スコア:852/999
出典:ユニバーサル
『ジュラシック・パーク』
【あらすじ】
古生物学者のアランとその恋人で古植物学者のエリーは、大富豪のハモンドの誘いで、建設中のテーマパークの視察に向かう。そこには絶滅したはずの恐竜達が生活しており、まるで恐竜のサファリパークのようだったが……
【作品情報】
公開:1993年6月11日(アメリカ)|1993年7月17日/上映時間:127分/ジャンル:パニック/サブジャンル:モンスターパニック/映倫区分:R15+/製作国:アメリカ/言語:英語
【スタッフ】
(監督)スティーヴン・スピルバーグ/(脚本) マイケル・クライトン,デヴィッド・コープ/(音楽) ジョン・ウィリアムズ
【キャスト】
サム・ニール/ローラ・ダーン/リチャード・アッテンボロー/ジェフ・ゴールドブラム/アリアナ・リチャーズ/ジョゼフ・マゼロ/サミュエル・L・ジャクソン
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ポイントレビュー
■古い映像に古いCG技術が自然にマッチ
ポイント:300/333|評価:GOOD
本作品を改めて見て感じたのは、25年以上も前にこれだけのものが出来ていたのに、案外、映画界のCGはそこまで大幅に発達したわけではないんだなってこと。
確かに今のCGの方がよっぽどリアルではあるんだけど、有機物にしても無機物にしても、質感がおかしい。特に生物のCGはひどくて、この映画のような温もりがない。
思い出補正と、古い映画で映像そのものが荒いからってのもあるんだけど、「いや、ひょっとしたら、これが一番リアルに恐竜を映せてるんじゃねぇか?」とまで思った。
あと、邦画のCG系の作品に関しては、CG技術的にもいまだ本作に勝てていないものがチラホラ。Windows95が出る前の作品に負けてどうする。もっと頑張れよ日本。俺も頑張ってそれを見るから。
■母親の「テレビに来るまで待ちな」は信じてはいけない
ポイント:275/333|評価:GOOD
アマゾンプライムでレーティングを確認したところ、R15+(15歳以上が見てね!)だったんですが、本当ですか?
私が小学生の頃に公開だったので、友達連中は親と一緒にバンバン映画館に見に行っていて、自慢話を聞かされた思い出が残っているんですが……今回再視聴して、懐かしさのあまり思わず泣いてしまったぐらいですから、記憶違いではないと思います。
ま、それはとにかくとして、私のように30歳をすでに超えている人間にとっては、これは最早感動作扱いですね。
ただ、初見は是が非でも映画館で見たかった……当時の大抵の母親が言う「いずれテレビにくるから待ってな」は本当に魔の言葉です。
今、映画館でこれを見ても全く迫力を感じない自信があります……
でももし、あの当時に見ていたら……きっとドキドキが止まらなかったでしょう。
「後悔先に立たず」とは良くいったものです。そして、この映画もまた、私のようにこの諺をメインテーマの一つとして掲げています。
ということで、30歳以上の皆さん、本作を見て後悔の念に浸りましょう。ついでにお母さんに怒りの電話を入れましょう。
「元気にしてるか?」ってね。
■お父さん……例の件どうなりましたか?
ポイント:277/333|評価:GOOD
目玉が飛び出るほどのお金持ちのおじいちゃんだろうが、なんだろうが、恐竜がいるパークに大切な自分の子供を送り込むなんてことは私には考えられません。
おじいちゃんであるハモンドが、大事な孫達をまだ未完成のパークに呼びつけるのも、行動としてはどうかしてる。
でも、おじいちゃんって良いとこ見せたがるもんなんですよね。拒否ると、この世の終わりみたいな背中見せてくるし……「こんな凄いものをおじいちゃんは作ったんだぞ!」って自慢したくなっちゃう気持ちは今ならわかるかな。
それにしても、小さな頃に父に連れられて映画館で見た時は感動だったなぁ。これぞ映画館で見るべき作品って感じでもう興奮が止まらなかった。
そんな私を見かねた父が帰り際に「いつか大きいスクリーンプロジェクター買って、こういう映画を家でも見られるしような」と言ってくれたのを今でも覚えてる。
そして、いまだに待たされています。
メインレビュー
- ネタバレありの感想と解説を読む
幼き頃の夏の思い出と共にある名作
メインレビュアー
パニック担当/最高評価それまで一部の恐竜好きにしか人気のなかったヴェロキラプトル、通称ラプトルの存在を世に知らしめた作品である。
無論、当時の一番人気はティラノサウルス・レックスであり、作中での扱いも主役級であったが、本作をきっかけに脇役であるラプトルに完全に人気を喰われてしまった。話の展開の中で実際に喰われるのはラプトルの方だが……
さて、話は少し変わってここで私の思い出話をしたいと思う。
本作公開時、子供達の間では空前の恐竜ブームが到来していた。当時小学生だった俺もその例に漏れず、恐竜図鑑をただ一人図書館で眺めては、悦に浸っていたクチである。
日本映画界もそんなブームに付け込み、安達祐実主演の『REX恐竜物語』を夏休み前に投入。
日本アニメ業界もこれに負けじと、『それいけ!アンパンマン 恐竜ノッシーの大冒険』と『かいけつゾロリ まほう使いのでし・大かいぞくの宝さがし』(※)の同時上映作品が、この『ジュラシック・パーク』とほぼ同時期に封切られた。
この夏休みには恐竜モノあらゆる方面かから出そろい、群雄割拠した格好だ。
そうした状況の中、無事夏休みに突入した俺だったわけだが、それはそれは大いに迷った。今回の夏休みは旅行に連れていく暇がないので、母親が映画館にでも連れてってやると言うのである。
旅行に行けなくてかわいそうだから、夏休み中、1、2回はどこかにね、と……
いやいや可哀そうなもんかい。なんて優しいカアチャンなんだ!いいよ、いいよ、その気持ちが嬉しいよと、俺は涙をこらえ切れず、思わず天を仰いだ。
まぁ天を仰いだは流石に嘘だが、兎にも角にも感謝はしたわけだ。しかしながら、ここで大きな問題に気が付く。最大値である2回では3作全てを見ることはできない。どうしてもひとつ削らなければならなかった。
さらに悩みに悩んだ数日後、新聞を読んでいる父からの悪魔のささやきが追い打ちをかける。父は「お前が見たがってた東映アニメフェア、近くでやってるみたいだぞ」とのたまった。
この東映アニメフェアとは、当時の小学生男子にとっては絶対に切れないジャンプマンガ原作の映画化コンテンツで、この回は『ドラゴンボールZ 銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴』『Dr.スランプ アラレちゃん んちゃ!ペンギン村より愛をこめて』『幽☆遊☆白書』の三本立て……
アラレちゃんはともかくとして、『ドラゴンボール』と『幽白』だけは絶対に抑えておかなければならなかった。でないと、ただでさえ少ない友達と楽しく話せる話題がなくなってしまう。
そんなわけで、俺がまず削る決断を下したのは『アンパンマン+ゾロリ』の映画である。最寄りの映画館でやっていなかったからという消極的な理由だが、取り敢えず泣く泣く切ることにした。「さぁ、とくとく首を取れ」アンパンマンがそう言ってるように聞こえた。
そうして、切るべき作品を残り2つも残したまま、取り敢えず一度目のお出かけは『東映アニメフェア』を見ることなった。
「これを見終えたら、銀河ギリギリにあと2作をぶっちぎってやる!」席でポップコーンを方張りながら、俺はそう意気込む。残ったのは『ジュラシック・パーク』と『REX恐竜物語』。
オッサンになった今となっては、どちらを見るのが正解かは、火を見るよりも明らかだったが、そこはまだ小学生だ。俺の決断は数週間後の映画館のチケット売り場の前に辿りつくまで確定していなかった。
だが、ここで私はついに男を見せた。安達祐実がなんじゃいと、俺は恐竜が見たいんじゃいと。そこでタイミング良くカアチャンから質問がくる。
「何見るの?」と。
俺はすぐさま答えた「ジュラシック・パークが見たい」
だがしかし、そのやり取りの数十分後、おれが座っていたのは何故か『REX恐竜物語』の席であった。なぜそうなったのか?
それはカアチャンのこんな一言のせいだ。
「あんたまだ、小さいから字幕読めないでしょ。恐竜が見たいだけならREXにしときな」
……結局こんな人生だ。
勇気を持って下した全ての決断は水泡に帰した。映画が終わると、スクリーンは暗転し、エンドロールは、俺を慰めるかのように安達祐実の名を示しながら流れていく。俺の夏は終わった。そう漢字が出来なくて終わってしまったのだ。
ただ、こんな思い出があるからこその高評価とは思われたくない作品ではある。サメ映画なら『ジョーズ』が不動の王者であるように、恐竜映画なら、間違いなくこの『ジュラシック・パーク』が王者だ。
勝手な思い出話ばかりで全然レビューになってないが、もう誰もが見たことがあり、誰もが内容を知っているような作品である。これ以上語ることもあるまい。誰誰役の役者さんが良かったとかそういう話でもないし、特筆すべきはパニック映画のくせに、おもしろ黒人枠がなかったことぐらいだ。
この辺りには時代を感じる作品だが、取りあえず子供も若者も中年も老人も見て損はない。すっかり古びたCG使ってるくせに今の時代でもまだギリギリ通用する凄い映画である。
10代20代はともかく、30代以上の世代で本作品を見たことがない人なんて皆無に等しいはずだ。VODで再見するのも思い出の作品だからという理由がほとんどだろう。つまるところ、本作は思い出と常に共にあるのある。
メインレビューとしては中途半端かもしれないが、俺はその人それぞれの思い出を是非大切にして欲しいと考えている。だからこそ、あえて作品について多くは語らなかった。
『ジュラシック・パークと私』というタイトルでなら、私は十分過ぎるほどレビューをした。「映画のあるところに思い出あり」これだけでもわかってくれたら、それで満足だ。
さぁ、30歳代の皆、もう一回見ようぜ!俺たちの戦いはこれからだ!!
本作の名台詞
自然の力を甘く見て思いあがると―こわいぞ
出典:ジュラシック・パーク/VOD版
役名:イアン・マルコム
演:ジェフ・ゴールドブラム