スコア:600/999
出典:ユニバーサル・ピクチャーズ
『マンマ・ミーア!』
【あらすじ】
シングルマザーのドナの娘ソフィは、母が若かりし頃に書いた日記を発見したことで、自分の父親候補となる男性が3人いることを知り、自らの結婚式の招待状を送る。式の前日に3人はドナの経営するホテルへ訪れた。
【作品情報】
公開:2008年7月10日(イギリス)|2008年7月18日(アメリカ)|2009年1月30日(日本)/上映時間:108分/ジャンル:ミュージカル/サブジャンル:ラブコメディ/映倫区分:全年齢/製作国:イギリス,アメリカ/言語:英語,ギリシャ語
【スタッフ】
(監督)フィリダ・ロイド/(脚本・原作)キャサリン・ジョンソン/(音楽) ベニー・アンダーソン,ビョルン・ウルヴァース,スティッグ・アンダーソン/(劇中曲提供)ABBA
【キャスト】
メリル・ストリープ/アマンダ・サイフリッド/ピアース・ブロスナン/ コリン・ファース/ステラン・スカルスガルド/ジュリー・ウォルターズ/クリスティーン・バランスキー/ドミニク・クーパー
スポンサーリンク
見放題配信
※情報は【2022年11月4日】現在のものです。上記のボタンから本作品の再生ページに直接ジャンプ出来ます。各VODを選択してご利用ください。詳しくはこちらのページでご確認いただけます。
ポイントレビュー
■本作を見てミュージカルが苦手になる人もいるかも……
ポイント:300/333|評価:GOOD
ブロードウェイで公演された同名の劇場ミュージカル『マンマ・ミーア!』を映画化した作品です。劇場版とは細部が違いますが、大まかな流れは一緒。
それゆえにザ・ミュージカル、これぞミュージカルという映画になっています。
もう何度見たことか……ただ、はっきり好き嫌いが別れちゃうと思うんですよねぇ。この作品。私は大大大好きですけど、これでミュージカルが苦手になる人もいるんじゃないかなぁ。
それぐらいミュージカルらしいミュージカルです。ABBAの曲を歌いまくり、曲に合わせてオバサン達がドタバタと踊りまくり。あと超ライトだけど、下ネタ会話がちょぼちょぼ出て来ます。
■この話は歌いれなくても良くない?
ポイント:159/333|評価:BAD
この話も『レ・レ・ミゼラブル(2012)』と同様に歌いるかな?話の筋だけで普通にやっても面白い気がするんだけどな。う~ん、どうなんだろう。
ABBAの曲は、大昔にやっていた日本のドラマ『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』で初めて聞いて感動してベスト盤のCDを買ったほどだったから、懐かしかったっちゃー懐かしかったんだけど、どうしても本物が良いと思ってしまう。
途中から、ストリートシンガーが路上で歌っている有名歌手の名曲を、無理に聞かされているような感覚に陥ってしまった。いや、良い曲だけど、それはABBAが歌うからいいんだよって。
これは歌いらないヤツじゃないかな?
船内でのサムとビルのアンジャッシュのコントみたいな会話はちょっと面白かったけど。
■ABBAの力は偉大なり
ポイント:141/333|評価:BAD
かなりABBAの楽曲に依存している映画です。元々ABBAありきのコンセプトで作られたミュージカルみたいなので、しょうがないと言えばしょうがないんですが、それにしても頼り過ぎじゃないですかね。
エンドロール前ラストシーンなんて尺伸ばしとしか思えませんでした。
また、私は劇場版を見てないので、全くストーリーを知りませんでしたが、わかり過ぎるぐらい序盤で最後が読めてしまいます。だから余計に時間が経つのが遅く感じる。
90分程度にコンパクトにまとめてくれたら、全体的にもう少しマシだったのかもしれませんが、私にとって褒められるのは、母のドナ役のメリル・ストリープの演技力と、娘のソフィ役のアマンダ・サイフリッドの可愛らしさだけでした。
メインレビュー
- ネタバレありの感想と解説を読む
実はミュージカルとして極めて挑戦的な作品
メインレビュアー
ミュージカル担当/最高評価ABBAの楽曲をこれでもかというほど盛り込んでいる本作の魅力は、何と言ってもその曲に登場人物の心情が完璧にマッチしている点にあると言えます。
それだけ、曲の幅が広いポップ・グループだったってことですね。
恋や愛に関する歌ばかりを歌っているバンドや歌手の曲では、ここまでのドタバタ劇を描くのは到底無理です。恋愛映画しか出来ません。ラブコメにも成りえない。
ABBAは、貧困がテーマの『マネー、マネー、マネー』ですとか、友達を励ます『チキチータ』ですとか……もちろん、恋愛の曲も数多く歌っているグループではあるんですけど、これでもかってぐらい恋愛以外の人生についての曲のレパートリーがあります。
日本でも有名な『ダンシング・クィーン』なんかも、ダンス上手な17歳の女の子を褒めているだけの歌なのに、耳を立てて聞いている内に、実は青春を叙情的に表現している歌だと気が付いたりして、聞くたびに常に新しく、新たな発見がある曲に仕上がっています。それはそれは、ぶっちゃけて言っってしまえば、ABBAの曲を使えば、どんな物語だって作れるような気がしてしまうほどです。
ただ、その万能さがゆえに、どうしてもそれぞれのプロットで曲に頼りがちになり、ストーリーが軽いものになってしまっている面は否定できません(ウチのアクセル神田も本稿でそう書いてますが……)。
私はそんな軽さがとっても気に入っているんですが、そこに馴染めるかどうかで確かに評価が変わってくる作品ではあります。
ですが、定番の『アニー』や『キャッツ』より、ミュージカル映画としては本作を推したいです。ドラマ要素、コメディ要素、ラブ要素、プラス下ネタ要素。この三拍子プラスワンをミュージカル映画で揃えるのって中々難しいんです。
しかも、使っている楽曲のほとんどが言わば、既存の曲で、オリジナルの台詞を歌にしたわけじゃないですからね。
中にはそれが良くないってミュージカルファンもいると思うんですけど、冷蔵庫にあるものだけで料理を作る難しさと、何を作るかを決めて買い物に出かけてから料理を作る難しさでは、難しさの質が違います。
ただ、ミュージカルの場合においては、圧倒的に前者が難しいと思うんです。あくまでも私見に過ぎませんが、既存の曲で物語として成り立たせるのって、脚本を書く上で物凄く制限が出来ちゃいます。
こんな展開にしたいなと思っても、それに合う歌がなければ、他の展開を考えなきゃいけないですからね。0から自由に台詞を歌にして良いんなら、そこは自由に出来ます。
もちろん、そのミュージカルのために0から歌を作るのも、非常に困難なお仕事でしょうし、そこから生まれた数々の名曲もあります。
だけど、物語として映画として成立させるという面では、私はどうしても制限が出てしまう本作のような作品の方が評価したくなってしまうんです。
ここまで来ると完全に好みの問題なんですが、こうした理由も手伝って、この映画が私の超お気に入りの映画になったことは間違いありませんので、私の意見に賛同して下さる方はどうかご覧になってみて下さい。
マンマ・ミーア!
……あ、ここで終わろうと思ったら、どうでも良いことを思い出しちゃった。そういやこの言葉、マリオも使ってましたね。マジどうでもいい。それではお詫びに豆知識を。
本作品はアメリカ映画ですが、マンマ・ミーアはイタリア語。「なんてことだ」とか「助けて、おかあ~さ~ん!!」的な意味だそうです。『シャークネード』のフィンもこっちを使えば良かったのに……
って、また全然関係ない。
本作の名台詞
私は自分が誰か知りたかったの
出典:マンマ・ミーア!/VOD版
役名:ソフィ・シェリダン
演:アマンダ・サイフリッド