよ!観れば分かる。たぶん……

スコア:822/999

皇帝ペンギン出典: ワーナー・ブラサース
『皇帝ペンギン』


【あらすじ】

極寒の地、南極に棲息するコウテイペンギン達がどのように生活し、繁殖し、子育てをしているかについて迫ったドキュメンタリー。数々の困難を乗り越え、コウテイペンギンの家族達はどのように愛を育むのであろうか?


【作品情報】

公開:2005年1月31日(フランス)|2005年7月16日(日本)/上映時間:86分/ジャンル:ドキュメンタリー/サブジャンル:自然動物映像/映倫区分:NR/製作国:フランス/言語:フランス語


【スタッフ】

(監督)リュック・ジャケ/(脚本)リュック・ジャケ,ミシェル・フェスレール/(音楽)エミリー・シモン


【ナレーション】

シャルル・ベルリング/ロマーヌ・ボーランジェ/ジュール・シトリュク


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ポイントレビュー


■物語を描くことと事実を映し出すことの塩梅が丁度良い

山守 秀久
山守 秀久
ドキュメンタリー担当
ポイント:269/333|評価:GOOD

コウテイペンギン(皇帝ペンギン/エンペラーペンギン)達の生態が、客観的な視点で映し出されますが、淡々としつつも、その映像表現手法が逆に叙情的に感じられます。父役、母役、子役とナレーションが別れているのもドキュメンタリーとしてはそれほど珍しくはないものの、私の好奇心をくすぐるのには非常に効果的でした。

ただ、途中で眠くなってしまう人がいてもおかしくないほど、感情移入せずにコウテイペンギン達の自然との闘いを映しているので、苦手な方はいるかもしれません。


■真のペンギン好きなら一度は観るべきドキュメンタリー

アクセル神田
アクセル神田
ドラマ担当
ポイント:267/333|評価:GOOD

こんな世界と生物が現実に存在しているだけでもドラマティックに感じました。こちらの公開の前(日本公開2004年)に『ディープ・ブルー』(サメの方じゃありません)という海洋生物を題材にしたドキュメンタリー映画があったのですが、かなり雰囲気が似た作品であるにも関わらず、全く別の魅力を感じられました。

上記の作品も大変な名作ですが、こちらも引けを取らない作品です。ペンギン好きなら、否応なしにオススメ致します。ややショッキングな映像もありますが、それが自然の摂理というもうのですので。

因みに本作には『童貞ペンギン』なるパロディ映画があります……

監督はあの日本でお馴染みの海外ファミリー連続コメディドラマ『フルハウス』のダニー役(ボブ・サゲット)の人です。R15指定です。色々言いたいことはありますが今は止めておきましょう(笑)。


■涎と涙と鼻水と

猿渡 りん子
猿渡 りん子
子持ち担当
ポイント:286/333|評価:GOOD

海外では違うのかもしれませんが、専業主婦、共働きに関わらず、子供がごく小さい時期は、父が稼いで母が子育てするというスタイルが一般的な日本人にはかなり響くものがあると思います。

もしかしたら、昨今、会社勤めの男性が育休を取りやすくなったのも本作の効果がじわりじわいと効いて来ているからなのかも……いや、でもコウテイペンギンの子育ては男女の立場逆転しているだけだしなぁ。それはないか。

そんな与太話はさておき、家族を作り上げていく中でそれぞれの役割分担って実際とっても大事なことなんだなと思い知らされました。そう、ペンギンにです。

家族で良く行く水族館や一部動物園では、フンボルトペンギンやオウサマペンギン(キングペンギン)を見かけることは良くあって、カワイイなぁ、陸だと何考えてんのかわかんない感じでぼさっとしているのに、水の中だとロケットみたいだなぁ、カワイイなぁ……(つまりカワイイしか感想があまりない)。

なんて、我々家族にとっては、ただぼんやり眺めているだけで時間を忘れ気が付けば数十分経ってる休憩スポットなのですが、コウテイペンギンは未だに生で観たことがありません。

調べたところ、現在日本で彼らを観られるのは愛知県の『名古屋港水族館』と、和歌山県にある『アドベンチャーワールド』の2か所のみだそうで、残念な限りです。めっちゃ観たいけど、旅費がねぇ……

本作をご覧になった方ならお分りかと思いますが、コウテイペンギンは無理ゲーな環境に必死で適合している動物なので、それを整えるのが非常に難しいのだと思われます。流石、皇帝様ですね。

でも、なんで愛知と和歌山なんだろう?北海道とかのが育てやすそうなのに、映像上で観た限りでは、オウサマペンギンと見た目はそこまで変わらないっぽいので、お金が貯まるしばらくまでは、子供には王様で我慢して貰うしかないですね。

皇帝にそう簡単に謁見出来ると思うような子になって欲しくないですし!(言い訳)。

作中で見せつけられた愛情豊かな彼らの生活は、そう簡単に目に出来るものではないってことでしょう。ズルカワイイ、ズル愛らしい。ズル感動的。三拍子揃った素晴らしい自然ドキュメンタリーでした。

子供が生で観たいとダダをこねたら、またこの映画を流してお茶を濁そうと思います。さぁ、こねてくれる内に私も母コウテイペンギンのようにハードに働こう!今のところパートタイムですけど……

あ、そうそう言い忘れていました。本作を観てくれぐれも、さっさと引っ越しゃいいのにとかは言わないようにお願いします。それでは元も子もありません。


メインレビュー

ネタバレありの感想と解説を読む

ひょっとしたら、カワイイが日本社会の家庭的な思想を変えた?

猿渡 りん子
猿渡 りん子
メインレビュアー
子持ち担当/最高評価

海外では違うのかもしれませんが、専業主婦、共働きに関わらず、子供がごく小さい時期は、父が稼いで母が子育てするというスタイルが一般的な日本人にはかなり響くものがあると思います。

もしかしたら、昨今、会社勤めの男性が育休を取りやすくなったのも本作の効果がじわりじわいと効いて来ているからなのかも……いや、でもコウテイペンギンの子育ては男女の立場逆転しているだけだしなぁ。それはないか。

そんな与太話はさておき、家族を作り上げていく中でそれぞれの役割分担って実際とっても大事なことなんだなと思い知らされました。そう、ペンギンにです。

家族で良く行く水族館や一部動物園では、フンボルトペンギンやオウサマペンギン(キングペンギン)を見かけることは良くあって、カワイイなぁ、陸だと何考えてんのかわかんない感じでぼさっとしているのに、水の中だとロケットみたいだなぁ、カワイイなぁ……(つまりカワイイしか感想があまりない)。

なんて、我々家族にとっては、ただぼんやり眺めているだけで時間を忘れ気が付けば数十分経ってる休憩スポットなのですが、コウテイペンギンは未だに生で観たことがありません。

調べたところ、現在日本で彼らを観られるのは愛知県の『名古屋港水族館』と、和歌山県にある『アドベンチャーワールド』の2か所のみだそうで、残念な限りです。めっちゃ観たいけど、旅費がねぇ……

本作をご覧になった方ならお分りかと思いますが、コウテイペンギンは無理ゲーな環境に必死で適合している動物なので、それを整えるのが非常に難しいのだと思われます。流石、皇帝様ですね。

でも、なんで愛知と和歌山なんだろう?北海道とかのが育てやすそうなのに、映像上で観た限りでは、オウサマペンギンと見た目はそこまで変わらないっぽいので、お金が貯まるしばらくまでは、子供には王様で我慢して貰うしかないですね。

皇帝にそう簡単に謁見出来ると思うような子になって欲しくないですし!(言い訳)。

作中で見せつけられた愛情豊かな彼らの生活は、そう簡単に目に出来るものではないってことでしょう。ズルカワイイ、ズル愛らしい。ズル感動的。三拍子揃った素晴らしい自然ドキュメンタリーでした。

子供が生で観たいとダダをこねたら、またこの映画を流してお茶を濁そうと思います。さぁ、こねてくれる内に私も母コウテイペンギンのようにハードに働こう!今のところパートタイムですけど……

あ、そうそう言い忘れていました。本作を観てくれぐれも、さっさと引っ越しゃいいのにとかは言わないようにお願いします。それでは元も子もありません。

本作の名台詞

物語を話そう

出典:皇帝ペンギン/VOD版

役名:母ナレーション
演:ロマーヌ・ボーランジェ