スコア:745/999
出典:フジテレビジョン
『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』
【あらすじ】
なずなは典道と祐介が水泳勝負をする姿を見て、「勝った方と花火大会に行こう」と心に決める。ところが、祐介はなずなからとの約束を破ってしまった。もしもあの時勝負に勝っていたら…典道のもしもの物語が始まる。
【作品情報】
公開:1993年(フジテレビ)1995年8月12日(日本映画)/上映時間:49分/ジャンル:ドラマ/サブジャンル:青春映画/映倫区分:全年齢/製作国:日本/言語:日本語
【スタッフ】
(監督・脚本)岩井俊二/(音楽)REMEDIOS
【キャスト】
山崎裕太/奥菜恵/反田孝幸/麻木久仁子
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見放題配信
※情報は【2022年10月30日】現在のものです。上記のボタンをクリックすると各VODの作品ページにジャンプすることが出来ます。詳しくはこちらのページをご確認ください。
ポイントレビュー
■中途半端に純だった小学生(高学年)に戻りたい
ポイント:263/333|評価:GOOD
当時出演していた役者(子役)さんより数歳年下なので、初めて見たのは小学校の低学年ぐらいだったと記憶しています。そんなチンチクリンな頃に見た記憶が残っているんですから、大人になって見て感動出来ないわけがありません。
いや、誰が何と言おうといいんです。良すぎです。純粋に恋が出来たあの頃、駆け引きも打算も何一つない純恋に次ぐ純恋。
戻りたい。ただただ、作中の彼らのような頃に戻りたい。そんな気持ちにさせてくれる作品ですね。今の人生に満足していないわけではないけれど、戻れるものなら戻って、ああいう恋をもう一度してみたいです。
小学校時代に好きな女子と夜にプールに忍び込むなんて、超ロマンスじゃないですか。恋する価値があるじゃないですか。
■懐かしくて切ない小学生の恋物語
ポイント:242/333|評価:GOOD
この世に生を受けてから本物の打ち上げ花火以上に何度も何度も見た。私の中では日本版『スタンド・バイ・ミー』と言っても過言ではない作品。
大人っぽいな奥菜恵。可愛いし、妙な色気があるな奥菜恵。まさかこの数年後、押尾先生とかIT社長と結婚とかとてんやわんやのゴシップを振りまくとは思えなかったよ奥菜恵。
今、なにしてるんだよ奥菜恵。
花火大会ではないけれど、当時好きだった女の子に夏祭りで声をかけられた時、何にもウマい言葉を返せなかったなぁ。懐かしい。マジ懐かしくて切ない。
シャンプーするのにシャンプーハットとか付けてた歳の話だけど、あの娘が持ってたヨーヨーの色今でも覚えてる。
そんなことを痛いぐらいに思い出させてくれる少年時代のドラマ。夏にみたら、下手するとオッサンは発狂するかも。
■傑作であることに間違いなし!
ポイント:240/333|評価:GOOD
そうですね。もう何をどう見たって実写版のがいいですね。
浴衣からの着替えシーンひとつとっても、水中のシーンひとつとっても、20年以上先のリメイク作品に勝っています。
皆が評価しているから、評価しているわけではないんです。まことしやかに申し上げて、幻想的で現実的で……表現としては矛盾しているのかもしれないけれど、納得いかない部分が一つもないんです。
典道にしても祐介にしても小学生だからこその振る舞いだって理解できるんですよね。
初見の思い出補正がないと言ったら嘘になっちゃいますけど、嘘でもいいから、この映画(テレビドラマ)は、傑作だってことを皆さんに知って頂きたいって思います。
メインレビュー
- ネタバレありの感想と解説を読む
忘れたくても忘れられない作品
メインレビュアー
ドラマ担当/最高評価30代ももう後半を迎えようと言うオッサンが夏に見たくなる映画といえば、もうこれしかないと思います。
この年代の母親世代は『ALWAYS 三丁目の夕日』なんかを見て、懐かしいなんて言うのかもしれないけど、我々30代半ばの年代の人に聞けば、この作品をあげる人も多いのではないでしょうか。
再見した率直な感想を言えば、「俺、マジで歳をとったなぁ……」と思いましたね。
主演の山崎裕太は、当時『あっぱれさんま大先生』で有名な子役で、私より歳上。現在はもう38歳になっていますし(2019年7月15日現在)、ヒロイン役の奥菜恵は最盛期には私の生真面目な友人がカレンダーを買ったほどのアイドルでしたが、今は39歳になっています。
この時の流れを含めて、邦画の名作という評価をしたいと私は思っています。もうあの頃には戻れないし、やり直しようもないのだけど、「もしもあの時、もしもあの日に」という思いだけはこの映画を見てしまうとやり切れないものがありますね。
若すぎるほど若かったので、薄っすらとした記憶ですが、初見はテレビの『If もしも』という、タモリが司会を務めるオムニバスドラマだったように思います。やはり何度見てもいいものはいいです。
家出をして、重い荷物を運ぶなずなや、好きな子を前にしているのに素直に男になれない典道。小学生特有の感情と、行動が当時のリアリティたっぷりに描かれています。
この映画は最後がどうなるかっていう話じゃないと思うんです。
この映画が思い出に残るか残らないかっていう話なんだと私は思っています。
少なくとも私は覚えています。忘れたくても忘れられない作品です。夏になると必ず思い出してしまうくらいに。
ユーザー様からすれば、「その割には点数やや低めじゃない?」みたいな意見もおありかと思いますが、私はすでに大人になってしまったのでね。私個人の思い入れは一切無視して、客観的に評価をさせて頂きました。
それでも最高点だったことは喜ばしいことなんですけど、レビューを書く目的だけで再見するには辛い作品だなぁと心から思います。
ヒロインのなずながプールで言う「今度会えるの二学期だね……楽しみだね…」のセリフが頭から離れません。引っ越しも決まっていて二学期に会えるはずもないのに……
あー辛い。現実が辛い。別に不幸せなワケではないんですけど、不純な大人は辛いです。
本作の名台詞
今度会えるの二学期だね……楽しみだね
出典:打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?/VOD版
役名:及川なずな
演:奥菜恵