洋画『ウォーム・ボディーズ』/イケメンゾンビが人間の女の子に恋をした

スコア:799/999

ウォーム・ボディーズ出典:ライオンズゲート
『ウォーム・ボディーズ』


【あらすじ】

ゾンビになってしまった主人公のRは日増しに失われていく人間らしさに悩んでいた。そんな折、物資の調達に来ていた人間ベリーを食べたことで元彼女であるジュリーに恋をしてしまう。Rはその後、彼女を連れ帰った。


【作品情報】

公開:2013年2月1日(アメリカ)|2013年9月21日(日本)/上映時間:97分/ジャンル:ラブストーリー/サブジャンル:ゾンビ映画/映倫区分:全年齢/製作国:アメリカ/言語:英語


【スタッフ】

(監督・脚本)ジョナサン・レヴィン/(音楽)マルコ・ベルトラミ,バック・サンダース


【キャスト】

ニコラス・ホルト/テリーサ・パーマー/ロブ・コードリー/デイヴ・フランコ/アナリー・ティプトン/ジョン・マルコヴィッチ


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※情報は【2022年11月7日】現在のものです。上記のボタンから本作品の再生ページに直接ジャンプ出来ます。各VODを選択してご利用ください。詳しくはこちらのページでご確認いただけます。

ポイントレビュー


■ヒロインの心境の変化に納得いかない点を除けば、ほぼ満点な恋愛物語

橘 律
橘 律
ラブストーリー担当
ポイント:299/333|評価:GOOD

ありそうでなかったゾンビさんの恋物語です。

基本的にゾンビさんは脳みそが逝っちゃていて、ご飯となる人間を探し回るだけになるのが当たり前なので、恋する暇もないのは当然なんですが、本作のゾンビさんは結構頭が回ります。

ヒロインの心情に微妙に納得いかない部分はありますが、それを除けばこんなに素敵なラブストーリーはないなってぐらい良く出来ています。作中の描写をパクるわけじゃないですけど、心臓が温かくなるようなお話です。

あ、これゾンビとかそれが進化したガイコツとか出て来ますけど、全然怖くないんで、ホラー映画が全くダメダメって方でも余裕で見れちゃいますよ。


■全てのバランスがちょうどいいお話

試文 書人
試文 書人
ホラー担当
ポイント:245/333|評価:GOOD

本作にはゾンビが出て来るため、ホラー担当として俺がポイントを付けてはいるが、これは少なくともホラーじゃない。たまたま主人公がゾンビだったってだけの感動の恋愛映画である。ゾンビが変化して人間を襲うだけになったガイコツっていう冷徹なキャラも出てくるけど、二人の恋路のアクセントとして使われているだけで、こちらも別にって感じ。

そんな話なんで、ハラハラドキドキを期待している方は別のゾンビ映画を見た方がいい。

でもね。すっごく良い話だから、泣けるまではいかないけど、安心して見られるラブストーリーだから、特段こだわりがないのであれば、まず見てみた方がいい。

コメディ要素も薬味程度に入ってるから見やすいしね。何かみようかなぁって、VODサイト内で検索しまくって無駄に時間使うぐらいなら、取り敢えずこれ見とけってレベルでオススメ。

泣くまではいかない、声を出して笑うまでもいかない、でも良かった。そういうお話。特に女性にはゾンビ映画のゲートウェイ・ムービーとして強く推薦したい。


■生身の人間がゾンビに嫉妬しちゃダメですよ

アクセル神田
アクセル神田
ドラマ担当
ポイント:255/333|評価:GOOD

設定の時点でもうすでに平均点を超えてるなと思いました。「なんで俺が恋出来なくて、ゾンビが恋出来るんだよ!」って、そんな野暮なこと言っちゃいけません。

イケメンなら生身の人間よりいい場合があるんです(笑)

エロいゾンビが出てくるコメディ映画なんかは良くありますが、この設定は本当に珍しい。しかも面白いのも珍しい。

ゾンビラブストーリーという新たな分野を開拓した本作ですが、追従する作品を余り目にしないところから察するに、これを超えるものを作るのはなかなか難しいという結論なのでしょうね。

因みに本作品には当サイトでもご紹介したことがある『グランド・イリュージョン』のフォー・ホースメンの下っ端ジャック役のデイヴ・フランコが出演しています。


メインレビュー

ネタバレありの感想と解説を読む

ヒロインの心情変化だけがちょぴり不満

橘 律
橘 律
メインレビュアー
ラブストーリー担当/最高評価

上映時間が一時間半ちょいの映画なので、せっかちな方でも問題なく見ることが出来ます。さらに見る人を選びません。

「俺、ラブストーリー嫌いだよ」

大丈夫です。腐っても一応ゾンビ映画ですから、っていうかゾンビ自体が腐った生き物だし。

「私、ゾンビ苦手なんだよねぇ」

平気です。『ウォーキング・デッド』みたいな「人間対ゾンビ」の話ではありません。まぁ、あっちも最近は「人間対人間」になっちゃってますけどね……

「ワシらは難しい話はようわからん」

安心してください。脚本設定は独創的ではありますが、お話そのものは単純明快です。

ってね。まさに発想の勝利というべき作品だと思うのです。

申し訳程度のグロシーンはあるっちゃありますが、監督が気を使って隠してくれてるんじゃないかなってぐらい、食事?のシーンに残酷さがないんですよね。ゾンビさん達も出で立ちや身なりが綺麗で、見た目は普通の死人より二段階ぐらい顔色が悪い程度となっています。

それでいて違和感がない。ラブストーリーとしてもゾンビ映画としもバッチリ話が成立しています。

ただね。唯一納得いかない部分があるんです。そう、ヒロインのあの女(口悪い)。

別に嫌いじゃないんですよ。嫌いではない。でもね。元とはいえ、自分の彼氏食っちゃったヤツとよく恋愛出来るよなぁ……とは思いました。女はあれぐらいタフじゃないとダメなんですかねぇ。

私にはそれは無理だな。Rはキュートなイケメンで魅力的なゾンビ男子だと思うけど、やっぱり何処かで思い出しちゃう気がする。嫌な別れ方した男だったらまだしも、本作のヒロインの場合は多少なりとも引きずっているんですよね。

そういう元彼食っちゃったヤツとはやっぱり恋愛は出来ないですよね。普通は。

そう考えると戦国時代とかの女性達ってどんな気持ちだったんだろ?自分の夫を殺したヤツの側室とかにされることもあるんですよね?

たとえ政略結婚でも、いい夫だったら、悔しくて悔しくてしょうがない地獄の毎日だと思うんです。

本作のヒロインもわずかながらにそうした葛藤みたいなのは見せていましたが、案外あっさり立ち直るところがちょっとなぁ……

と言いつつも、よくよく考えればこのヒロインのキャラ設定も必要ですね。女の恋の悩み告白ぐらい一方的な話がないとゾンビとなんて会話が続かないですもん。

あ、世の男性諸君!過去にしろ現在にしろ女が恋の悩みを大真面目に話始めたら大チャンスですぞ。新規、乗り換えと色々パターンはあるけれど、付き合ったきっかけの上位に食い込んでいるのはこの状況ですからね。

新しいスマホの買い替え時みたいなもんだと思ってくれるとわかりやすいかな?

私が言うのもなんですけど、女なんてそんなもんです。うん、また最後全然関係ない話になっちゃいましたね。

本作の名台詞

何か望むから心が傷つくんだ

出典:ウォーム・ボディーズ/VOD版

役名:R
演:ニコラス・ホルト