スコア:543/999
出典:東宝
『寄生獣』
【あらすじ】
脳への寄生よって人体を乗っ取る事が出来る正体不明の生物が人々の体内に次々と侵入。泉新一の元にもこの生物が訪れたが、運よく右手に寄生するに留まった。彼はこの生物をミギーと名付け、共存していく事を決める。
【作品情報】
公開:2014年10月30日(日本 TIFF)2014年11月29日(日本)/上映時間:117分/ジャンル:SF/サブジャンル:エイリアン/映倫区分:PG12/製作国:日本/言語:日本語
【スタッフ】
(監督)山崎貴/(脚本) 古沢良太,山崎貴/(主題歌)BUMP OF CHICKEN『パレード』/(原作) 岩明均『寄生獣』
【キャスト】
染谷将太/阿部サダヲ(声)/橋本愛/深津絵里/大森南朋/余貴美子/北村一輝/國村隼/東出昌大/浅野忠信
スポンサーリンク
見放題配信
※情報は【2022年11月4日】現在のものです。上記のボタンから本作品の再生ページに直接ジャンプ出来ます。各VODを選択してご利用ください。詳しくはこちらのページでご確認いただけます。
ポイントレビュー
■おかしな改変が少なくて実写化映画としてはいいかも
ポイント:176/333|評価:GOOD
マンガからの実写化作品の例に漏れず、原作と比べるとやはり見劣りします。ですが、大筋では要点がしっかりと抑えられているため、原作のテーマを汚すような改変は、ほとんどありません。所々、細かく現代風にアレンジされているだけですね。
原作は1990年から1995年まで連載されていた古い作品なので、この辺のアレンジは仕方ないかなと。私が読んだ時ですら、時代背景が古いなと思ったぐらいですからね。
漫画の実写版というだけで、評価のハードルが低くなってしまう感があるのは否めませんが、私は割かし好意的に受け止められた作品でした。ちなみに本作には連続TVアニメ版もあります。こちらは相当な秀作です。
■原作漫画の偉大さが良く分かるリスペクト系実写版
ポイント:169/333|評価:GOOD
本作品は前後編形式となっており、別に完結編が用意されておりますので、当サイトのレビュアーの誰かさんのようにならないように、ご注意ください(笑)。これを見ただけでは結末を知ることは出来ません。
私はこの『寄生獣』に関しては 、アニメ版、原作版、実写版の順で見ました。おそらく珍しいパターンですね。そして、評価についてもこの見た順の通りです。最初に見たものの衝撃がやはり強いのは仕方がありません。
ただ、最下位評価の本作実写版についても、平均以上の評価を十分に下せる出来になっているので、見る順序が違えば、結果も違った可能性はあります。
そう考えると、原作漫画が如何に素晴らしい作品だったかが分かりますね。
つまりは、こういう構成が完璧な原作であれば、物語の核心となる部分にブレがない限り、他のメディアでも批判のない展開が十分に可能だということです。いやはやミギー様、恐れいりました。
■CG映像に多少の難はあるものの、ぼちぼちの良作
ポイント:198/333|評価:GOOD
原作漫画を読んでいないので、原作との比較は出来ないが、ストーリー展開に関しては概ね満足。しかしながら、邦画SFのお約束通りにCGがえらく酷い。
特に主人公の新一の右手に寄生したもう一人の主人公とも言うべきミギーが、全く周囲の人間や風景とマッチしていない。彼が姿映し出される時はその部分だけが完全に浮いていて、まるで映画の一部分だけが3Dアニメになったかのようだった。
最初にミギーが新一に自分の顔を見せた時なんて『トイ・ストーリー』でも始まるのかと思ったほど。ここはもう少し何とかならなかったのか?
だが、話としてはテンポも悪くないし、いわゆるエイリアン系の邦画設定としては意欲作だとは言える。原作漫画が一部で伝説的作品とまで言われた名作であるが故に、実写化には相当なプレッシャーがあったことだろう。
先ほど述べた通り、私は原作未見なので比較は出来ないが、そこに若干の考慮をいれれば、良作に分類できる作品ではあるだろう。タイトルの付け方を除いて……
メインレビュー
- ネタバレありの感想と解説を読む
お願いだからタイトルで事前に伝えておいてくれ……
メインレビュアー
パニック担当/最高評価本作品は、何気にレンタル開始直後に見た映画で、今回VODで見るのは再視聴という形になる。
原作漫画の存在と評判の良さは映画版公開の随分前から知っていて、いつか読もう読もうと思い、脳内の『いつかは読みたい漫画リスト』には入れて置いたのだが、そろそろ青年期を通り過ぎようという加齢からくる薄らボケの影響もあり、しばらくは放置プレイ状態になっていた。
と、ここまでは俺としては良くある話だ。だが、本作のリストアップから数年後に、たまたま入ったレンタルビデオ店の新作コーナーで、たまたま『寄生獣』のタイトルを見かけたことが全ての不幸の始まりだった。
私は自称テレビは見ない人間(実際は自宅にテレビがないだけ)なので、実写版に関しては、宣伝や出演者のバラエティ番組出演等の情報は何も持ち合わせずに、手に取ってしまったのである。
また、「このタイミングで見とかないと、原作読む機会もこれから無さそうだしなぁ」と、何故からしくない結論に辿り着いたことも災いした。2次元の実写化ほど地雷な作品はないと言って憚らなかった男だったハズなのにである。
ところが、本作品そのものはそれなりに面白い。明らかにCGであると分りまくるCG映像が気にはなるものの、それをストーリーが手厚くフォローしているので、「お、貴重な実写版の当たり作品か?」と胸を躍らせながら視聴を続ける俺。
伏線、急展開、パラサイト達の思想、主人公の性格の変化、少々駆け足気味ではあったが、お話はトントントンと進んでいく。いいじゃない。中だるみもそんなにないじゃない。再生時間はあっという間に中盤の終わりまで進んだ。
ただ、そうなると、一つの大きな懸念材料が浮かんでくる。
「これ、ちゃんと終われるのか?」と。
残り時間が少なくなっていくに連れ、加速していく焦りと苛立ち。もう残り再生時間なんて見てしまった時には大変だ。気付けばすでにシークバー下の表示は残時間20分を指していた。
「後20分でこの状況をどう畳むんだよ、エンドロールもあるのに」
そこからは残り再生時間を見るのをやめた。映画を見る時に一番やってはいけない行為でもあったし、これ以上、懸念材料に健全なる視聴を妨げられたくなかったからである。
しかし、俺の映画ファンとしての意地もむなしく、物語はあっけなく終わった。しかも「俺達の戦いはこれからだ!お話の続きは作れたらいつか作るよ!」的なラストで……
呆然とエンドロールを眺める俺。
「こんなことなら、素直にマンガ喫茶で原作を読めば良かった……」
だが、神様は見捨てなかった。パソコンのDVDプレイヤーで見ていたため、エンドロール中にマウスを動かすと、残時間が表示された。そこで俺は天啓を得るに至る。そう、邦画にしてはエンドロールの時間がやけに長かったのである。そして、期待を込めてエンドロールを眺め続けていると……
来た!来たよ、おっかさん!!
完結編の予告っぽい映像が……
なんだよ。ホント先に言ってくれよ。タイトルの横にスペース入れて前編とかつけてくれよ。『寄生獣』の表記だったら、この1本見ればそれで話が終わると思って当たり前じゃないか。そういうのって卑怯だよ。人間ってパラサイトより卑怯だよ。人間って恐ろしいよ。
こうして、その後見事にこの卑怯な手口に引っかかり、『寄生獣 完結編』のレンタル開始と共に駆け足で、借りて結末を見るという結果に至ったわけだが、もうこういうのはマジでこれっきりにして貰いたい。
この話の場合、続編とかそういうことじゃないんだからさ。原作なんてとうの昔にバッチシ完結してるんだからさ。結末を見て、スッキリして眠りたいってのがあるわけよ。映画も商売だから、あんまり最初から前後編だって言いたくないのはわかるけどね。
ただ、こういう時にVODで見るのは便利ですな。検索かけたら、だいたいちゃんと前後編に分かれてるってことが認識出来るし、関連作品で上がってくるしね。
あと、もう一つVODを持ち上げておくと、本作品は残念ながらとある理由で、今後地上波で放送されることがほぼないであろう、味噌がついてしまった映画になっている。
そのため、本作を見るためには選択肢はVODで見るかDVDを買うか借りるかしかない。DVDで見ても良いとは思うが、完結編のことを考えると、VODで見た方が断然お得だと個人的には思う。
地上波見られない理由は言わずもがななので、あまり深くは言わないけど、何もこんなにピンポイントに集めなくてもってぐらい、本作品の無印及び完結編にやらかした俳優が集まってる(特に完結編がシャレにならない)というのがその理由だ。
無論、彼らがやらかすよりもずっと前の公開映画なので、集めようと思って集めたわけではないだろうが、ダメ押しで最近もう一人(犯罪ではないけど)追加されたあたりはもう、それこそ何かにパラサイトされたとしか思えない不運である。
本作の名台詞
死んだ犬は犬じゃない 犬の形をした肉だ
出典:寄生獣/VOD版
役名:泉新一
演:染谷将太