スコア:481/999
出典: ドリームワークス
『ターミナル』
【あらすじ】
母国でクーデターが起きたことにより、ニューヨーク、母国共に出入国が不可能になったビクターは、空港内で生活する事を余儀なくされる。途方に暮れる彼だったが、空港での毎日の中で少しずつ幸福を見出し始める。
【作品情報】
公開:2004年6月18日(アメリカ)|2004年12月18日(日本)/上映時間:129分/ジャンル:ラブストーリー/サブジャンル:ロマンティックコメディ/映倫区分:NR/製作国:アメリカ/言語:英語
【スタッフ】
(監督)スティーヴン・スピルバーグ/(脚本)サーシャ・ガヴァシ,ジェフ・ナサンソン/(音楽)ジョン・ウィリアムズ/(原案)アンドリュー・ニコル
【キャスト】
トム・ハンクス/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/スタンリー・トゥッチ/クマール・パラーナ/ディエゴ・ルナ/シャイ・マクブライド/バリー・シャバカ・ヘンリー/ゾーイ・サルダナ/ジム・イシダ
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ポイントレビュー
■せっかくのほっこり設定が恋愛要素で台無し!?
ポイント:117/333|評価:BAD
安心ブランド名優の一角、トム・ハンクス主演のラブストーリーですが、実は恋愛映画はピンかパーかという出演作が多いのが特徴的です。さてさて、こちらはどちらでしょう?
私がどのような感想を抱いたかはポイントを見て頂ければお分かり頂けるかと思いますが、もしもユーザー様が恋愛要素をガン無視出来る超能力をお持ちなら、そちらを全開放してから観賞されることをオススメ致します。っていうか、それ持ってたら下さい。
絶世の美女キャサリン・ゼタ・ジョーンズの魅力を持ってしても、せっかくのお話を邪魔してくるヒロインっていう存在になってしまうんですなぁ。ラブストーリーとして見なければ、とっても面白い設定だし、心がほっこりする物語なんですけどね……
恋愛的もっこり要素は時として映画にとって不要な要素になることがあるようです。また、もしも本作が恋愛一本勝負で行ったとしたら、また別の点数になったとも言えます。ただ、困ってるトム・ハンクスはやっぱりカワイイのでそこは必見。あ、下ネタを無理矢理ねじ込んだことは謝ります!
■この設定で主演トム・ハンクスはちょっと卑怯かな(笑)
ポイント:189/333|評価:GOOD
私が別にやっている仕事柄、空港を良く使うんですが、都市型サバイバル生活を送る意味ではトップクラスに運の良い場所だと思います。パニックホラー系の作品、空港でお話が始まるものが多いのも納得です。
広い上に食物はそこら中にあり、国籍、人種、性別を問わず、様々な人間が行き交う場所ですから、お話をある程度その場所で完結することが出来ます。
話を終わらせたくなったら、搭乗手続きをして、飛行機で飛んで行ってしまえば良いのもプラス材料です。
本作はこの最後の部分が出来ない状況からスタートする映画なのですが……はい、途中までは面白かった!みたいな小学生のような感想文を書きたくなる内容です。公開当時はでちょっとした名作扱いだったような気がしないでもないのですが、全然私にとってはそんなことありませんでした。
主演がトム・ハンクスというのは、卑怯なんですよね。どうしても面白そうに見えるし、実際彼が中心のシーンに限っては楽しめます。演技をしている姿を見ているだけで、それこそ心温まるお話を書かされているような気分になれるぐらい、感情表現が豊かななんですよね。
それ以外は可もなく不可もなくな作品といったところでしょうか……厳密に言うと、不可の部分は明確にあったんですが、アメリカ映画では良くあることなので……ある意味現実的でした。
■ラブストーリーはともかく、サブストーリーは納得の充実度
ポイント:175/333|評価:GOOD
その昔、世界中を夢中にさせた『タイタニック』というラブストーリーがあったことをご存知でしょうか?現在30代~40代の方は家族でノリノリで見ていたら、例のエロいシーンで気まずい思いをしたという経験があるであろうアレです。まぁ、若い人でも知ってますよね。
本作もアレと一緒なんです(ちょいとエッチなシーンがあるというわけではない)。人によりけりだとは思いますが、私の場合、『タイタニック』は、二人の恋愛模様なんて最早どうでも良くて、彼らを取り巻くサブストーリーの方がずっと感動できる展開でした。
だから、似たような構造になっている本作に関しても、視聴後に残っているのはサブストーリーの楽しさだけ。比較的早い段階で、空港で出会うヒロインとの恋模様とかそんなのどうでもいいな、と思いながら見ていたら、スッと話は終わっていました。
良かった部分もあったので、見て後悔したとまでは言いませんが、とある理由(私の)で酒のつまみ話にするのにも微妙なラブストーリーなので、本作の話題中心の座談会は悪いお酒になりそうです。
メインレビュー
- ネタバレありの感想と解説を読む
映画終盤のヒロインの意味不明な選択が逆に良かったかも!?
メインレビュアー
ラブストーリー担当/最低評価空港は出会いと別れの場。一体どこの誰がそんなことを決めたんでしょうねぇ……分かりやすいっちゃ分かりやすい場所ですけど、別に埼京線でもいいじゃないですか?かなり遠くまで行けますよあの路線。飽きたら乗り換えも出来るし、いいじゃん埼京線でも、出来るじゃんこの話。
ヒロインの職業がキャビンアテンダントなので、そこは譲れんとなるなら……わかった。いいよ。別に新幹線でも……だから、これの日本版をこだまでやろうよ。キャサリン・ゼタ・ジョーンズの役は車内販売の人にすればいいし、神業テクニックの車内清掃の方々でもいいじゃないか?
本作って、本当にワザとやってんのかってぐらいに、ヒロインにヘイトを集めさせてるんですよね。他の空港の人々は一貫性もあるし、単純に親切だし、心がウォームアップするエピソードばっかりなのに。
そりゃトム・ハンクス演じる主人公ビクターみたいなキュートなキャラクターのさ迷える渡航者がいたら、そうなって当たり前なのかもしれないけど、テンプレートな流れに沿って人の小さな親切が傷ついた心を癒していくっていう描写は個人的には大好きです。
そこはありきたりな流れでも見ている方は何の苦にもならないですから。細かい親切エピソードの中にも、映画によってオリジナルのアイデアや、製作国ならではの優しさが溢れていて、とても心地良いんです。
だけど、マジでヒロインのアメリアがウザい。いえ、妖艶なる男殺しで、それを自覚しているってキャラ設定自体はいいんですよ。んで、そこで、純粋なビクターみたいな男性に出会ったことでっていう、メチャメチャありがちだけど、それはそういう話にだってことで観れば、ラブいものラブいよねって納得が出来ます。
でもよ~アメリアさんよ~あんた何だったんだい?もう終盤戦からラストまでの心の動きと結論がひっちゃかめっちゃか過ぎて、何を見る時間だったんだよって感じだよ。この流れで何で、ビクターを選ばないんだよ。一旦セーブしての恋愛ゲームのCG集めかよ。
それはそれは、もうほんの一瞬だけ「ひょっとしたらこれって実は凄く面白いラブストーリーなんじゃないか?」と思ったほどでした。
物語というモノは結末をどう付けようが、そこは制作者の勝手だから、そこ自体に文句をつけるつもりは一切ないんですけど、それまでの過程をほっぽり出すのは違うんじゃないかなぁ?なら、ラストシーンだけのショートショートでいいじゃない……
小説家や脚本家には、最初にラストシーンを書いてから、そこに至る過程を書いていくというスタイルの方が意外と多いらしいですけど、このオチに持っていきたい動悸は何処からきたものなのか伺いたいぐらい、ラブストーリー部分に関しては何がしたかったのか分からないストーリーです。
もしも新婚旅行の時に機内でこの映画を流されたら、鬼すぎて逆に笑っちゃいますね。ブラックジョーク的なセンスだとしたら好きですけど(笑)。
端々のお話は良かったから、やっぱりもっとポイント加点すべきだったかなぁ……だけど本当にヒロインが意味わかんないんですよね。ここまでお膳立ての整ったラブストーリーを絶対にラブストーリーにさせようとしないウーマンは、なかなかおりません。
もしかしたら、私、アメリアみたいな人が案外好きなのかもしんないっす。見ている最中は口汚くこの自己中クソ女!と罵ってやりたくなりますが、どこかで(笑)を付けてあげたくなっちゃうみたいなね。小悪魔的な女性ってそういうところが魅力なのかな?だけど、私はもっと上を目指していきたいと思います。
ええ、せっかく女に生まれたんですから、小悪魔なんてチンケなもんじゃなくて、目指せ悪女ですよ。男が私の誕生日用に隠していたケーキを事前に見つけ出して、サプライズで持って来る前に全部食べちゃってるとかね。そういう悪女に私はなりたいのです。
本作の名台詞
何か あることを待ち続けて その瞬間が来る
出典:ターミナル/VOD版
役名:フランク・ディクソン
演:スタンリー・トゥッチ