邦画『悪の教典』/英語の発音の違和感とストーリー展開の脱力感

スコア:160/999

悪の教典出典:東宝
『悪の教典』


【あらすじ】

英語教師の蓮実聖司は『ハスミン』のあだ名で生徒達から慕われ、周囲からも絶大な信頼を得ていた。ただ、それはあくまで表の顔に過ぎず、彼の笑顔の裏には殺人を犯すことに何の躊躇もないサイコな人格が宿っていた。


【作品情報】

公開:2012年11月10日(日本)/上映時間:128分/ジャンル:ホラー/サブジャンル:サイコホラー/映倫区分:R15+/製作国:日本/言語:日本語


【スタッフ】

(監督・脚本)三池崇史/(音楽)遠藤浩二/(主題歌) THE SECOND from EXILE『THINK ‘BOUT IT!』/(原作)貴志祐介『悪の教典』


【キャスト】

伊藤英明/二階堂ふみ/染谷将太/林遣都/浅香航大/水野絵梨奈/KENTA/吹越満/山田孝之


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ポイントレビュー


■最早ツッコむ気力さえ失われる

試文 書人
試文 書人
ホラー担当
ポイント:34/333|評価:BAD

何なんだよこれは。本当に何だったんだ。

何でこんなものを見てしまったんだろう。海外留学をして、アメリカの投資銀行に就職までしたはずのハスミンが、なぜあんなに英語が不自然なんだろう。

つい興味本位で再生ボタン押してしまった自分が憎い。それこそハスミンに殺して貰いたいぐらいに。

サスペンスホラー映画で、ここまでの失敗作を見るのはいつ振りだろうか。ツッコミどころが大いにある作品ならまだ救いがあったのに。

この映画、凄い恐ろしいこと描いてますって感じが鼻について、最早ツッコミたくすらない。疲れた。本当に何だったんだこの時間は。


■ひさびさにホラー映画見てみたらコレですよ…

橘 律
橘 律
ラブストーリー担当
ポイント:71/333|評価:BAD

あ、担当ジャンルとして出ちゃっているので、勘違いのないように最初に言っておきますが、作中に全然ラブストーリーないです(笑)。生徒が勝手にハスミンに惚れてマズイことになるぐらい。

たまにはホラー見てみようかなってテンションで参戦してみました。原作も読んで面白かったしね。

うん、ひさびさに元気を出してホラー映画を見た価値があったと思えたのは、唯一思えたのは、山田孝之ってやっぱり演技うまいよねってことだけ。

やっぱりホラーやスプラッター映画のストーリー展開はどうも馴染めませんね。怖いからとか夜トイレに行けなくなるからとかが理由じゃなくて、純粋に展開が破綻していることが多いから。

もちろん、中には良い作品もあるけどさ。『ショーン・オブ・ザ・デット』とか大好きだし。

さてさて、本作についてですが、原作はすっごいサスペンスな雰囲気も出てたのに、これも何処にでもあるホラーの駄作になっちゃったって感じ。

ただ、ラストは笑ったよ。それなら何でもアリじゃん。まぁホラーあるあるですね。


■孤軍奮闘の伊藤英明

猿渡 りん子
猿渡 りん子
ホラー苦手代表
ポイント:55/333|評価:BAD

今までは冗談半分で書いていた「もういいよホラーは……」の書き出しが、完全に冗談でなくなってしまった作品。つまらなかったです。怖くもなかったです。残るものもなかったです。

ただ、生き生きと人殺しをしなきゃいけないはずの伊藤英明が、物凄く無理して仕事しているように見えたのは面白かったかなぁ。『この映画をどげんかせんといかん』って、孤軍奮闘してました。

決して演技がヘタな役者さんではないし、むしろ上手な方だと個人的には思っているんですが、途中で「これダメなヤツだ」って伊藤英明自身が気づいてしまったような瞬間があって、見てる側としては彼の複雑な心情がまるで透けて見えるようでした。

読んでないですけど、原作の方の評判は良いらしいですね。なら、もっと脚本頑張ろうよ。頑張る伊藤英明が、とても可哀そうに見えた作品でした。

それと、全然関係ないですけど、わたしのレビュータイトルなんか『進撃の巨人』みたいになちゃってますね。


メインレビュー

ネタバレありの感想と解説を読む

単なるヤケクソなのか?本当にサイコパスなのか?

試文 書人
試文 書人
メインレビュアー
ホラー担当/最低評価

何かあるぞ、何か起きるぞ、どうしてハスミンがこんなことをするのかが分かるぞ、というサイコパスモノに絶対的に必要な楽しみが右肩下がりに失われていく映画ですな。

というよりその部分が完全に欠落している映画と言ってもいい。ハスミンに良心が欠けていたように、作品そのものにも大事な部分が欠けている。

原作が好きでこれを見た人は怒って良いと思います。ぶっちゃけ私は読んでないですが、他の映画レビューサイトを覗き見ても大体が「原作をぶち壊すな」といった感想の雨あられ。

いや、やっぱり訂正。むしろ原作読んでない人の方が怒っていい。この映画を見て、改めて原作読んでみようとは絶対ならないだろうから。素晴らしい原作を楽しむ可能性を潰されちゃったわけだから。

非常に懐かしい映画になってしまうけど、『模倣犯』の映画版を見た時の感想と似ているな。ひょっとしたら、日本の映画界はサイコパスを描くのが苦手なんだろうか……いや、でも『冷たい熱帯魚』とかはそこそこ良かったしな。主演のでんでんも。

話を本作に戻すけど、この話って、超簡単にストーリーをまとめちゃえば、ハスミンが色々策を弄して殺人で難局を乗り越えていくんだけど、終盤は色々面倒になっちゃってヤケクソになって全員殺すことにしましたってあらすじでしょ?

行きずりの犯行からそのままズルズルとって感じなら、現実でもありそうっちゃありそうだけど、コイツの場合は死ぬほど有能な人間として描かれているわけで、何でそこで適当になっちゃったかが全く描かれてない。

あぁ……ラストシーンがその理由だぜ!って言うんなら分かるか。すげぇ納得いかないし、時間返してほしいけど、1000歩ぐらい譲りに譲れば一応の説明はつくか。

だけど、たとえ説明がついたとしても、あのラストシーンはダメでしょ。あれなら何にも説明しないで、全部観客に丸投げしちゃった方がまだマシ。あそこで一旦くだらない結論を出されたせいで、ハスミンがサイコパスな理由なんてマジでどうでもよくなってしまった。

ポカンと口を開けた状態でエンドロールを眺めている間には、山田孝之が演じてた別の教師のサイコパスさの理由のが気になったぐらいだよ。

あ、あと、ハスミン……もう二度と英語しゃべらないで。俺は日本語オンリーで生きている人間だから、偉そうなことは言えないけど、英語だけでもやめてくれれば、10ポイントぐらいは違う結果になったと思う。

最初の発音の瞬間、なんかスッゴイ冷めちゃったからさ。ごめんね。

本作の名台詞

良い奴とか立派な人間みるとな こう……卑屈なもんが湧き出て来るんだよ 心の奥底から ふつふつとな

出典:悪の教典/VOD版

役名:釣井正信
演:吹越満