スコア:90/999
出典:東宝
『神様の言うとおり』
【あらすじ】
頭部のない生徒が教室内で仰向けに横たわっている。教壇の上にはダルマがおり、「ダルマさんが転んだ」と発声する。ゲーム自体は通常と全く同じルールのようだったが、彼らに与えられる罰は確実な死であった。
【作品情報】
公開:2014年11月15日(日本)/上映時間:117分/ジャンル:ホラー/サブジャンル:デスゲーム/映倫区分:R15+/製作国:日本/言語:日本語
【スタッフ】
(監督)三池崇史/(脚本)八津弘幸/(音楽)遠藤浩二/(原作)金城宗幸,藤村緋二『神様の言う通り』
【キャスト】
福士蒼汰/山崎紘菜/神木隆之介/染谷将太/トミーズ雅/ダチョウ倶楽部/高島礼子
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見放題配信
※情報は【2022年11月4日】現在のものです。上記のボタンから本作品の再生ページに直接ジャンプ出来ます。各VODを選択してご利用ください。詳しくはこちらのページでご確認いただけます。
ポイントレビュー
■デスゲーム系ホラーの悪い部分が揃ってる
ポイント:21/333|評価:BAD
主人公やヒロイン、はたまた他の登場人物に感情移入することが出来なければ、デスゲーム系、サバイバル系のホラー映画は見る価値がない。
本作では、画面をぼんやり眺めていると、勝手にゲームをやっていて、勝手に人が死んでいく。立候補制だろうが、強制的にだろうが、登場人物に思い入れがなければ、どんなに魅力的なシステムのゲームでどんなに残酷な罰ゲームが用意されていたとしても、それに大して意味はない。
視聴者に応援したい感情が生まれて初めてデスゲーム系ホラーは成立する。そうでなければ、他人の子供の運動会を無理矢理に観させられているようなものである。
こうしたデスゲームジャンルの作品はネズミ算式に量産されている。名作と呼べるものなんて、おそらく両手で数えきれるぐらいだろう。
そして、本作は明らかにその両手には入っていない。それどころか、そうしたデスゲームホラーの悪いところを全部かき集めたような展開になっている。ツッコミどころさえない駄作ほど、タチの悪い映画はないだろう。
ただ、本作品のゲームの一つに、ネズミのコスプレをして参加しなければならないゲームがあったことは、振り返ってみれば嬉しい誤算だったのかもしれない。終始、仏頂面での観賞を強いられていたがゆえに、そこだけは思い出し笑いで、図らずもクスリとしてしまった。
■楽しんで見られるのは出演俳優さんの大ファンぐらい
ポイント:39/333|評価:BAD
まるで意味が分かりませんでした。一体全体何をしているんでしょう。あのダルマと生徒達は……
余り辛辣なことは言いたくないのですが、本作を見て喜ぶのは福士蒼汰のファンの方だけなんじゃないかとさえ思います。あとは今なら神木隆之介と染谷将太のファンも、「こんな映画にも出てたんだ!」と好奇心を持てるかもしれません。
頑張ってはみたんです。良いところを見つけよう見つけようと、最初の10分ぐらいは画面にかじりついてはみました。そうして、とうとう見つけ出したのです。本作の良いところを……
それでは、今から発表させて頂きます。
「誰が生き残るのか、冒頭の10分ほどで分かるので、安心して見られます」
以上これにて、開始5分で停止ボタンを押しかけた作品のポイントレビューを終わります。
■嘘ついてレビューをバックレとけば良かった
ポイント:30/333|評価:BAD
いわゆる、理不尽なデスゲームを題材にした映画です。ゲームの種類は『ダルマさんが転んだ』以外にも様々に用意されています。
でも、悪い意味で全くもって怖さがありません。得るものも、あとになって考えさせられるものも全くありません。
目を覆いたくなるようなシーンはありましたが、生徒達の死に様の安っぽさのおかげで、血みどろが得意ではない私でも見られました。しかしながら、今思えば、こんな怖いの見られないって、嘘をつけばよかったとさえ思います。
こんなもんを最後まで見られる精神力がある自分のが恐ろしいぐらい。
ギブアップ、ギブアップ。なんでその一言が言えなかったんだろうね。体形は別にするにしても、私はレスラーではないのに……いや、待てよ。レスラーもギブアップしていいんじゃん!
はい。そうですね。ネバーギブアップの精神をお持ちの方は、一度最後までの視聴に挑戦してみてもいいんじゃないでしょか?
メインレビュー
- ネタバレありの感想と解説を読む
脚本のネタ切れ時にシリーズ化しそうな嫌な予感
メインレビュアー
ホラー担当/最低評価原作は漫画。でも、俺は読んでないし、これからも読む気はない。
もしも映画版に大きな改変が加えられていて、そのせいでこのような駄作になってしまったんだとしたら実に不幸な話だが、この映画は酷い。あまりにも酷すぎる。
見た人の「原作も読んでみよう!」という意思をそぐために、メディアミックスしたわけじゃないだろうに。これじゃあ、ネガティブキャンペーンもいいところだ。
映画にしても漫画にしてもその他のメディアにしても、日本でこの手の下らないだけで笑えもしないデスゲームモノ、サバイバルモノが増えだしたのはいつぐらいからだっただろうか?
考察の対象媒体をVODに絞っても、この状況は同じだ。ホラージャンルで検索すると、無数にそうした作品が出て来る。負けても死ぬことはなく、金を取られたり、現在の立場を失ったり、監禁されたり、といった罰が与えられるものを含めると、もう数え切れないほどである。
ただ、敗北者の罰が『死』でないものの方が、比較的見られる作品が多く、命よりも金や立場のを失う罰の方が、視聴者の関心をそそるというのは、何とも皮肉な話だ。
察するに『死』という罰はシンプル過ぎて、登場人物達のバックボーンを描くのに、向いていないのだろう。
本作はその『死』が罰のデスゲーム映画なので、そちらを中心に持論を展開させて頂くが、俺としてはこの嫌な流れは、『バトル・ロワイヤル』から始まったと考えている。
『バトル・ロワイヤル』にも欠点はある。しかし、これを超える日本のデスゲームモノを俺は見たことがない。見たことがあるのは、どれもこの『バトロワ』の足元にも及ばないものばかりだ。
その影響もあって、名作のハードルは下がりに下がり、いくらかマシという作品が何故か心に残ってしまい、名作扱いを受けてしまっている状況である。
ついでに言えば、少々ジャンル違いではあるが『カイジシリーズ』の成功もまた、その始まりだと言える。デスゲームにおける裏切りと騙し合いと復讐心。ゲーム中のそうした要素はこの『カイジシリーズ』に帰結すると言っても差し支えないだろう。
そして、これらの作品の後発として数々の迷作、駄作が生み出され続けた成れの果てがこの『神様の言うとおり』なのである。
本作の悪い部分を挙げ出したらキリがないので、もっとも観客的立場として許せなかった一つだけを例に挙げよう。
それは、物語の結末である。あれだけ無駄な時間を過ごさせておきながら、「まだまだ続くかもよ!」みたいなあの結末は何なんだ。もうこれだけは許せない。許されることじゃない。
今のところ映画では続編は出ていないようだが、今後はどうなるか分からない。そして、どうなってもおかしくない。聞くところによると、原作版から吸い上げていないゲームがまだ沢山あるようで、先行きは不透明だ。
あぁ……あな恐ろしや。
おそらく、続編が出てVODに来たら俺は見てしまうだろう……続編は無印より評価が落ちる可能性が圧倒的に高い。これより酷い出来の作品はどんなものなのか?やはり俺には破滅願望があるのかもしれない。
本作の名台詞
絶対とは言えないがぁ…… 恐らく、全員、死ぬ
出典:神さまの言うとおり/VOD版
役名:サタケ
演:染谷将太