韓国映画『監視者たち』/監視。尾行。追跡。彼らの任務はそれに命をかけること

スコア:823/999

監視者たち出典:クロックワークス
『監視者たち』


【あらすじ】

新米のハ・ユンジュは、超人的な記憶力と洞察力で見事に韓国警察特殊犯罪課の監視班のテストをパスし、すぐに組織犯罪事件を追う任務に就く。チームワークを駆使し、徐々に犯人を追い詰めていく監視班だったが……


【作品情報】

公開:2013年7月3日(韓国)|2014年9月6日(日本)/上映時間:118分/ジャンル:アクション/サブジャンル:サスペンスアクション/映倫区分:PG12/製作国:韓国/言語:韓国語


【スタッフ】

(監督) チョ・ウィソク,キム・ビョンソ/(脚本)チョ・ウィソク/(音楽)タルパラン,チャン・ヨンギュ


【キャスト】

ハン・ヒョジュ/ソル・ギョング/チョン・ウソン/キム・ビョンオク/チン・ギョン/イ・ジュノ


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ポイントレビュー


■韓流映画特有の血で血を洗う感じはやや控えめ

山守 秀久
山守 秀久
アクション担当
ポイント:248/333|評価:GOOD

名作韓国映画独特の緊張感にステータスを全て割り振ったような作品です。ドンパチするシーンは少なく、ひたすら監視追跡する様子が映し出されますが、心臓の鼓動は高鳴りっぱなしでした。

彼らの仕事は監視することに限られているので、ド派手なシーンはあまりありません。韓流アクションとしては、そこの部分がやや控えめな作品です。

とはいえ、そこはやはり韓国映画。血みどろの局面はあります。

ただ、同国の他の作品に比べると、大したものではありません。韓流アクションやサスペンスを数多く見ているせいで、私の感覚が狂っている可能性がありますが、おそらく残酷なシーンが苦手な方でも問題ありません。

レイティングもPG12(12歳以下はなるべく保護者と見てね)ですから。大人なら平気です。ここは映倫を信じて本作を楽しみましょう。


■見ている間、時間が経つのが異常に早く感じる

試文 書人
試文 書人
サスペンス担当
ポイント:273/333|評価:GOOD

映画を見ているこっちと同じように、基本的に監視対象者を見ているだけなのに、何なのこの疾走感。120分近くある映画なのに、あっという間に追跡されエンドロールまで追い詰められてしまった。

韓国警察特殊犯罪課は、日本で言うなら警視庁公安部みたいなもので、日本映画にも彼らと同じような仕事をしている『外事警察』っていうNHKの名作連続ドラマ(映画化もしてる)があるんだけど、ハラハラドキドキ度だけで言えば、本作の方が上じゃないかな。

いやはや、恐れ入った。タイトル的に急ぎで作ったB級映画感が満載だったので、ナメてかかって見始めてしまったあの日の自分を殴ってやりたい。

そうだよね。このタイトルは全然間違ってない。確かに『監視者たち』の話だったもの。


■これを見た記憶を消してもう一度見たい

近道 通
近道 通
オールジャンル担当
ポイント:302/333|評価:GOOD

はっきり言ってアクション映画は、よっぽどの名作でもない限り再び見直すことはないジャンルだと個人的には思っているんだけど、本作は是が非でも、もう一度見たいなという出来の良さ。

どなたか親切なお方、これを見た記憶を消してくれないですかね?

ストーリーの忘却のために念には念を押し、冬季オリンピックの時期ぐらいまでは間隔を空けたいと考えてはいるんですが、東京オリンピックぐらいまでしか再視聴を待てる自信がありません。

あ~忘れてぇ。サスペンス要素も織り込まれているとはいえ、アクション映画を見てこんな気持ちになったのは数年振りだよ。

忘れた頃に見直そうと思って、数年待機しているうちに、すっかりその時の映画の題名は忘れてしまったけどね……


メインレビュー

ネタバレありの感想と解説を読む

リメイクでこのクォリティなら本家はどんだけだよ

近道 通
近道 通
メインレビュアー
オールジャンル担当/最高評価

同じ監督で続編作ってくれないですかね?この映画。脚本も兼ねていることだし、設定的にも不可能じゃないと思うんだけどなぁ……

映画については邦画であれ、洋画であれ、韓国映画であれ、リメイクも続編も完全なる反対派なんだけど、本作については別ですよ。

……って上から目線で偉そうなことを言ってますが、ちょいと調べてみたら、この『監視者たち』自体が香港映画『天使の眼、野獣の街』って作品のリメイクだったんですね。

何だよ。水くせぇよ。先に言っといてくれよ。映画好きを自称しときながら、相当恥ずかしいじゃねぇかよ。見るよ。とりあえず、新鮮フレッシュな気持ちでそっち見て我慢するよ。ひょっとしたら、本家本元だから、そっちの方がさらに面白いかもしれないしよ。

でもね……ないんですわ。リメイク元の『天使の眼、野獣の街』

主要VOD配信業者はおろか、寒い中、数件回ったレンタルビデオ屋にも置いてなかったんですわ。もうDVD買うしかないのか?でも、ネットで値段みたらすんごい高い。3000円ぐらいする。

在庫を持ってる店があれば、取り寄せレンタルって手もあるみたいだけど、何かね、恥ずかしいのそれは。普通の映画なのに妙にエッチなタイトルの作品を借りる時ぐらい恥ずかしいの。いい歳こいたオッサンがそんなに必死になってまでこの映画を見たいのかよって、店員さんに心の中で思われているみたいでさ。

本作のタイトルも穿った目で見れば、官能作品に思われなくもないタイトルだしね。うん、それは無理。この『監視者たち』で新人監視者のハ・ユンジュ役を務めた美しくも可愛いらしいハン・ヒョジュに監視されるぐらい恥ずかしい。

しかし、こう並べてみると役名と女優さんの名前似てますなぁ。見終えた直後に書いているから、まだ何とかなってるけど、多分、これが2、3日経ってたら、ゴチャゴチャになってましたわ。

と、無理やりレビューを本作の話題に引き戻そうとしていますが、やはり、韓国映画は独特の雰囲気がありますね。都市部であろうが、繁華街であろうが、裏通りであろうが、暗く、明るさがない。ヤケにしんみりとしている。漂う空気も風もなく常に無風状態というイメージ。

あと、大変申し訳ないけど、食事のシーンが一つも美味しく食べているようには見えない。

ホント、韓国映画で食事のうまそうな作品って全く見たことないです。うまいもんいっぱいあるだろうに。ホント、不思議です。

本作でも監視対象のデブキャラがコンビニでパックに入ったフランクフルトみたいなのをたべるシーンがあったけど、あれ、例え奢って貰ったとしても絶対食いたくないな。しかも、そのデブキャラは我慢できずに、レジ済ませる前にレジ前で食ってるし……

ただ、場面として印象には残ってるんだよね……

食欲をそそるって意味だと日本映画の方が上かもしれないけど、別に観客の食欲をそそることが映画の目的でなければ、そんなの関係ないし、食べやすくてジューシーなファミチキよりも、本作のような話なら、あのまずそうなソーセージの方が絶対合ってる。

その辺も計算しての雰囲気づくりだったとしたら、まさにエクセレントの一言。

話に緩急の緩が少なく、総じて緊迫した状況が続くので、見ていて疲れはしますが、雰囲気よし、テンポよし、結末よしの三拍子揃ったマジ名作でございました。

本作の名台詞

これが仕事だ 歯を食いしばり 最後までやり抜く へばったら負け イカれたもん勝ちだ

出典:監視者たち/VOD版

役名:ハン・サンジュン
演:ソル・ギョング