邦画『クローズZERO』/イケメン不良陣によるスタイリッシュ喧嘩アクション

スコア:618/999

クローズ ZERO出典:東宝
『クローズZERO』


【あらすじ】

多く不良生徒達が在籍する鈴蘭高校では、数々の不良グループが鎬を削っていた。最大の勢力である芹沢一派も、まだ天下を取ったとは言えない状況。だが、突然現れた一人の男によって、天下取りの物語は動き始める。


【作品情報】

公開:2007年10月27日(日本)/上映時間:130分/ジャンル:アクション/サブジャンル:青春映画/映倫区分:PG12/製作国:日本/言語:日本語


【スタッフ】

(監督)三池崇史/(脚本)武藤将吾/(原作) 高橋ヒロシ『クローズ』※完全オリジナルストーリー


【キャスト】

小栗旬/山田孝之/やべきょうすけ/黒木メイサ/桐谷健太/上地雄輔/深水元基/松重豊/岸谷五朗/遠藤憲一


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※情報は【2020年02月09日】現在のものです。上記のボタンから本作品の再生ページに直接ジャンプ出来ます。各VODを選択してご利用ください。詳しくはこちらのページでご確認いただけます。

ポイントレビュー


■不良アクションとしては天下を取ったのでは?

山守 秀久
山守 秀久
アクション担当
ポイント:269/333|評価:GOOD

主役の滝谷 源治役の小栗旬には申し訳ないですが、ひたすら山田孝之演じる芹沢 多摩雄が格好良く見えてしまった作品です。

源治の方はかわいそうなことにケンカは強いのかもしれませんが、人望というかカリスマ性がありません。ワル達のボスというよりは、野望ある格闘家みたいな精神構造。

とはいえ、映画のテーマ自体が鈴蘭で天下を取るというお話なので、そもそもがボクシングのタイトルマッチを映画化したようなもんですから、このキャラ設定はキャラ設定で、良かったのかもしれません。

そして肝心の不良同士のアクションシーンですが、これは不良モノとしては天下を取ったと言って良いんじゃないかという程の出来だったと思います。

ダラダラと戦う展開も少ないし、土砂降りの雨の中でのビニール傘を持った芹沢との対峙の演出も最高でした。男女を問わず、一見の価値ありです。


■不良映画は細かいことを気にしたらダメ

近道 通
近道 通
オールジャンル担当
ポイント:182/333|評価:GOOD

不良同士がケンカをして誰が一番かを決める。

それ以上でもそれ以下でもないお話なので、本当ならドラマ性としては、ちょっと……と評価したいところなんですが、そんなのどうでも良くなるぐらい、男くさくてワイルドなお話。

難しいことを考えず、それでいて夢中で見られるって、最高じゃないですか。それも一つの人間ドラマですよね。何かに熱くなっているって時は細かいことは気にしないもんです。

不良エンターテイメントとしてはエグイシーンもないし、出演者はイケメン揃いだし、ケンカが苦手な女の子とかも、気が付いたらキャーキャー言いながら、最後まで見てしまっている映画なのではないでしょうか。


■友達集め対決になってしまったのが少し残念

試分 書人
試文 書人
元高校男子代表
ポイント:167/333|評価:GOOD

ここの学校の先生は毎日何をしているんだろう?不良じゃない普通の生徒は一人もいないの?授業は?部活は?掃除当番は?

学園アニメとかにありがちな、理事長よりも権限が強い不良自治会みたいなものでもあるのかね。別名カラスの学校……

いくら荒れてるにしても汚すぎだろ学校。カラスだってもっと綺麗にゴミ食べるわ!もう行政も何とかしようよ。そこですでに面白かったけどさ。

まぁね、余計なエピソードを盛り込むと不良が目立たなくなってしまうのでね。原作の『クローズ』でもそうなのかな?

ただ、最終的に誰が天下を取るのかって話が、『この指止まれの友達集め対決』みたいになってしまっていたのが残念。結局数なんかい!と。不良のタイマンの美学みたいなのは、あるようでなさそうな話だった。


メインレビュー

ネタバレありの感想と解説を読む

芹沢あっての『クローズZERO』、山田孝之の「男」が見られます

山守 秀久
山守 秀久
メインレビュアー
アクション担当/最高評価

三池崇史監督の作品はかなり当たり外れが多い印象があるんですが、今回は当たりでした。ストーリーは原作である『クローズ』の完全オリジナルバージョンということでしたが、原作好きとしても世界観を壊していなくて、二重丸です。

原作好きとしての唯一の難点を挙げるとしたら、ちょっと登場人物たちが暗いんです。原作の『クローズ』の主人公、坊屋春道は明るい子ですから、そこが雰囲気が違った部分です。

とは言ったものの、現実の本物の不良って結構暗いですよね。明るくて人当たりがサッパリしてる子の方が珍しい。

「何見てんだよ!」という自意識過剰さはあっても、「そうか、俺が見てるから、あっちもつい見ちゃっているんだ……」という客観性はない。だから、暗い。それは自分の気分と向き合ってばかりいるせいです。その客観性のなさが、ワルに走る一番の原因なんでしょう。

ただ、この映画に出てくる不良達はリアルの不良達ほどの悪い子達じゃありません。トップという称号が欲しいだけの、世間がこうあって欲しいと願ってやまない理想的な不良像で描かれています。

登場してくるのがほとんど不良ばかりなので、断言することは出来ませんが、素人さんには手を出さない感じはあります。

だから、もう少しだけ明るさが欲しかった。どんよりした空気感の中にいる不良達の方が格好良く映るのはわかるんですが、そこは少し飽きがきてしまいました。あの純粋な不良達なら、もっと話に遊びを入れても良かったんじゃないかと思います。

そのあたりの不満点はアクションシーンが多少払拭してはくれるんですが、話のところどころにコメディパートを入れていても、総合的なムードが暗いから、あんまり笑えないし、明るさを感じられない。

もし文句をつけるところがあるとしたら、個人的にはそうした部分になります。

でも、鑑賞後の満足感で言えば、それ以外で不満点はありません。

登場人物の中ではライバルの芹沢の魅力についてポイントレビューの中でも取り上げましたが、可能ならあんな男に生まれたかった、欲を言えばあんな顔に生まれたかった。

後ろのに控えている不良仲間達は、カラスの学校の象徴のように黒い傘を持っているのに、一人だけビニール傘だし、これも何か意味ありげで……

この芹沢、男に生まれたら、一度は憧れるものがある不良像なんじゃないでしょうか?

話としては非常にシンプルなものですが、不良という存在は、それに花を添えるのに実に向いているんだなぁと改めて思いました。

現実世界ではデメリットでしかない存在ではありますが……

本作の名台詞

この鈴蘭はぁ!てめぇの拳ひとつでのし上がっていけるサイコーの舞台だ…!

出典:クローズZERO/VOD版

役名:亜久津太
演:沖原一生