洋画『クーデター』/家族で海外赴任先に向かったらクーデターが起きてた件

スコア:526/999

クーデタ―出典:クロックワークス
『クーデター』


【あらすじ】

ジャックは赴任先のとある国へ家族と共に向う。だが、この国では彼らが到着する数時間前にクーデタ―が発生しており、一部の人間が暴徒化していた。暴徒達は外国人である彼ら狙い、滞在中のホテルに侵入を開始する。


【作品情報】

公開:2015年8月26日(アメリカ)|2015年9月5日(日本)/上映時間:103分/ジャンル:パニック/サブジャンル:パニックアクション/映倫区分:PG12/製作国:アメリカ/言語:英語


【スタッフ】

(監督) ジョン・エリック・ドゥードル/(脚本) ジョン・エリック・ドゥードル,ドリュー・ドゥードル/(音楽)マルコ・ベルトラミ,バック・サンダース


【キャスト】

オーウェン・ウィルソン/レイク・ベル/スターリング・ジェリンズ/クレア・ギア/ピアース・ブロスナン/サハジャック・ブーンタナキット


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ポイントレビュー


■余分な設定のせいで不安感が足りない

試分 書人
試文 書人
パニック担当
ポイント:180/333|評価:GOOD

クーデタ―に乗じた暴徒達が相当ヌルい。誰でもいいからボコボコにしてやりたいっていう暴徒ではなくて、外国人がターゲットという一つの括りの元に団結している暴徒なんだから、もっとヒリ付く様な恐怖感が欲しかった。

前者の暴徒は暴徒で別の恐ろしさがあるけど、狙いを定めてくる後者の場合は、暴力プラスアルファ「探しに来る」ってのがあるからね。

そこを上手く使い切れてなかったのが残念。

また、ジャック達に助け舟を出してくれる人の存在が、観客に余計な安心感を観客に与えてしまっていることで、大して不安を抱けないまま淡々と一家の命運を眺めるだけの映画になっちゃってる。

私のようにパニック映画によほど思い入れがない限りは、私が付けたポイントよりはもっと評価されていい作品ではあるのだけど、それだけに、もう少々至れり尽くせりのご都合主義な展開は控えて欲しい映画ではあった。


■ただ逃げ切ろうとするだけの映画ではない

アクセル神田
アクセル神田
ドラマ担当
ポイント:176/333|評価:GOOD

悪くないです。クーデタ―と聞くと、トム・ハンクス主演の『ターミナル』あたりを思い出しますが、あんな呑気な話ではありません(あの方はあの方で大変だったと思いますが)。

作中では、海外赴任という道を選んだことで、家族まで危険に巻き込んでしまった父親の苦悩がヒシヒシと感じられます。襲い掛かってくる暴徒からただ逃げ切ろうとしているだけのストーリーになっていないところはかなり好印象です。

一家の大黒柱として、「この状況下で如何に家族を守りきるか?」に集中しているジャックも、ごく普通の父親ではあるものの、視聴者をイライラさせるタイプの主人公ではないので、特に貧乏ゆすりもせずに最後まで見ることが出来ました。


■もしかしたら、これは希少な作品かも

猿渡 りん子
猿渡 りん子
お母さん代表
ポイント:170/333|評価:GOOD

映画の世界でメインテーマに取りあげる上で、「もしクーデタ―が起こったらどうする?」って、テーマは物凄く扱いやすそうなんですが、案外フィクションだと貴重な存在なんですよね。

やっぱり、自国であれ、他国であれ、国を敵に回すような話(巻き込まれる住民視点での話)は作りにくいんでしょうか?

ニュース番組では、どこそこの国でクーデターが起きたって報道が毎年1回ぐらいのペースで流れていますが、アニメにしても連ドラにしても、ほとんど見かけない気がします。

そこを考慮すると、その希少性においてかなりオススメ出来る作品です。ただ映画としては、普通よりちょっぴり面白いぐらいお話かもしれません。

あぁ、でも、そういえば、アニメにはクーデタ―扱ったヤツがあったか……「コードギアスシリーズ」

でもアレは本作とは違い、クーデターを起こす側の話なのでね。この映画のように第三者目線の話ではないので、私が書いた「もしクーデタ―が起こったらどうする?」というテーマとは違います。

すみません。最近、良いアニメに巡り合えていなかったので、アニメ界の屈指の名作の名前をちょっと挙げてみたくなっただけです(笑)。


メインレビュー

ネタバレありの感想と解説を読む

パニック映画が背負う悲しき宿命……

試分 書人
試文 書人
メインレビュアー
パニック担当/最高評価

現実でも実際に起こり得るお話。日本でもバリバリの大手に勤めている商社マンなどは、政情不安を抱えて国に赴任するなんてザラにある話だからね。でも、数年に一度くらいしか誘拐されたとか、殺されてしまったという話を聞かないのはなぜだろう?

それだけ安全な地帯に駐在させて貰えるということなのかな?

会社の倫理感として当たり前ってちゃ当たり前だけど、確率論から考えても不思議。駐在の社員とその家族は多分、日本の場合は旅行者の方が知らず知らずの内に治安の悪い土地に入ってしまって……というパターンの方が多い気がする。

そうした意味では赴任慣れしてる日本のエリート商社マンは、普通の日本人みたいに平和ボケしていなくて、常に緊張感を持って行動してるってことなのかもしれないね。

ただ、本作品がこうした日本人の平和ボケを解消してくれるかって言ったら、そういう作りにはなっていない。

その理由は、結局ジャックとその家族達は自分達の力だけでクーデタ―の混乱を切り抜けられていないから。

脚本上、何かしらの味付けをしないといけないのはわかるんだけど、こういう現実的なパニックには余計な要素を入れたせいで、軽い味わいに仕上がっちゃうってことがままある。

題材として扱っているのが人為的に引き起こされる現象なのだから、もっと全てが都合よくはいかない状況を描かないと、観客側にとっては「ただの運の良い人々を描いた作品」という印象が残ってしまうわけだ。

超常現象や自然現象を扱った映画との一番の違いはそこ。敵がたまたま現れたのと、敵が現れるべくして現れたのとでは、『運』の力に頼って良い範囲が格段に違う。だって、後者のパニック要素の中心は必然的なものなんだから。

これはジャック一家に対して「誰にも頼るな」と言っているわけではなくて、頼った相手が実はとてつもなく有能な人だったってのは、やめて欲しかったと言っているだけ。そんな確率、現実的には皆無に等しいからね。

ジャックの場合は勤め先が、クーデタ―の原因に関わっていたので、致し方ない部分はあるにせよ。この設定は正直不必要だったんじゃないだろうか?

とはいえ、エンターテイメント性と現実感の両立って難儀な作業だからなぁ……

本作品のように人間自身が原因となっているパニック映画で、あんまりリアルにやり過ぎると、女子供が死にまくることになるし、下手したら残酷過ぎて公開禁止になっちゃう。

このバランスを上手く取ることが出来れば、『クーデタ―』という材料は、かなりの需要が見込めると思うんだけど、皮肉なことにこれを突き詰めていっちゃうと、「これはパニック映画です」とは誰からも言われなくなっちゃうんだよね。

中身は全然違うけど、同じような状況を扱っている映画に実話を元にした『ホテル・ルワンダ』って作品があるんだけど、パニック映画とは絶対言われないからね。ヒューマンドラマとか、ドキュメンタリードラマとか言われちゃう。

パニック映画が好きな私のような人間にとって、もっともパニックジャンルに重要なのは娯楽性だとわかってはいるんだけど、その需要に答えようとし過ぎると、本作品のようにB級映画扱いになってしまうってのは何とも寂しい話だと思う。

そして、B級映画として見るのであれば、本作品はかなり出来が良い方だというのもまた皮肉なもんでね。このジャンルのこういう状況って、「じゃあどうすりゃいいんだよ」って監督も言いたくなりますわな……

本作の名台詞

仕事を受けた時は こんなことになるはずじゃなかった

出典:クーデタ―/VOD版

役名:オーウェン・ウィルソン
演:ジャック・ドワイヤー