洋画『ジョー・ブラックをよろしく』/よろしくどうも~ブラッド・ピットです。あぁよろしくね。

スコア:433/999

ジョー・ブラックをよろしく出典: ユニバーサル・ピクチャーズUIP
『ジョー・ブラックをよろしく』


【あらすじ】

幻聴と病に悩む富豪のウィリアムの娘スーザンは、カフェで出会った魅力的な青年に惹かれるが、彼は店を出て直ぐに車にはねられて死んでしまう。しかし、彼と瓜二つの男がウィリアム家に突然訪れ、一家は困惑する。


【作品情報】

公開:1998年11月13日(アメリカ)|1998年12月19日(日本)/上映時間:181分/ジャンル:ラブストーリー/サブジャンル:恋愛ファンタジー/映倫区分:NR/製作国:アメリカ/言語:英語


【スタッフ】

(監督) マーティン・ブレスト(アラン・スミシー)/(脚本) ボー・ゴールドマン,ケヴィン・ウェイド,ロン・オズボーン,ジェフ・レノ/(音楽)トーマス・ニューマン


【キャスト】

ブラッド・ピット/アンソニー・ホプキンス/クレア・フォーラニ/ジェイク・ウェバー/ジェフリー・タンバー/マーシャ・ゲイ・ハーデン


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見放題配信

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※情報は【2022年11月13日】現在のものです。上記のボタンをクリックすると各VODの作品ページにジャンプすることが出来ます。詳しくはこちらのページをご確認ください。

ポイントレビュー


■いっそレクター博士と死神のラブコメにした方が良かったんじゃない?

橘 律
橘 律
ラブストーリー担当
ポイント:108/333|評価:BAD

レクター博士(アンソニー・ホプキンス)の前に死神(ブラッド・ピット)が現れる……?この狙っているのか、ふざけているのか、逆にこれこそが真面目ってことなのかという、奇妙奇天烈なキャスティングに胸を躍らせながら拝見致しました。

やりどころのない好奇心を埋めるため。そう、本作を見る理由なんてそれだけです。ラブストーリーとしての大筋は、見る前に大体見えてちゃってますから……そして、そしてね、実際その通りになりましたよ。

あ、おそらく説明不要かと思われますが、『羊たちの沈黙』のレクター博士は全く無関係の話です。この書き方だとレクター博士と『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のブラピの恋物語だと思われて見られる方も1%くらいはいそうなので……ちゃんと美女優(クレア・フォーラニ)がヒロインとして出て来ます!綺麗な人ですよ!

う~ん、でも見ようによっては、ビルことウィリアム(レクター博士)と死神ことジョー(ブラピ兼元ヴァンパイア)の恋物語みたいに見えなくもないかぁ……。そっちのが面白く描けたかもしれません。そんなこんなの事情で、申し訳なくもかなりヒロインが邪魔なファンタジック・ラブストーリーでございました。


■異世界側がこっちに来る転生系ラブストーリー

猿渡 りん子
猿渡 りん子
SF担当
ポイント:175/333|評価:GOOD

異世界転生モノなるものがラノベ界隈で現在も大変に流行っておりますが、こちらの作品は異世界の住人側が来るバージョンです。そのパターンもあります。向こうからしたら、地球の人間界も異世界ですからね。

かなり古い作品ですが、当時は主演のブラッド・ピットの人気もあって、日本ではそこそこの有名作のようです。私自身も多分若い頃にレンタルビデオで一回見ています。当時の恋人の自宅かな?

ですので、再視聴ということになるわけですが、内容を完璧に忘れていたのにも関わらず、昔からあったのね、こういう設定のこのパターン……という感想しか抱けませんでした。とは言いつつも、見るには見られらる話だったと思います。

しかしながら、本作の場合は現在の異世界転生モノとして主流ではない、向こうが来るバージョンではありますが、誰が思いついたのか、話が作りやすい便利な設定だと、改めて開発者に関心は致しました。こういう話最初に作ったの誰だったんでしょ?天才ですね。

あ、そういえばブラピかっこいいですよ。おそらく若い時の一番良い時期です。


■『ビバリーヒルズ・コップ』と同じ監督だなんて信じられない

アクセル神田
アクセル神田
ドラマ担当
ポイント:150/333|評価:BAD

良くも悪くも全世界で通用しそうな普通のラブストーリーです。ちょっとキャラクター設定をいじって味を持たせただけです。作品上では脇の部分にはなりますが、上流階級の人間関係の描き方しかり、振る舞い方しかり、ほぼ全てがステレオタイプに表現されています。

ストーリーの肝でもある人間界での死神の描写もありきたりというか、演じているのがブラット・ピットでなければ、ほとんど感慨深さがありません。ただのぼんやりしたイケメンといった面持ちです。

ですが、この作品……私の数少ない恋愛経験の中でほとんどの女性の方に「見たい!」って言われてるんですよね。そして、ほぼそれに応えて一緒に見て、「やっぱブラピ格好いいね、良かった!」という同じ感想を頂きました。やはりブラッド・ピットは男性の敵なのかもしれません。逆らえません。

それにしても、本作の監督が私が大好きな『ビバリーヒルズ・コップ』と同じマーティン・ブレストだったとは……レビューを書くまで知らなかったので、死ぬほどビックリしました。


メインレビュー

ネタバレありの感想と解説を読む

結局ヒロインのスーザンは超面食いってことで良いんじゃない?

橘 律
橘 律
メインレビュアー
ミュージカル担当/最低評価

まず、最初に謝罪をさせて下さい。本作の上映時間が3時間近くあることをあえて余り触れずにいたこと。そしてそして、その体感時間たるや、本作のもう一人の主人公ビルことウィリアムの残された寿命ほどに長く感じられるお話だということ。

そういえば、ビルって『羊たちの沈黙』のバッファロー・ビルから来てるのかしら。って、もうレクター博士の話はいいですかね。ビルを演じたアンソニー・ホプキンスも「もうレクターはこりごりだよ」と言っていたみたいですし。

さて、いよいよ本題のメインレビューですが、正直に言いますと、序盤に人間ジョー(便宜上このように表記します)が車にはねられるシーンで、私は笑いました。思いがけない笑いというか、何か勢い芸人のコントみたいな死に方だったので、不謹慎だと思いつつ大いに笑いました。あと、ブラピ、赤、赤だよ!信号!

ですが、その後からこのシーンがヤケに尾を引きずるんです。何だか青空からフワフワのワイプに包まれながら優しく微笑みかけてくる少年の目線を感じるようになりました。後になって分かったことですが、アレはきっと『タッチ』の上杉和也君です。

上杉達也と浅倉南の恋のエッセンスになるためだけに死んだ可哀そうな和也君。そうだよね。そんな理由でひと夏に一回殺されてたら、たまったもんじゃないよね。

本作も設定上、死神が憑依するために気さくな性格の若い男が死ぬ必要があったつったって、他にやりようがあったでしょうよ。死神ジョーは暗いヤツなんで、正反対の性格の男を用意しなきゃならないのは分かる。

でももうちょい考えよう。憑依とか転生とかに交通事故使うのやめようよ。全部和也君から始まったんだって思っちゃうじゃない。

そんでもって、本作の「アタイってホントは超奥手なのよ」ぶってるヒロインが、ほんのり南ちゃん要素がありまして……人間ジョーに一目惚れしてた感があったくせに、何か人間ジョーが雑に死んじゃったせいで、まるでそれがなかったことみたいに、死神ジョーと恋に落ちていきやがります。

いやいや、一応好きになりかけた人が死んだ直後じゃん。あの人間ジョーとのカフェでの会話はなんだったんだい?彼の性格や思想に惚れたんじゃないのかい?

死神ジョーは何か間違ったモテ情報を掴んで東京に来ちゃったお上りさんみたいな性格だぞ。なんでもかんでも低めの声で「わからない」「理解できない」って言っておけば、クールに見えると思ったら大間違いだぞ。

スーザンさん……結局顔ですか?顔に惚れただけですか?顔だけなら和也も達也もほぼ同じだから、お前さんも別に気さく系じゃなくても良かったってことですか?いや、単に南ちゃんと同じで思わせぶりなだけですか?結局、最後は死神ジョーの代わりが人間ジョーみたいな微妙な空気になりますしね。

何だかねぇ……まぁ仮に本当に好きなのは人間ジョーだという前提を無理くりに掲げたとしたら、カッチャンじゃなくて、タッチャンが死んだ南ちゃんの世界線という見方は出来るかぁ。いや、あの終わり方だとそれはちょっと無理があるんじゃないでしょうか。だって、ほんとに何で人間のあんたの方が戻って来ちゃったのよ。みたいな感じだったもん。

というわけで、あえて断言します。要するにスーザンは見た目がブラット・ピットなら基本何でもいいんです。でも、出来れば性格が合う人が良いので、死神の方がちょっと好きなんです。

序盤の人間ジョーとのやり取りは、取り敢えずいい男だから、唾を付けときましょうと解釈しましょう。同じブラピなのに、スーザンとは一度きりのやり取りだったので致し方のないことかもしれませんが、人間ジョー版は本当に作中で空気感満載ですから。

それにしても、名優の無駄使いだな……もう一つのメインテーマである「死」を待つ父ビルのお話も、とってつけたような扱いだし、ビルの役柄もある意味、死神との恋というシュチュエーションを創造するための百均で買えそうな添え物にしかなってません。

と、作品のアラばかりをつついてしまっておりますが、これ、私の友達は結構泣けたっていう人が多いんですけど、皆さんはいかがだったでしょうか?かく言う私は「ブラピが私に会いに来てくれるって言うんなら泣きます。ジョー・ブラックによろしく」と感想を述べるに留めておきたいと思います。女子同士の映画の感想はこれがあるから結構話合わせるのが大変です。だから、レビューもこういう脱線の仕方をさせてお茶を濁しているんですね。

だって、『ブラックジャックによろしく』、『ジョーブラックをよろしく』、この二つって語呂が似てて少しごっちゃになりませんか?私が普通にいざレビューの締めくくりに来たところで、普通に題名を間違えただけの話ですが、『ジョー・ブラックによろしく』のがいいじゃん。死神ジョーはそんなに自己アピール激しい性格じゃなかったし、どっちかって言うと何だかんだ理由を付けてヒロインとよろしくヤッてた方じゃないか……

本作の名台詞

稲妻に打たれるのを待とう

出典:ジョー・ブラックをよろしく/VOD版

役名:ジョー・ブラック(人間)
演:ブラット・ピット