アニメ映画『イヴの時間 劇場版』/アンドロイドと心を通わせてはいけないの?

スコア:853/999

イヴの時間 劇場版出典:アスミック・エース
『イヴの時間 劇場版』


【あらすじ】

アンドロイドが実用化された世界。見た目が人間と全く変わらないため、彼らの頭上には常にリングが表示されている。しかし、そのリングが消え、人間との見分けがつかなくなる不思議な場所が存在した。


【作品情報】

公開:2010年3月6日(日本)/上映時間:106分/ジャンル:アニメ映画/サブジャンル:SFアニメ/映倫区分:全年齢/製作国:日本/言語:日本語


【スタッフ】

(監督・脚本・原作)吉浦康裕/(キャラクターデザイン・作画監督)茶山隆介


【キャスト】

福山潤/野島健児/田中理恵


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※情報は【2019年02月09日】現在のものです。上記のボタンをクリックすると各VODの作品ページにジャンプすることが出来ます。詳しくはこちらのページをご確認ください。

ポイントレビュー


■さあ、名作の始まりです…コーヒーのご用意を!

猿渡 りん子
猿渡 りん子
アニメ担当
ポイント:323/333|評価:GOOD

インターネット上でやっていた連続アニメ全6話を編集して、劇場公開した作品です。私が見た全てのアニメ映画の中で、3本の指に入るぐらいの超お気に入り。

VODで配信されてからは、データ通信量が限界突破するレベルで何度も見ました。ウチの子供だって、ちょっと難しかったけど、大好きなお話だと言っています。

そりゃ母親が狂ったように見ている作品を面と向かって嫌いだとは言えないですよね(笑)

とにかく、未見の方は絶対に見た方が良いです。泣けます。考えさせられます。美しく描かれたアニメ映像にうっとり出来ます。

さぁ、コーヒーとハンカチを用意して、じっくり見ようではありませんか!


■大人がアニメで泣いたって良いじゃない

近道 通
近道 通
オールジャンル担当
ポイント:295/333|評価:GOOD

ロボットだとかアンドロイドとか、何とかマシーンとか、機械が出てくるアニメって、ややこしい話が多いんだよね。

横文字ばっかり出てくるし、しかもそれが造語だったりして、物語を理解するために、やたら覚えなきゃいけない言葉が多かったり……

この『イヴの時間 劇場版』もその例に漏れず、造語とか架空の法律とか団体とか沢山出て来ます。やばい。

でも、作中で重要と思われる言葉は、物語の自然な流れの中で何度も繰り返し説明が入る感じなので、途中で巻き戻しボタンを押すことなく、すっと一気に見て理解出来ました。

ただ、登場人物が多いので名前を覚えるのに少し骨が折れたかな。だいたい下の名前でしか呼ばないので、ちょいそこがややこしかったです。

まぁでも、それぐらいは我慢しないとね。まさかこの歳になってアニメ映画で泣くことになるとは思いませんでした。

クレしんの『あっぱれ戦国』以来ですな。


■シブい男性ハウスロイドが欲しい

橘 律
橘 律
ラブストーリー担当
ポイント:235/333|評価:GOOD

アンドロイドとの恋愛モノって感じのお話ではないですねー。部分的にはそういう要素も混じってはいるんですけど、もっと大きいお話です。

私もハウスロイド(家事とかしてくれるアンドロイドのことね)欲しい……

超欲しい……この洗濯物の山と空のカップ麺にまみれたこのテーブルの上を片付けて欲しい。今見たら、ノートパソコンの端にちょっと麺ついてた……

でも、もしも実際に貰えるってなったら、やっぱり男のハウスロイドを選んじゃうんだろうな。絶対ドリ系(アンドロイドラブな人達のことね)になる自信がある。

SFで架空のお話だけど、もしも世界がそうなったら確実に起きそうなことを、全部描き切っているのはスゴイよねぇこの話。

しかも、教えて貰うまでこれが総集編なんだって気づかなかった。編集うますぎです。


メインレビュー

ネタバレありの感想と解説を読む

続編を待った年数分だけ減点しました……

猿渡 りん子
猿渡 りん子
メインレビュー
アニメ担当/最高評価

この映画のメインレビューは絶対に私が書きたかったので、当サイトのメインレビュールールを無視して、立候補(したら最高点じゃない人でも書いてもいいらしい)しようとまで、企んでいましたが、そんな心配は無用の私、猿渡りん子が最高点でした。やったね!

えーと何からいこう。言いたいことがあり過ぎて全然まとまらないんですが、アニメ映画としてもSF映画としても、最高峰の作品だと思うんです。

アンドロイドが実用化って、多分そう遠くない将来に実現するだろうし、もしそうなったら、人間が心を作り上げても良いのか?って問題は絶対に出てくるんじゃないでしょうか?

アンドロイドと心を通わせるのって、道具に愛着を持つみたいなこととは全然別次元の話で、人間としては不自然なことなのかもしれないけど、人間って不自然で理屈に合わない生き物だから、「人間は人間」「アンドロイドはアンドロイド」って簡単に割り切れるもんじゃないと思うんですよね。

マサカズと自分を育ててくれたテックスとのシーンは、そんなところが凝縮されていて、何度見ても鼻にツーンと来て涙が出てきてしまう。

所詮機械だからって、必死に思い込んでもやっぱり愛情があるから、頭では分かっていても、好きなものは好き、愛してしまったものはやっぱり愛してるんです。

この世界ではアンドロイド自身もそういう葛藤を抱えていて、人間ではないのは理解しているし、イヴの時間(頭上のリングが消える喫茶店の名前です)という場所以外では、行動もプログラムに支配されているけど、人間の指示通りに動いているときでも、中身には実は打ち明けられない悩ましい心があって、その事実が凄く切なくて切なくて。

なんだろう。やっぱり心を人間が作ってしまうのは、凄く罪深いことなんでしょうね。その作った心に何の責任も持てないから。

もし、私が「お前って実はアンドロイドなんだよ」って、言われたらその日からまともに生きていける自信がありません。

私って作り物なんだって、私が私自身で考えていると思っていたことは、全部作られたものなんだって思うと、実際に実感できる感情というものがあったとしても、それが本当の気持ちなのかを疑うようになってしまう気がします。

もう、こんな風に考えさせられることが多すぎる映画なので、参っちゃうんですけど、心に来るんですよ。アンドロイドとして働いている時と、イヴの時間の中で、人間と同じように過ごしている時の彼らのギャップが……

この映画って、いらないシーンが全くといって良いほどなくて、「人間とアンドロイドを区別しない」っていうイヴの時間のルールが、この映画の世界を満遍なく包み込んでいるから、どのシーンを見ても深いものを感じてしまう。

そうした意味では相当疲れる作品ではあるんだけど、疲れるだけの価値がある深い深いテーマですよね。作った側の心と作られた側の心の問題って。

この映画と似たようなお話に『AI』や『アンドリュー』という洋画があって、私はどちらも拝見させて頂いているんですが、断然『イヴの時間』の方が深いです。

どっちも好きなお話ですけど、深みが全然違います。

ただ、この『イヴの時間 劇場版』にはひとつだけ文句があるんですよね。そろそろ耳が痛くなるような罵詈雑言を並べてやりたいぐらいの!!

そうなんです。続編を全然やってくれないんです。

続編があるような終わり方をしたくせに!!

もう何年待ってると思ってるんですか!!

子供もすっかり大きくなっちゃったよ!!!

あと、これから見る方に大事な大事なアドバイス。

これはエンドロールを最後まで見た方が良い系の映画なので、エンドロールが始まったからって、画面を閉じちゃわないようにね!話終わってないから!!マジ気を付けて。

本作の名台詞

自分のロボットが知らないところで勝手な事をしてたらな……人間の尊厳が侵されている!ってか?

出典:イヴの時間 劇場版/VOD版

役名:真崎マサカズ
声:野島健児