洋画『ソルト』/ねぇ、頑張り過ぎないでアンジー

スコア:512/999

ソルト出典:ソニー・ピクチャーズ
『ソルト』


【あらすじ】

優秀なCIAエージェントのソルトは、亡命してきたというロシア側のスパイが突然現れたことにより、一転、CIAから追われる身となる。その疑いと同時に消息不明となった夫の安否は?ロシア側のスパイと彼女との関係は?


【作品情報】

公開:2010年7月23日(アメリカ)|2010年7月31日(日本)/上映時間:100分/ジャンル:アクション/サブジャンル:スパイ映画/映倫区分:全年齢/製作国:アメリカ/言語:英語


【スタッフ】

(監督)フィリップ・ノイス/(脚本)カート・ウィマー,ブライアン・ヘルゲランド/(音楽)ジェームズ・ニュートン・ハワード


【キャスト】

アンジェリーナ・ジョリー/リーヴ・シュレイバー/キウェテル・イジョフォー/ダニエル・オルブリフスキー/ アウグスト・ディール


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ポイントレビュー


■見慣れたスパイ映画

山守 秀久
山守 秀久
アクション担当
ポイント:134/333|評価:BAD

スパイ・アクションものは、作る側にとっても見る側とってにも、かなり人気の高いジャンルです。

秘密を取り扱う職業ということで、話が作りやすいし、敵も分かりやすい。さらに派手なアクションシーンも入れやすいということで、作る側と見る側双方の需要が合致するのでしょう。

しかしながら、実際のスパイは相当地味な仕事なんだそうで、そういった地味な部分にクローズアップした作品も最近はぼちぼちと出てきました。

無論、アクションシーンは少ないですが、そっちのジャンルも結構面白いです。『アメリカを売った男』とか良かったですね。

と、作品と無関係な話ばかりしていますが、これには理由があります。

それは、この『ソルト』という映画が「派手だけど地味なスパイ映画」というジャンルを初めて築いた映画だからです。それも少し悪い意味で。

面白くなくはないわけではないんですけど、スパイ映画に見慣れていると、もの足りないというか、途中で飛ばしたくなってくるんです。

完全に見すぎな私に非がある話なんですが、もし、この感想にほんの少しでも理解を示していただける方がいると、とても嬉しいです。感覚が偏りすぎるのは、やっぱり嫌ですから。


■アンジー……無理しないでね

試文 書人
試文 書人
サスペンス担当
ポイント:199/333|評価:GOOD

アンジーの体調が心配になる映画。アンジーのヨイヨイなアクションを見せられる映画。

あと、他にも言いたいことは色々あるけど、とにかく男がめっちゃ弱い。もう、びっくりするほど弱い。大昔におばあちゃんが、屈強な男たちをバッタバッタとなぎ倒していく漫画を見た記憶があるんだけど、それのアンジー版って感じ。

若干ストーリーは凝っているようで、そこはそこそこに楽しめたけど、見終わった後に冷静に考えてみると、「スパイ達の行動の意味がさっぱりわからん」となってしまった。

ただ、こういう映画は勢いでみるもんだと思っているので、そこは勢いの勝利があったかな?面白かったとギリで言えるレベル。

この勢いをこのままを続けていて、果たしてアンジーの息が続くのか?ご飯はきちんと食べているのか?という不安も、見ている最中は良いアクセントになっていたと思う。

でも、私は思う。もういっそのこと、主演は『幽遊白書』の幻海で良かったんじゃないか?と。


■この女スパイにラブ要素はいらなくないですか?

橘 律
橘 律
ラブストーリー担当
ポイント:179/333|評価:GOOD

ラブ要素があると聞いたので、見てみました。

そうね、確かにあったラブ要素。なんだか中盤ぐらいから、なくても良かったんじゃないかと思ってしまいそうになりましたが、案外必要でしたね。案外、割とね。女性が主人公ですし。

うーん、少なくともエグいアクションは数シーン見受けられたので、そういうのが苦手な女の子にオススメできないかなって思います。

少し暴力描写があっても平気で、たまには彼氏の趣味に合わせて見ようかって時には見てもいいかもな話ですね。私的に。

ただ、それ以外には感想がありそうでない映画なんですよね。これ。

強い女性は好きだけど、この話の女性の場合はそういう強いの意味じゃない気もするし、肉体的に強すぎるし、彼女に共感するみたいな感情は芽生えなかったかな?スパイじゃないんだから、そりゃそうか……

というわけで、本作のラブ要素はおまけでした。案外さらっとしています。


メインレビュー

ネタバレありの感想と解説を読む

塩分じゃなくて糖分取ろうよ太ろうよ

試文 書人
試文 書人
メインレビュアー
サスペンス担当/最高評価

映画『トゥームレイダー』のワイルドセクシーなアンジーはここにはいなかった。

ここにいたのは、もうなんか色々心配になる体格の細い細いおばちゃんだった。

「私、あんまり太れないのよねぇ」と血色の良い小太りの友人と一緒に喫茶店でブラックコーヒーをすすっているあの不健康そうなおばちゃんだ。

小太りの方はスパゲティかパフェ、もしくはキャラメルマキアートなんかを嗜んでいる。

少々言い過ぎかもしれないが、正直言って見た目は、鶏がらスープ素を作るために使用された後のガレた鳥。見ている途中に、妙にチキンラーメンが食べたくなってしまうレベルだ。もう、自分の脂肪を分けてあげたくなった。そう、そしてその差し上げる脂肪分のために、実際食べながら見た。

とはいえ、そういう意味ではサスペンス要素は満載だと言える。

その縄跳びを振り回しただけのような、細々とした蹴りでどうして筋骨隆々の敵のエージェントがぶっ倒れるのか?

案外、車の上にしがみ付くのに腕の筋力はいらないものなのか?

体重が軽いということは思った以上に色んな場面でメリットのあることなのか?

物語の展開自体にも様々なミステリアスな伏線があったが、私にとっては、こっちの方がよっぽど気になるミステリーである。

話としてはぼちぼち、そここそ、まぁまぁ面白い。うん、きっと面白いんだろうな、とは感じた。

だが、それには、この映画の狙いとは別な意味でのドキドキ要素があったからこそだと思えてならない。

お話の中でアメリカではおそらく有名なんだろうという、スパイにまつわる都市伝説みたいな話が出てくるのだが、もう個人的にはそこらへんはどうでも良かった。

どうにかアンジーにこの映画という名の苦境を乗り切ってほしい。もう、それだけだった。

だが、そう考えると、この『ソルト』の主人公も様々な苦境にさらされるわけで、それを持ち前の能力で乗り切るという意味では、アンジーとの整合性が取れている作品だと言える。

なんだか、最後は無理矢理にまとめてしまったが、今後も俺はアンジーを見守っていきたいと思う。本当に心配だ。

もし、この映画のキャッチコピーを俺が書くとしたら、題名と主人公役のアンジーにちなんで絶対にこうする。

映画『ソルト ~青菜に塩~』

おあとが宜しくないようで……

本作の名台詞

女性諜報部員に旦那などいても邪魔だろう

出典:ソルト/VOD版

役名:オルグ・ワシリエヴィッチ・オルロフ
演:ダニエル・オルブリフスキー