スコア:145/999
出典:GAGA
『渇き。』
【あらすじ】
妻の不倫相手に対する暴行で全て失った元刑事の藤島は、元妻から娘が失踪したと告げられ、捜索を開始する。だが、調べを進めるうちに、自らが想像していたものと大きくかけ離れた真の娘の姿が浮かび上がってくる。
【作品情報】
公開:2014年6月27日(日本)/上映時間:118分/ジャンル:サスペンス/サブジャンル:サイコサスペンス/映倫区分:R15+/製作国:日本/言語:日本語
【スタッフ】
(監督)中島哲也/(脚本)中島哲也,門間宣裕,唯野未歩子/(原作) 深町秋生『果てしなき渇き』
【キャスト】
役所広司/小松菜奈/清水尋也/二階堂ふみ/橋本愛/オダギリジョー/中谷美紀/妻夫木聡/國村隼
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ポイントレビュー
■アホかと思うようなストーリー展開
ポイント:45/333|評価:BAD
ガキの頃に祖母と見ていた『三匹が斬る』の爽やかな汚さがある役所広司から、その爽やかさだけを完全にくり抜いた役所広司が見ることが出来る。やはり演技がうまいのだろう。作中では気持ちいいぐらいのクズヤローっぷりを炸裂させていた。
しかしながら、本作で褒められる点はそれだけだ。
前半にミステリアスな期待感を煽りたいだけ煽っておきながら、後半でそのほぼ全てを回収しきれずにヤケクソになってしまった感満載のバカみたいなストーリー展開。そして、何の前触れもなく差し込まれるアホみたいなバトルシーン……
とりわけ後者については、突然別の映画が始まったのかと戸惑うレベルである。
本作にはサスペンスを名乗る資格を与えたくはないが、監督の他の映画の出来の良さからすると、この仕上がりの悪さはマジもんのサスペンスなので、一応、サスペンスジャンルとして仕訳しておいた次第であるが……しかし、どうしてこうなった。
■解説ブログの方が断然出来がいい
ポイント:61/333|評価:BAD
おそらく、じっくりと集中して見ないとほとんどの方が意味不明という感想で終わる作品です。さらに言えば、集中して見てかつ、何度か見てネットにあがっている感想ブログの解説を読んで、やっと半分ぐらい理解できるぐらいでしょうか。
この映画を何度も見るのは私は嫌なので、親切な方がネットにあげて下さっている同作品の解説を読みましたが、結局は「へ~なるほどね」の言葉を何とかひねり出せた程度の中身の薄さの作品だってことがわかった程度で、評価は変わりませんでした。
作品解説の方がよっぽど面白かったほどです。
予告編は最高だったんですけどね。がっかりする勇気のない方は予告を見て、作品の中身は謎のままにしておいた方が良いかもしれません。
■中島哲也監督らしからぬ駄作
ポイント:39/333|評価:BAD
本作を観賞し終え、タブレットの電源を切った後、やけに喉が渇いたのでビールを流し込みました。350ミリリットル缶を2本、ほぼ一気に。もう、やってられなかった。
別にタイトルとかけたくて嘘をついているわけじゃありません。『告白』の監督の作品だと聞いていたから、止まらないワクワクを抑えながら、気合を入れて再生ボタンを押したのに、なんじゃこれはと。
心臓の鼓動は話が進むにつれて水を打ったように静かになっていくし、どこかで大波がくるだろうと、一時停止ボタンも押さずに見たのに……飲み物さえも取りに行かずにトイレも我慢したのに……
申し訳ないですが、駄作だと思います。少なくとも映画の世界では、娘の秘密なんて探るもんじゃないってことですね。驚愕の真相とは程遠い秘密でした。途中で大体わかるし。
強いて、作中で驚かされた部分を挙げるとすれば、『ソロモンの偽証』で不良役をやっていた俳優さんが、正反対のいじめられっ子役で出演していたことに驚いたぐらいかな。それ以外は何にも響かない作品です。
メインレビュー
- ネタバレありの感想と解説を読む
演技派俳優陣の演技力にさえ目がいかない
メインレビュアー
オールジャンル担当/最低評価本作品のアウトラインの下敷きは、プチエンジェル事件ではないかと、まことしやかに囁かれておりますが、実はそうじゃなかったことを祈るばかりです。
現代日本においてタブー扱いされている同事件ですから、本当にモチーフとしているんだとしたら、もっとミステリアスな刺激があるハズでしょう。この事件に関して言えば、もっとまともな作品で取り扱って欲しいものです。闇の深さが半端じゃないですから。
話は作品に戻りますが、いや、ガチでわけわかんねっすよ。これ。ミステリアスの意味が違う。謎の意味が全然違う。
見ている間ずっと浮かんでるんですよ。ハテナマークが。「?」ってね。そして、役所広司とオダギリジョーが相対する場面で「??」ってハテナが一つ増えて浮かぶ。そんでもって、最後のオチでは「???」ってハテナが3個ぐらいの状態になる。
終始ワケわかめなんです。お話として破綻してる。
もちろん、作中で起きていることは分かるんだけど、何でそれを起こさなきゃいけないのかがまるで分からない。意図が全然汲めないんです。
辛うじて汲めたとしても、まぁそれがこっちが凄く気を使って気が付いてあげなきゃいけないような代物である上に、割とどうでもいい意図であったりもするので、こんなんじゃ、「あぁ……」って、変な声と共にため息が漏れて当然です。
本作には小説版の原作があり、そちらは拝見していないので、ハッキリとしたことは言えないのですが、映画全体としてもう話の筋が最悪。出演している役者さん達は、被害者だって怒っていいと思います。
演技面にさえ目がいきませんからね。演技派と言われる皆さんがあんなにも集結しているのにも関わらずです。演技力だけじゃカバーしきれないボロボロの構成になってしまっている。
ポップでカラフルなテンションで、とりま謎っぽい映画を撮ってみました。そんな感じの作品です。
作中の一場面を適当に文章に起こすと、学校の不良達が突然いじめられっ子を助けて、自分たちの輪に引き入れる。そして、そのいじめられっ子は急に学内での地位があがり、突然モテだして、ラブレターを貰ったりする。だけど実はね……みたいな感じになるんだけど、このシーンだけ言っても凄く不自然で、変にポップなリズムで展開させるから、空っぽの伏線になっちゃってる。
あと、いじめられっ子の瀬岡も気付くだろうよ。あんだけいじめられてたんだから、急にこの状況になるのはおかしいってさ。ラブレターだっておかしいってよ。嘘告白とかあったろうよ。いじめの常套手段じゃん。
それと、ヤバいことになったその後にあんだけ行動力があるだったら、いじめも加奈子に助けて貰わずに、自分で何とか出来たろうよ。その有り余る行動力を別で活かせよ。何してんだよ。清水尋也のせっかくの準主役が、お前の中途半端な設定のせいで台無しだよ!
って、ヤケにキレまくっているように見えるかもしれないけど、この場面でもまだマシな方だからね、ガチでひどい作品です。暇つぶしに見る粋にすら達してない。
0ポイントつけてやろうかなと思ったけど、割と作中の音楽と出ている役者さん達は好きな感じだったので、その分は評価しておきました。
もう絶対見ないけどね。
本作の名台詞
家族を愛して何がおかしい!
出典:渇き。/VOD版
役名:藤島昭和
演:役所広司