洋画『リベンジ・マッチ』/色んな意味でおじいちゃん達が夢の対決!

スコア:612/999

リベンジ・マッチ出典:ワーナー・ブラザース
『リベンジ・マッチ』


【あらすじ】

ボクシングの現役時代に宿命のライバルであったレーザーとキッドは、1勝1敗で迎えた3戦目の試合をすることなく互いに老齢になっていた。公私に渡る因縁がある二人は、それぞれの想いを胸に最終決戦へと向う。


【作品情報】

公開:2013年12月25日(アメリカ)|2014年4月4日(日本)/上映時間:113分/ジャンル:アクション/サブジャンル:豪華共演/映倫区分:全年齢/製作国:アメリカ/言語:英語


【スタッフ】

(監督)ピーター・シーガル/(脚本) ダグ・エリン,ティム・ケルハー,ロドニー・ロスマン/(音楽) トレヴァー・ラビン


【キャスト】

シルヴェスター・スタローン/ロバート・デ・ニーロ/ケヴィン・ハート/アラン・アーキン/キム・ベイシンガー/ジョン・バーンサル


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ポイントレビュー


■アクションには老獪な動きも必要

山守 秀久
山守 秀久
アクション担当
ポイント:266/333|評価:GOOD

この作品がどういう経緯で企画されたのかを想像するだけで楽しめました。多分、他のレビュアーの方も同じことを言っていると思いますが、これは形を変えた『ロッキー対レイジング・ブル』です。

『ロッキー』のロッキー・バルボア(モデルはチャック・ウェプナー選手との説あり)は、架空の人物だけれど、実在の無敗のヘビー級チャンピオンのロッキー・マルシアノと同じ名前。

もう一方の『レイジング・ブル』は、実在の伝説ボクサー(ジェイク・ラモッタ選手)の自伝を元にした作品。

ただでさえ権利関係がややこしいアメリカで、良くここまで別物として夢の対決を描けたと評価したいです。

別物だけど、その意図は分かるという意味で。

さぁ、そして気になるアクション映画としての評価ですが……

おじいちゃんが頑張ってました。

以上です。あとはポイントを参考にしてください(笑)


■勝手な想像を入れつつもファン待望の対決

近道 通
近道 通
オールジャンル担当
ポイント:180/333|評価:GOOD

『ロッキー対レイジング・ブル』まさに全ボクシングファン、全ボクシング映画ファンの夢のカードが実現しました。

でも、二人は洒落にならないぐらい歳をとっていました。

それぞれを演じた役者もそれは同じです。

そして、諸々の事情がありまして、その役名、役柄では映画化出来なかったので、それっぽい役名と役柄を改めて作って、映画にしてみました。

年を取ることの哀愁も、若き頃の後悔も、そんなこんなで随所に散りばめてみました。

真相はわからないけど、客観的に見たらそんな感じの映画。

だが、それがいい。

映画なんてザックリ言っちゃえば、お祭り騒ぎの映像なんだからさ。その描き方が暗いか明るいか、ビューティーかダーティーかの違いだけで。

だから、こういうのがあってもいいなぁと素直に思う。つーか、ないと困るよね。

デニーロとスタローンが戦うのはやっぱり絶対に見たかったじゃない?


■ボクシング映画が好きなら良いのでは?

アクセル神田
アクセル神田
ドラマ担当
ポイント:166/333|評価:BAD

たぶん、現在の20代前半以下で、この映画に心を踊らされるという方は滅多にいらっしゃらないかと……(笑)

30代後半以上のボクシング映画好きなら、「あの人は今」的な要素を含めて、二つ返事でオススメできますが、ボクシングを題材にした作品に、全然興味がない人に見せるのはちょっと……という感想です。

気楽に見られるところは良いんですが、結局そういう話になるよね、と。ドラマ性を求めるには少し作りがポップ過ぎたかなと思います。ですが、とりあえず映画でも流しておこうか。という気分の方にはとても合っている作品です。

なんの予備知識がなくても、わからないなりに楽しめる映画ではあるかもしれません。


メインレビュー

ネタバレありの感想と解説を読む

ボクシング映画ファンのための感謝祭

山守 秀久
山守 秀久
メインレビュアー
アクション担当/最高評価

正直言うと、スタローンはロッキーに見えましたが、デニーロはレイジング・ブルには見えませんでした(笑)

『レイジング・ブル』は相当古い映画なので、バキバキの肉体だった当時のデニーロをご存知の方も少ないのかもしれません。

ですが、この『リベンジ・マッチ』の中の彼にその面影は一切ありません。

お爺ちゃん設定なので、それは当たり前なんですが、結構スタローンは凄いんです。若い頃の記者会見のシーンとか、めっちゃロッキーに見えます。

でも、デニーロの方はちょっと……と言った容貌です。

デニーロはマフィア映画などのイメージの方が強いので、その点で名作ボクシング映画のキャラ再現では、少々不利な部分があるのかもしれません。

もちろん、この映画内ではそれぞれ別の人物として動いているので、無関係な話ではあるのですが、映画のジャケットを見れば、ロッキー対レイジングブルがやりたかったのは明白です。

話の内容は、『ロッキー・ザ・ファイナル』に別の映画から持ってきた主人公をライバルとして登場させてみましたといった大したことのないものです。

ですが、やっぱり夢の対決というのは、良いものです。冒頭でも説明した通り、『ロッキー対レイジング・ブル』もボクシング映画ファンとしては見たいし、スタローン対デニーロという、見たことがありそうで、意外となかった取り合わせも見てみたい。

そうしたファン感謝祭みたいなサービス精神満載の映画なので、細かいことは気にせず、ただただ純粋に楽しむのが良い作品だと思います。

初めて見るボクシング映画がこの作品となると、ちょっと「面白くなかった」という方が出て来そうではありますが、誰かが隣で「この人達が若い頃に出ていたボクシング映画ってすごかったんだよ」と囁いてあげれば、多少は感想の調整が出来るでしょう(笑)

それぐらい、スタローンとデニーロの過去作品を意識した作りになっています。冷凍庫で吊るされた肉のシーンはお馴染み過ぎるギャグではありましたが、笑えました。

古き良き、ボクシング映画の時代を懐かしむにはこの上ない映画です。

最後にあんまり本編とは関係ない話ですが、この映画を見て思ったことをひとつだけ……

「自己正当化系のどうしようもない女」を演じさせたら、やっぱりキム・ベイシンガーの右に出るものはいませんね。

この映画でも『8 Mile』の母親役の時と同様に、地味にイラつく輝きを見せていました。

本作の名台詞

人間は60才を超えると皆 ご引退か?

出典:リベンジ・マッチ/VOD版

役名:ダンテ・スレート・Jr.
演:ケヴィン・ハート