スコア：530/999
出典：カルチュア・パブリッシャーズ
『The Witch 魔女』
【あらすじ】
とある施設から命からがら脱走した8歳の少女は、酪農業を営んでいる一家に運良く保護され娘として育てられる。ク・ジャユンと名付けられ、そのまま10年ほど片田舎で慎ましくも幸せに暮していた彼女だったが……
【作品情報】
公開：2018年6月27日（韓国）｜2018年11月3日（日本）／上映時間：125分／ジャンル：アクション／サブジャンル：サスペンスアクション／映倫区分：R15+／製作国：韓国／言語：韓国語
【スタッフ】
（監督・脚本）パク・フンジョン／（音楽）モグ
【キャスト】
キム・ダミ／チョ・ミンス／チェ・ウシク／コ・ミンシ／パク・ヒスン
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ポイントレビュー
■製作陣のアクションスターの原石を見つける能力が凄い！
ポイント：190/333｜評価：GOOD
主人公ジャユンを演じたキム・ダミは、超難関オーディションを突破し、見事初主演の座を獲得し、本作自体も予想以上の大ヒットととなりました。
映画内では、ほぼ横道にそれことなく主人公兼ヒロインのジャユンを中心に物語が展開されるので、彼女は一気にスターダムに踊り出すチャンスを得たとも言えます。
素人目には、初々しさはところどころに散見されはしましたが、それが返って味になる役柄でしたので、彼女の主演ぶりに関しては文句の付け所はありません。オーディションがあるとはいえ、とんでもない人数の中からこのような原石をみつけるなんて、流石はプロの方々です。
ただ、韓国のアクション映画としては何か物足りないお話なんです。良作の韓国アクション映画ばかり見ていたせいもあるのでしょうが、またこういう設定ですか……とわずかながらにマンネリな感想を抱いてしまいました。
格闘シーンなども格好良いといえば、格好が良いのですが、その格好良い動きが出来る理由の部分が、どこかで見た設定の寄せ集めのような……
欲を言えば設定面ではもう少し意外性が欲しかった作品でした。
■何となくアクション映画を観るんだったらアリかな
ポイント：175/333｜評価：GOOD
面白かった。いや面白かったんだけど、なんかこう良かった所と悪かった所を足して2で割ってみたら、割かし普通のアクション映画でしたという感じ。
もしも本作を劇場で観ていたとしたら、それなりのお金払って観た手前「良かったねぇ～」ぐらいは言えるけど、液晶ディスプレイで観ると、まぁまぁじゃない？って感想になってしまいそう。
本作のミステリアスなヒロインの設定は、ミステリアスな業界ではかなり便利に使われている類のものなので、謎解きゲーム的な楽しさもあんまりないし。思い出の一本になるだけの力がありそうな感じはしない。
個人的には期待し過ぎなきゃ、そこそこワクワク出来る一本ってとこかな？
■ヒロインの描き方が微妙に私好みじゃなかった
ポイント：165/333｜評価：BAD
やっぱり脳味噌の話が絡むと、大抵の作品はほんのりSF要素をはらみます。本作もその典型でした。普通に生きたい普通じゃない女の子っていうのは、どんな媒体でも人気があるキャラクター性で私も好きな方なんですが、彼女に関してはどこか好きになれない部分がありましたね。
普通モードの主人公は可愛らしくて愛らしいし、覚醒モードの時は徹底して人外の超人なのですが、もう少し豹変しきれないところがあっても良かったんじゃないかな？もちろん、彼女の根本的な目的や希望は変わったりはしていないんですが、ううん～もう少し敵に対する葛藤みたいなものが私には欲しかったです。
とはいえ、ここは完全に好みの問題ですので、あまり当てにならない感想だと付け加えておきます。お話は良かったですよ。うん、時間が経つのもなんやかんや早かったような気がします。気が付いたら終わっていました。
メインレビュー
- ネタバレありの感想と解説を読む
韓国アクション映画を見まくってる人にはもしかしたら向かないかも！？
山守 秀久 メインレビュアー
アクション担当/最高評価何でも慣れは良くないということでしょうか？『アジョシ』しかり、『監視者たち』しかり、「動」のアクションにおいても「静」のアクションにおいても、韓国映画には当初は驚かされるばかりでしたが、まだ凝り固まったイメージのなかった頃に観た記の二つの作品と比べると、物足りなさを感じてしまいました。
本作は主人公の設定に『ファイ 悪魔に育てられた少年』と少し似通った部分（戦闘に関するイロハを叩きこまれて育った）があり、『ファイ』を観た頃にも、本作と同様の韓国アクション映画独特の共通点のようなものを感じはじめていたので、見事に事前の予想が当たってしまった視聴となりました。
決してアクション映画として特色がないという作品ではないんです。十分格闘シーンは見所がありますし、複雑そうに見える人物相関関係もアクション映画らしく分かり易いものになっています。
最初に観た韓国アクション映画が本作だとしたら、おそらく次回作を期待してしまうレベルでお気に入りの一本になるかと思われます。
しかしながら、韓国のアクション映画凄いぞ！と息込んで、やたらめったらに観まくってしまった私のような層には韓国アクション映画の1つのジャンルとしか見られないデメリットも見受けられました。
ただ、本作の全体を通して言えば、嫌いな展開なお話ではありませんし、ヒロインが目立つために、あえて受けたオーディションの下りなどは、なかなか目新しくてユニークな発想だと思いました。
やはり、気に入ったからと言って、同じジャンルの同じような設定の話を見続けるのはあまり良くありません。本作を機会に、プライベートではほんの少しだけ韓国アクション映画という理由だけで作品を観るのは控えようと思った次第です。
しかしながら、本作がアクション映画として秀作の部類に入るのは間違いないので、そのあたりを受け取り違いのないようにお願い致します。
好きだからって連チャンを続けていると、素直に作品を観られなくなる可能性がありますよというだけです。いや、でも契約してるVODに新作が出るとついつい見ちゃうんです。もう好きなものは好き、ということで諦めてしまうのも一つの手かもしれません……
本作の名台詞
やっぱり 思ったとおりね
出典：The Witch 魔女／VOD版
役名：ジャユン
演：キム・ダミ
