スコア:692/999
出典:東宝
『サバイバルファミリー』
【あらすじ】
ある日突然、一切の電気が使えなくなってしまった。単なる停電ではないバッテリーさえも使い物にならない世界。そんなサバイバルな状況の中、ごく普通の家族である鈴木一家はどのように生きてゆくのだろうか?
【作品情報】
公開:2017年2月11日(日本)/上映時間:117分/ジャンル:コメディ/サブジャンル:ファミリー映画/映倫区分:全年齢/製作国:日本/言語:日本語
【スタッフ】
(監督・脚本)矢口史靖/(主題歌) SHANTI『Hard Times Come Again No More』
【キャスト】
小日向文世/深津絵里/泉澤祐希/葵わかな/時任三郎/藤原紀香/柄本明/大地康雄
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ポイントレビュー
■純粋に良く出来た家族ドラマ
コメディ担当代理:アクセル神田
ポイント:225/333
コメディなんですかねこれ?
確かに笑えるシーンは多いんですけど、個人的にはジャンルとしてはドラマの方があっているような気がします。
それぐらい家族の成長をうまく描けている作品です。
それにしても、現代社会であれば、スマホやパソコンが使えないってだけで偉いことになりそうですね。そういう映画も作れるんじゃないかなぁ。
あーでも、それだと単なる昔の話になっちゃいますか……
電気がない生活って、正直想像がつかないんですよね。この映画を見ても、そこだけは何故か実感がわかなかった。
要は江戸時代ぐらいの生活ってことなんでしょうけど、便利に慣れ過ぎてしまうと、生物としては本当は退化してしまっているのかも……
この映画を見て、サバイバル術をほんのり勉強しておきたくなりました。キャンプとか山登りとか流行ってますしね。
まぁ多分その時は、タブレットに映画をダウンロードしてから出かけるんでしょうけど。
※試文書人が多忙のため、代理としてジャンル担当致しました。
■もう笑うしかなくなった家族の成長
ポイント:255/333|評価:GOOD
全く電気が使えない世界になると困るよね?というだけの話で終わっていないのが、このお話の良いところ。
バッテリーや電池も使えないなんて、たぶんありえないことなんだけど、その設定がないと、ぼちぼちの大変な世界になってしまって、きっと中途半端な作品になってしまったんじゃないかな。
観客側に「もう笑うしかない」って状況を見させるのには、とても高い水準で成功している作品だと思う。
小説でも漫画でも映画でも、頼りないお父さんが家族のために頑張るって話は、映画の世界ではもう何度もしてきた話のはずなんだけど、この映画にはむしろそういう物語を過去に見てきたからこその安心感みたいなのがあって、マンネリ感はまるでなかった。
ただ、唯一納得できなかったのが、水戸黄門的な入浴シーン担当がこの映画では小日向さんだったこと。
このシーンの需要がどこにあるのか是非知りたい。
……いや、冷静によく考えてみると、確かに必要か。
小日向さんのサービスカット。
■お父さんと一緒に観賞される場合はご注意下さい
ポイント:212/333|評価:GOOD
ウチの旦那も小日向さんほど可愛らしくないけど、いざという時頼りにならなそうって雰囲気が似てるんで、この家族の一員になった気分で鑑賞しちゃいました。
本当に炊飯器とか冷蔵庫とかエアコンとか使えないのキツそうだなぁ。
でも、ちょっと勉強になるシーンもあるんですよね。
現実の日本でも、震災の時にスーパーからごっそり食糧やら飲み物やらが買いだめでなくなってしまったなんてことがありましたが、売れ残っている思わぬものに、利用価値があるって場面があって、あぁこれは覚えておこうと思いましたね。
とはいえ、家族揃って一緒に見るとなると、お父さんが少し可哀そうな作品かも。
ウチの場合は、別々に見るのが最善な気がする。
旦那、ちょっと薄くなってきたし(笑)
メインレビュー
- ネタバレありの感想と解説を読む
説教臭さが全くない良作
メインレビュアー
オールジャンル担当/最高評価映画冒頭の全ての電気が止まってしまったことを描写するシーンの数々で、非常に時代を感じたのは、やっぱりスマホが使えなくなるところ。
特に4人家族の内の若い子供二人は、スマホが使えなくなったことが一番困っていた様子でした。
バッテリーも使えないということを表現するのにも適切だし、現代を的確に表現するのにもこのスマホというアイテムを利用したのは大成功だったんじゃないだろうか。
でも、若い二人の子供がそのスマホを気にしまくってるのは最初の方だけなんですよね。
後半に近づくに連れて、彼らにとってはどうでも良いアイテムになっていくところも、うまい表現だなぁと。
結局人間も動物なので、飲む、食う、寝るが最優先。この物語ではお父さんの成長にも随分な時間を割いているんだけど、子供たちの成長の方がなんだか胸にくるものがありましたね。
最後に電気が戻った後に嬉しそうにお弁当を持って学校へ出かけていくシーンも、電気が使えることのすばらしさを実感しつつも、スマホや電化製品は、生きていくためには便利だけど、生きるために決して必要不可欠なものじゃないよと言っているような感じで、来ましたね、変な涙スイッチ入りました。
電子メールではなくて、手紙がくるラストとかね。
あと、「昔は電気なんかなかったんだよ」という説教臭さがほとんどないのもこの映画の良いところです。
そんなこと皆わかってますから。そんなの江戸時代の人が火を使ってお湯を沸かしている時に「アウストラロピテクスの時代は火なんて使えなかったんだよ」と言っているのと一緒です。
作中ではお父さん役の小日向さんが気持ち良さそうにお風呂に入るシーンがあって、こんな状況になると、お風呂でさえも、文明の利器感が出るんだなぁと関心させてはくれても、「だからありがたく思えよ」という押し付けがましさはない映画なんですよね。
あとは、もうご覧になった方なら、説明不要だとは思いますが、東日本大震災の時を思わせるような、数々シーン。駅前で集まる大勢のサラリーマン達。物資が何もないスーパー。
こうしたシーンは少しだけ見るのが辛かったな。
ただ、全体的には笑いあり、軽めの涙ありでエンターテイメントしまくっている映画と太鼓判を押させて頂ける映画だと思います。
ヤクザじゃない小日向さんが見られるしね。
それにしても、深津絵里があんなに大きな子供がいる母親役をやるなんてね……
自分も歳を取るわけだ。
本作の名台詞
俺について来れば何とかなるって言ったでしょ?言ったよね?嘘つき!!
出典:サバイバルファミリー/VOD版
役名:鈴木結衣
演:葵わかな