スコア:722/999
出典:ガチンコ・フィルム
『こんぷれっくす×コンプレックス』
【あらすじ】
中学2年生の小谷ゆいはわき毛フェチ。わき毛の濃さにおいては他の追随を許さない同級生の武尾マサトについ熱視線を送ってしまう。だが、その一方で武尾自身は自身のわき毛の濃さにコンプレックスを感じていた。
【作品情報】
公開:2016年9月16日(日本)/上映時間:25分/ジャンル:アニメ映画/サブジャンル:青春映画/映倫区分:全年齢/製作国:日本/言語:日本語
【スタッフ】
(監督・脚本)ふくだみゆき/(脚本)真辺克彦/(主題歌)北村瞳『こんぷれっくす』
【キャスト】
林奏絵/上妻成吾/春名風花/ 山口遥/広江美奈/武田直人/岡田昌宜
スポンサーリンク
見放題配信
※情報は【2022年11月4日】現在のものです。上記のボタンから本作品の再生ページに直接ジャンプ出来ます。各VODを選択してご利用ください。詳しくはこちらのページでご確認いただけます。
ポイントレビュー
■短時間でほっこりしたい時にオススメなアニメ映画
ポイント:211/333|評価:GOOD
昔風に仕立てたホラーアニメのような作画ですが、普通の日常青春アニメです。この作画を見てふいに『闇芝居』を思い出してしまった私の方がどうかしていました。お話はとってもカワイイお話です。女子あるあるですね。現実は本作ほどにはストレートではないですけど。男子の方もあるあるなのかな?そこは性別が違うのでわかりませんが、短い時間でほっこりしたい時に最適なアニメです。
■本当にリアルなラブアニメってこういうのじゃな~い?
ポイント:281/333|評価:GOOD
フェチ!フェチフェチ!!フェチフェチフェーチ!!!すみません。こういう話が大好物なものですから(笑)。何でしょう。ゆいのわき毛フェチの件については作品内の一アイテムに過ぎないんですけど、でも、それがあるからこそ青春モノのアニメとして成立してる感がハンパないです。本物のリアルな日常アニメってこういうものを言うんじゃないかなぁ。因みに私は耳の裏の匂いフェチです。そうなんです。変態なんです。
■わき毛がやらアレの毛やらで悩んだ時期は俺にもあったなぁ……
ポイント:220/333|評価:GOOD
いいなぁこれ。この明らかに笑わせに来てるのに悩ましい感じ。そんでこの頃のことを思い出してみると、自分も彼らと大して変わってなかったっていうね……連続TVアニメの1話分の時間しか使わずに、これほどまでの出来で思春期における重要かつくだらないテーマを語り終えたのはお見事の一言に尽きる。描写はゆるゆるっとしているのにテンポもいいしね。中学校二年生か……そういや俺はいつも1人で、机が唯一の友達だったな。
メインレビュー
- ネタバレありの感想と解説を読む
フェチ恋を経て少女は大人になりました
メインレビュアー
ラブストーリー担当/最高評価誰しもフェティシズムの目覚め時があります。
っていうか、本作品ぐらいの多感な時期に何かしらのフェティシズムに目覚め、それを自覚しなければならないと言っても過言ではありません(断言)
顔がカッコイイ人、カワイイ人が好きってのも顔フェチだし、スポーツが得意な人が好きっていうのはフィジカルフェチ。頭のいい人が好き、話が面白い人が好きっていうのも言ってしまえば脳フェチです。
上に書いたような好みは一般的過ぎてフェチと大々的に言われないだけで、どこのどの部分を好きになっても、誰もが何かしらのフェティシズマスターであることには変わりがありません。
だから、どんなに特殊なフェチを持っていたとしても、どうか胸を張って生きてください。あきらめないでください。真矢みきさんもそう言っています(嘘)
本作はそんな自分のフェチシズムに恥じらいを感じる女の子が主人公でなんですが、同時に物事の本質を見極めることが出来るとっても頭のいい子でもあります。
ちゃんと最後には自分のフェチが恋心の全てじゃないことに気が付くことが出来ているんですよね。この頃(中学二年生)ぐらいの時はやっぱり女子の方が大人だっていうのも良く分かるラストです。
しかし、序盤からニヤニヤが止まりませんでしたね。私も良くやったなぁ。好きな人と接触するために、全く興味がない漫画や映画を借りたり、好きな人の好きな部分をねっとり見つめたり。
接触やらねっとりやらのやらしい表現を使っている時点で、私はもうあの純な頃に戻る資格がないんですが、いいなぁ。色恋の何たるかがぼやけている時期だからこそ、感じられる快感があるんだよなぁ。
もうこうなると、見ている間の目線は完全におっさんですよ。おっさん。思春期の少女の内なる可愛らしさが溜りません。
このアニメを見ていると、懐かしい気持ちと同時にグフフっていう意地汚い笑いがついしとどに漏れ出てしまう。嫌だなぁ年とったなぁ。
自分の中では再生候補に全然上がってなかったんだけど、見てよかったなぁこれ。好きなアニメ映画は何?って聞かれて、例に挙げるような作品ではないですけど、青春映画として本当に良く出来てます。
先ほどからフェチフェチ、フェチフェチと狂ったように呟いておりますが、本作品の凄さは。この人間の性に対する特殊性を余すところなく利用しているところにあります。
結論が最高なんですよね。そんなもんなんです。主人公のゆいが囚われていたものは、フタを開けてしまえば、悩むほどの価値があるものではなかったんです。ただ、好ましく思えるものの一つでしかなかったんです。
いいやぁ、よくあのオチにしたなと思います。あのオチのおかげで、クスッと笑えるだけのラブコメから、哲学的なことを考えさせられる青春映画へと昇華されました。
あの流れなら、普通、うまくいって良かったね。分かり合えて良かったね。ちゃんちゃんで終わっちゃうもんなんですけど、それをしなかった。それでいて、ちゃんと物語として逃げずに結論を出してる。
これって、青春ラブストーリー的な世界ではなかなか出来ることじゃないです。やられましたね。わき毛に恋愛哲学を感じさせられることになるとは思いもよりませんでした。
本作の名台詞
私ね……好きなの わき毛が!!
出典:こんぷれっくす×コンプレックス/VOD版
役名:小谷ゆい
演:林奏絵