スコア:700/999
出典:クロックワークス
『シークレット・ミッション』
【あらすじ】
主人公リュファン少佐は、北朝鮮の特殊工作部隊の中でもエリート中のエリートである5446部隊に属し、班長を務めていたが、ある時韓国の下町でマヌケな青年を演じて暮らせという不思議な任務を受けることになる。
【作品情報】
公開:2013年6月5日(韓国)|2014年10月11日(日本)/上映時間:124分/ジャンル:アクション/サブジャンル:スパイ映画/映倫区分:全年齢/製作国:韓国/言語:韓国語
【スタッフ】
(監督)チャン・チョルス/(脚本)ユン・ホンギ,キム・パンヒョン/(音楽)チャン・ヨンギュ/(原作) チェ・ジョンフン
【キャスト】
キム・スヒョン/パク・ヘスク/パク・ギウン/イ・ヒョヌ/コ・チャンソク/パク・ウンビン/チェ・ウシク
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※情報は【2022年11月4日】現在のものです。上記のボタンから本作品の再生ページに直接ジャンプ出来ます。各VODを選択してご利用ください。詳しくはこちらのページでご確認いただけます。
ポイントレビュー
■全ての要素が平均点以上はある優秀な映画
ポイント:242/333|評価:GOOD
ジャンルとしては、スパイアクションコメディドラマ(長い)とでも言いましょうか、韓国映画らしいところの良いとこ取りをして作られたような作品です。排除されいる韓国映画的な要素をあえて要素を挙げるとしたら、スプラッターな血みどろのシーンぐらいのものでしょうか。それゆえに飛びぬけたところはありませんが、全てが平均的以上はある作品になっていると思います。
■人間の雰囲気ってあんなに変えられるもんなの?
ポイント:257/333|評価:GOOD
序盤のとんでもな設定を多少こじ付け感はあったものの、それなりにまとめ上げているところは高く評価したい。ヘタをすると泣かされる。しかし人間、髪型と服装を変えるだけであそこまで雰囲気が変わるもんなんだな……俺も頑張って見ようかな……いや、もう諦めるって決めたじゃないか!期待しないって決めたじゃないか!そう、アレはキム・スヒョンの演技力なんだよ!演技力!!あぁ男前になりたい。
■無駄に長いアクションシーン以外には大きな欠点がない
ポイント:201/333|評価:GOOD
あそこまでのアクションシーンは不必要だったんじゃないでしょうか。ストーリーと設定がユニークだったせいもあって、アクションしている場面がやや退屈でした。人にオススメ出来る程度には良作でしたが、余計なものを取っ払ってくれれば準名作ぐらいまで行けそうだっただけに残念です。しかし、こうした映画を見ていると、つくづく日本に生まれて良かったと思いますね。絶対今頃生きていません。
メインレビュー
- ネタバレありの感想と解説を読む
スッと再生ボタンを押したからこそ存分に楽しめた作品
メインレビュアー
サスペンス担当/最高評価軽いノリで見始めたら痛い目を見た。VODの作品ページの簡単なあらすじを読んだ限りでは、こんな切ない気持ちになるハズじゃなかったんだけどね。良い意味で意外な展開と結末の映画だったなぁ。もっとコミカル重視のくだらねー系の流れになると思ってた。
これがもし、逆バージョン(あらすじの方が面白い)だったら最悪だけど、こういうサプライズは嬉しいもんだ。映画のレビューを書いてる自分が言うのもアレだけど、作品を見る前は出来る限り前情報を少なくしておくってのって大事だね。
見る作品を前情報ゼロで選ぶのってのはほぼ不可能だけど、見る前に必要以上に調べるのは作品をエンジョイする上では絶対マイナス要素にしかならない。
最初は軽く調べようと思っていても、今のネット上は沢山情報が溢れているからね。どんどんどんどん調べたくなっちゃって、結果「事故る」こともあるから、本当に注意してほしい。
だいぶ昔に『ゴシップガール』という知る人ぞ知る海外ドラマにハマっていたんだけど、そのシーズン3を見終えたあたりでつい調べちゃったことがあったんだよね……
そう、そしたら出て来ちゃったよ。某百科事典に大事な大事なゴシップガールの正体が(現在は記述が削除されている模様)。しかも一行目ぐらいに。
見たことがある人なら、間違いなくこの喪失感を分かってくれるだろう。マジであの日は堕ちましたわ。
って、全然関係ない話になっちゃったけど、本作品に関してはもうスッと簡単なあらすじ読んで、スッと再生ボタンを押すことをオススメする。このメインレビューを読んでいるユーザー様はすでに見終えている人がほとんどだろうけどね。念のため。
つーわけで、ここからそこそこのネタバレを交えさせて貰うけど、本作って一見ふざけているようで、政治問題にちょこちょこ食い込んでるんだよね。
主人公であるリュファン少佐が韓国の下町の住人との交流を通して、何のために自分が戦っているのかを悩んだり、同僚のスパイに北朝鮮の禁止歌(実際にそうなのかは不明)である『イムジン河』を歌ってくれるように頼んだり、ぽつぽつとしたエピソードひとつひとつに妙な悲哀が詰まってる。
しかも、主人公の描き方がコミカルなように見せつつも、リスペクトを忘れずに描かれている。北朝鮮のエリートスパイはそう簡単に祖国を裏切らねぇよっていう。
これは韓国映画で本作の主人公は現実世界では敵国のスパイに当たるわけなんだから、この設定ならもっとめちゃくちゃな扱いにすることだって出来たのにそれをしない。
そこら辺にも、何か韓国と北朝鮮の根深い同胞意識というか、同族の敵(現在は停戦中だけど)に対する得も言われぬ想いみたいなのを強く感じたかなぁ。この部分はイ・ビョンホンが出ていた韓国戦争映画の名作『JSA』にも通じる部分があったので、一貫しているなと関心させられた。
ただ、作品としてはコメディ要素を取り込んでいる分、『JSA』より中だるみがある映画ではあったかもしれない。そこがちょっと惜しかった。
結末が良かっただけに、その直前のダラダラ感がもったいなさが目立っちゃうのは物語を作る上で難しいところなんだろうけど、終盤にあからさまに話のジャンルが変わってしまうところだけは頂けなかった。もう少し徐々にやってくれれば、さらに高い評価をつけられたと思う。
う~ん、でもアレが限界か。あれでも自然な方かも。逆に途中からジャッキーチェンの映画みたいになっても困るしね。
まぁ、いずれにしても、意外性と感動を与えてくれた映画だったことは間違いないかな。ラストの下宿先のおばちゃんのシーンは危うくホロリと来そうになったもんね。
……いやぁ、でも、あのノリから始まる映画で出来れば人は殺さないで欲しかったなぁ。満足感はある映画だったけどちょっと複雑。
本作の名台詞
我々が再会する時はどちらかだ 祖国統一を成し遂げた時 もしくは 敵となって互いを殺す時だ
出典:シークレット・ミッション/VOD版
役名:キム・テウォン
演:ソン・ヒョンジュ