洋画「私がクマにキレた理由』/生意気な子供と身勝手な母親、そして美人過ぎるナニーの物語

スコア:612/999

私がクマにキレた理由出典:ショウゲート
「私がクマにキレた理由』


【あらすじ】

大学を卒業したアニーは金融会社の面接を受けるも失敗。母には就職が決まったと嘘をついてしまう。途方に暮れる彼女。だが、ふとしたきっかけから、いわくつきの親子の元でナニー(子守り)として働くことになる。


【作品情報】

公開:2007年8月24日(アメリカ)|2008年10月11日(日本)/上映時間:106分/ジャンル:コメディ/サブジャンル:ハートフルコメディ/映倫区分:全年齢/製作国:アメリカ/言語:英語


【スタッフ】

(監督・脚本)シャリ・スプリンガー・バーマン&ロバート・プルチーニ


【キャスト】

スカーレット・ヨハンソン/ローラ・リニー/ポール・ジアマッティ/ニコラス・アート/アリシア・キーズ/クリス・エヴァンス/ドナ・マーフィー


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※情報は【2020年07月13日】現在のものです。上記のボタンから本作品の再生ページに直接ジャンプ出来ます。各VODを選択してご利用ください。詳しくはこちらのページでご確認いただけます。

ポイントレビュー


■あんな美人に子守りなんてして貰ったら後々大変そう

試分 書人
試文 書人
コメディ担当
ポイント:192/333|評価:GOOD

天下のスカーレット・ヨハンソンに子守りをして貰って、一体全体なんの文句があるのか?

本作品を見た世の男性方は、さぞかしあのお子様にムカつきを覚えたことだろう。何を隠そう俺もその一人だ。しかしながら冷静に考えてみると、子守りをされていただけだとはいえ、幼少期にいきなり世界的な美女と濃密な触れ合いを持つことになってしまった彼の将来を思うと心配だ。

なぜなら、人生の初っ端からこの状況だと、パートナーのルックスへのハードルが異常に高くなる可能性があるからだ。また、逆パターンとしては、『こち亀』の中川のように、ハードルの下を這いつくばって、くぐり抜けるような顔の好みになってしまうこともありえるだろう。

そう考えると、物語が進むに連れ、私のお子様に対する感情も変化してくる。人生の最盛期をこんなにも早く迎えてしまうなんて、なんて可哀そうな子だろう……と。

そう、つまりは負け惜しみである。30を超えたオッサンは、あのガキに負けたのだ。ただ、観賞後は妙に晴れやかな気分になった。

なかなか大人じゃないかガキンチョ。ラストの締め方が湿っぽくなくて、思いがけず俺好みだった作品。セクシーなだけじゃないスカーレット・ヨハンソンもいいもんですな。


■美人女優は見た目ばかりの評価で少しかわいそう

橘 律
橘 律
ラブストーリー担当
ポイント:176/333|評価:GOOD

ラブ要素は味付け程度であっさりとしています。基本はナニー(子守り)として面倒を見ることになった子供グレイヤーとの絆と、彼の両親に対する不満の物語です。

しかし……メガネ姿も美しいなスカーレット・ヨハンソン!色っぽさを包み隠してるいる感じがたまりません。なーんて親父みたいなことを言っていますが、本作品に関して言えば、こういう役も出来たんだという驚きの方が強かったです。

日本でも、アメリカでも真の意味で美人過ぎる女優さんって、演技力の評価面ではちょっと不利なんですよね。つい見た目の方に目がいってしまうから。

その意味で言えば、この映画は彼女の女優としての真骨頂だと思います。『マッチ・ポイント』のあの妖艶さとのギャップが凄いです。


■子供が出て来るけど、子供が喜ぶタイプの話ではない

猿渡 りん子
猿渡 りん子
お母さん代表
ポイント:244/333|評価:GOOD

たまたまポッカリと空いてしまった時間に見るのにオススメです。私はこの映画を見るんだ!って意気込みで臨むより、1.5倍は楽しめます。

一人で見るのも悪くないですが、もしご家庭をお持ちなら、夫婦二人で見るのが一番いいかもですね。小さなお子さんは少し退屈してしまうかもしれません。

ナニーの奮闘記みたいな話ではありますが、エロい意味ではなく、本作品が観客に伝えたいであろうメッセージは大人向きで、子供が喜ぶタイプの話ではないと思います。

内容を深読みし過ぎただけかもしれませんが、この映画のメッセージ性は私には相当ガツンと来ました。夫婦ともども忙しくて、二人同時にポッカリ空いた時間なんてないよと言う方は、忙しい時間に取り合えずキレまくって、最後は怒りグーパンチでポカリと暇という名の穴を開けて下さい。

時間は作るものですよ。いや、これだと壊してるか。


メインレビュー

ネタバレありの感想と解説を読む

私の中での本作品の主役はミセスXに決まりました

猿渡 りん子
猿渡 りん子
メインレビュアー
お母さん代表/最高評価

我が家はナニーを雇うほどの余裕がないので、自分達で子育てをしていますが、もしもお金があったら、ひょっとしたら、ミセスXのように誰かにお願いしていたかもしれませんね。

本作品のような口が利ける年齢になってからの母親の葛藤ってあると思うんです。確かに投げ出したくなることはある。赤ん坊の頃は必死でやっているから気が付かないんですけど、それが落ち着くと、ハッとしてしまう瞬間があって、私も母親としてマズイ時期がありました。

私の人生は、子育てだけをしたくてここまで来たんだろうかと……。

出来る限り離れちゃいけない。専業ではなかったので、運よく入れた保育園には行かせてはいましたけど、それ以外の時間は子供と接し続けなきゃいけない。遊びにも連れて行かなくちゃいけない。健康的なご飯も作らなきゃいけない。

しなくてはいけない。しなくちゃいけない。

でも、この「〇〇しなくちゃいけない」っていう考え方そのものが間違っていると、子供自身が毎日の生活の中で少しずつ教えてくれるんですよね。

そのことは本作品のように、子供との関わりの中で、何か特別なことが起きたから、我に返ったというわけではないんですが、子供にご飯を食べさせたり、寝かしつけたりを繰り返しているうちに、「自分が子供が欲しくて、自分が望んで子供を産んで、自分が母親になりたいと思って、選んだ人生じゃん」って、「どんどん成長していくわが子を間近で見られるのって最高じゃん」って。

「〇〇しなくちゃいけない」じゃなくて、そもそも自分が「〇〇したかった」から始めたったことじゃんって。

そう思うようになってからというもの、徐々にではありますが、育児があんまり苦じゃなくなってきました。今では構い過ぎてウザがられるほどです。

と、自分の話を長々としてしまいましたが、本作品を見てそんな時期もあったなぁと妙にしみじみとしてしまいましたね。

ただ同時に、反省するまでのミセスXのような子供との向き合い方にならなくて、本当に良かったなとも思いました。

もちろん、ナニーやベビーシッターを雇って生活すること自体を否定するつもりは毛頭ありません。私も保育園に預けていたので、一緒です。人には様々な事情があるので、それが許す範囲内で子供との関わりを持てば良いと思います。

でも、ミセスXのように子供の親に対する気持ちから逃げるのはダメです。流石にあそこまでにはならないにしても、あと2、3歩のところで私もヤバかったので、あまり偉そうなことは言えないのですが、作中のミセスXの行動を見ていると、恋愛モノや家族愛モノで良く聞くこんな言葉を思い出すのです。

「私は母親である前に一人の女よ」って。

一見カッコ良さげですが、これって違うと思うんですよね。その言葉に続けて、「でも、私はその母親から生まれた」というのが正解です。

この無限のループが人間として、いいえ、生物としての宿命なんだと思います。

何だか綺麗ごとばかり並べているようで、途中から気持ち悪い感じになってしまいましたが、ただの恋アリ、家族愛アリのごちゃ混ぜのコメディだと思っていたら、想定外にも母としての自覚をもたらしてくれる映画だったもんですから。

なので、私にとっての本作品の主役はローラ・リニー演じるミセスXなんじゃないかと思っています。彼女にとってスカーレットヨハンソン演じるアニーは、自分が本来なりたかった徐々に成長し続ける理想の母親像。だからこそ、素っ気ない態度で接していたんでしょう。

最後に彼女がその過去に持っていた自分のあるべき理想像に気付けるのかどうか、そのあたりも注目して見て頂けると嬉しいです。

あぁ…でもアニーのあのスタイルマジで羨ましい。ホントに理想像。私がこんな体系になってしまったのは、絶対に料理の味見のせいだ!!(自分のせいです:夫談)

本作の名台詞

他のナニーに警告されていた 何があっても“ナニーの原則”を破るなと

出典:私がクマにキレた理由/VOD版

役名:アニー・ブラドック
演:スカーレット・ヨハンソン