洋画『アイ・アム・レジェンド』/人類滅亡?人間一人と愛犬一匹のサバイバル生活

スコア:639/999

アイ・アム・レジェンド出典:ワーナー・ブラザース
『アイ・アム・レジェンド』


【あらすじ】

人類が滅亡した世界で愛犬と共にサバイバル生活を送る陸軍中佐兼科学者のネビルは、ウイルス研究と生存者を探す日々を過ごしていたが、数々の絶望的な状況を乗り越えることで、次第に希望を見出すようになっていく。


【作品情報】

公開:207年12月14日(アメリカ・日本)/上映時間:100分/ジャンル:アクション/サブジャンル:パニックドラマ/映倫区分:NR/製作国:アメリカ/言語:英語


【スタッフ】

(監督)フランシス・ローレンス/(脚本) マーク・プロトセヴィッチ,アキヴァ・ゴールズマン/(音楽) ジェームズ・ニュートン・ハワード/(原作) リチャード・マシスン『地球最後の男』


【キャスト】

ウィル・スミス/アリシー・ブラガ/ダッシュ・ミホク/チャーリー・ターハン/サリー・リチャードソン/ウィロー・スミス


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見放題配信

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※情報は【2022年12月1日】現在のものです。上記のボタンをクリックすると各VODの作品ページにジャンプすることが出来ます。詳しくはこちらのページをご確認ください。

ポイントレビュー


■アクションとヒューマンドラマの一挙両得作品

山守 秀久
山守 秀久
アクション担当
ポイント:245/333|評価:GOOD

アクション映画を大の得意のとしているウィル・スミス主演とあって、何一つ猜疑心を持たずに、視聴させて頂きました。

ただ、良い意味で裏切られました。本作に対してアクションシーンが秀逸であったなどという感想は、あくまでオマケのようで、ストーリーそのものの方がずっと深く心にアクションを起こしてきます。銃をぶっ放したり、大立ち回りをする部分はあくまで脇役です。

しびれるようなアクションシーンの連続を期待して見るような作品ではありませんが、アクションとヒューマンドラマの融合という面では、かなり期待して良い作品だと思います。

また、愛犬家の方は色々とご注意を。もう愛犬サムがいれば人生それでいいじゃないかと思ったら、負けの映画です。


■人類が滅亡するってそろそろSF要素ないですよね?

猿渡 りん子
猿渡 りん子
SF担当
ポイント:182/333|評価:GOOD

ん?肩書きがホラー苦手代表じゃない!?なんだ?モンスターっぽいの出て来るって聞いてて、一応今まで避けてたんですけど怖くないんですかこれ?

……と、レビューを頼まれた直後は思わず聞き返しそうになりましたが、どうせ聞く耳を持たない人々なので、恐る恐る視聴。そうですね。確かに怖くはない。ちょこちょこ暴力描写にビックリさせられる場面はありますけど、余裕です。

ただ怖がらせたいだけホラー映画のようにストーリーが破綻した映画でもなく、SFとしてお楽しみ頂けるかと思います。

といいますか、実際の話、人類滅亡モノってそろそろSF要素が薄くなってきて、現実味を帯びまくってきているような……

特にウイルス系はね。どうなんでしょう。もう現実ではありえないSFものって超能力系くらいしかない気がしてきてしまいました。


■アクション?パニックホラー?取り敢えずウィル・スミスと犬が出てます

試文 書人
試文 書人
ホラー担当
ポイント:212/333|評価:BAD

これ、真面目にジャンル何にするんだろ?実際VODサービスを提供されている各社様やレンタルビデオ店様もそれぞれお悩みのご様子なんだよね。

もうウィル・スミス主演作品っていうジャンル作っちゃえばいいんじゃないか?ワンコーナー作れるぐらい出てるでしょ?

とはいえ、本作がウィル・スミス主演である必要性があったかと聞かれれば、絶対ウィルじゃないとダメとは俺は思わないかな?彼の演技はすばらしかったし、彼が主演で良かったけど、良い意味で別のそこまでスター性強くない俳優さんでも出来たんじゃないか?という思いは少しある。

ウィル・スミスファンの方には申し訳ないが、それぐらいストーリーが良かった。

……って、実はこの感想は別バージョンのラストを知ってるからなんだけどね。正式版のラストも悪くないけど、ちょっと後味としては個人的には落ちるかな。


メインレビュー

ネタバレありの感想と解説を読む

別エンディングバージョンの存在を知ったことが裏目に!?

山守 秀久
山守 秀久
メインレビュアー
アクション担当/最高評価

本作には別バージョンの終盤シーンがあり(他のレビュアーがすでに言及していますが)、DVDの別エンディング収録版や、一部のVODサービスのレンタルないし見放題で観ることが出来ます。

正式なエンディングも決して悪くはないんですが、私の倫理観からすると、別エンディングの方がメッセージ性に強いこだわりを感じます。全体的な話の筋と雰囲気からしても、明らかに別エンディングの方に利がある。

ご興味がおありの方は機会があれば是非、ご覧になってみてください。180°変わるとまでは言いませんが、わたしとしては、別エンディングであれば、さらなる名作に成りえたと考えております。

ここはあくまでネタバレありの正エンディング版の感想を書かせて頂く場なので、別エンディングの話はこれぐらいに留めておきますが、別エンディングの存在を知ってから、冷静に観なおすと、主人公の描き方にかなり違和感があるんです。

正式版の主人公のネビルは人間として少々一人よがりなところがあって、偏った人間として描かれています。

存在を知らない間にその違和感をほとんど感じさせないところは、編集と差し替え技術の発達に拍手を送りたい思いですが、やっぱりなという終わり方だったのは否定できません。

色々あったけど、ちゃんちゃんで終わる。これ自体は悪いことではないとは思います。ちゃんちゃんで終わったからこそ、面白かったという感想が多く出た作品もやまほどあります。でも、それは映画として勝負をしたからなんです。

本作の場合、その勝負から少し逃げたかな?という印象は拭い切れません。かなりわたしとしての評価は高い作品ではあるのですが、図らずも裏話的な別バージョンを知ってしまったせいで、少なからず思うところが出てきてしまいました。

映画というモノは少なからず、製作国の文化や国民性が絡むモノなので、アメリカの方の意見と私の意見はまた違うのかもしれませんが、結果的に物語としての深みの部分では、余計な砂をかけて浅くしてしまったように私には思えてしまいました。

ですが、これは知ってしまった私が悪いという話なので余りお気になさらずに、本作は正規版もかなりの秀作だと言える出来です。ワンパーターンにならずに、ポンポンポンっとお話が進むので、モンスターものでも飽きがほとんどこないところも評価に値します。

知らない方が幸せなこともある。これは映画にも言えることですね。裏の事情を知ってしまったことで少々申し訳ないメインレビューになってしまいました。ただ、こういうこともあるから、映画って面白いです。楽しめる時間は見ている間だけではないのだと、今更ながらに再確認が出来た次第です。

本作の名台詞

”神は我々を見捨てない 我々は神を?“

出典:アイ・アム・レジェンド/VOD版

役名:崩壊した建物の張り紙
演:張り紙