スコア:296/999
出典:ライオンズゲート
『ハンガー・ゲーム』
【あらすじ】
首都キャピトルを頂点にして12の奴隷地区を支配する独裁国パネムは、反乱を抑える名目で毎年12の地区からそれぞれ若者の男女1名ずつ選出。最後の1人まで殺し合わせる『ハンガー・ゲーム』を義務付けていた。
【作品情報】
公開:2012年3月23日(アメリカ)|2012年9月28日(日本)/上映時間:142分/ジャンル:SF/サブジャンル:デスゲーム/映倫区分:PG12/製作国:アメリカ/言語:アメリカ
【スタッフ】
(監督)ゲイリー・ロス/(脚本)ビリー・レイ,ゲイリー・ロス,スーザン・コリンズ/(音楽) ジェームズ・ニュートン・ハワード,T=ボーン・バーネット/(主題歌) アーケイド・ファイア『Abraham’s Daughter』,テイラー・スウィフトFeat. ザ・シヴィル・ウォーズ『Safe&Sound』/(原作)スーザン・コリンズ
【キャスト】
ジェニファー・ローレンス/ジョシュ・ハッチャーソン/リアム・ヘムズワース/ウディ・ハレルソン/ウィロウ・シールズ/アマンドラ・ステンバーグ
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見放題配信
※情報は【2022年11月4日】現在のものです。上記のボタンをクリックすると各VODの作品ページにジャンプすることが出来ます。詳しくはこちらのページをご確認ください。
ポイントレビュー
■何でこんなゲームで反乱が起きなくなるの?
ポイント:107/333|評価:BAD
貴族階級の人達はこんなもん見て楽しいんですかね。『カイジ』の兵藤和尊みたいなもんかな。金と権力を持ち過ぎて、もうこんなことぐらいしか、楽しいと思えることなくなっちゃったっていう。
そして、そもそも論として疑問なのが、何で『ハンガー・ゲーム』をしたら、下層階級の反乱が収まるの?一応、作品冒頭で説明っぽいのはあったんですけど、何度繰り返し見ても発想が突飛過ぎて全然理解できませんでした。
独裁国の首都に住む貴族、いわば日本で言うところの上級国民(政治家とか官僚)みたいなもんなんだろうけど、増税時の確定申告のあらましやら確定申告の手引きやらの説明の方がまだ意味が通じました。
見てるうちに何となくわかってくるだろうと思ったけど、結局はそのままエンドロール。え?これシリーズ物で4作もあるんですか?
■せめて戦闘シーンでは映画として挽回して欲しかった
ポイント:120/333|評価:BAD
ゲームの出場者であるヒロインのカットニスとピータとの恋の行方がかなりどうでもいいのは私だけでしょうか?
カットニスには地元にゲイルという友達以上恋人未満の幼馴染がいて、「その人のためにも家族のためにも生き残って帰りたい」というのが当初の意気込みなのですが、話が進むに連れ、カットニスは「でも、ピータも無能過ぎて見捨てられない…スポンサーへの人気の問題もあるしね……」と思うようになっていきます。
つまり、三人は三角関係になるのです。
この設定がひどく邪魔でした。余計な恋愛はいりません。どのみちストーリーがあってないようなお話なんですから、せめて戦闘アクションに集中して欲しかった。特にピータは酷いです。カッコいいアクションシーンに一つも参加できなかったんじゃないでしょうか。
多分このままいけば、アクション映画史に名を残すヒロインに迷惑をかけがちなヒーローになれると思います。
■愚痴も出さずに本作を見終えるハングリー精神が欲しい
ポイント:69/333|評価:BAD
何処かで見たような話のような気がするが、きっと気のせいだろう。
さて、本作品の評価についてですが、恐れながら結論から申し上げますと、失うものは確実にあっても、得るものほとんどないタイプの完全娯楽作となっております。
見てもいいし見なくてもいい。こんなにも自由な作品はそうそう見つかるものではありません。では、私もこのレビュースペースで自由にさせて頂くとしましょう。以後、Q&A方式で書きます。
Q「最後まで見られるレベルには達していますか?」
A「はい、見られるレベルには達しています。なんかワチャワチャ殺し合ったり、飯食ったりしてる話だと思えば平気です。ただし見ている間は、まぶたの皮一枚で現実とつながっているような精神状態になるかもしれません。」
Q「途中ダレますか」
A「いいえ、ダレません。理由は何処からダレたかわからないぐらい最初からダレているからです。ハングリー精神って大事ですね」
Q「面白いですか?」
A「はい、特に12歳前後の男の子は面白いと思ってくれると思います。本作のレーティングをPG12に指定した映倫は流石です(注)。大人は男性であれば田舎町の美女的な魅力のあるカットニスをうっとりと眺め見ることで、女性であればマヌケなピータを罵ることで、何とか楽しめると思います。
……以上、レビュー終わります。
注:実際のレーティングはそういう意味じゃありません。
メインレビュー
- ネタバレありの感想と解説を読む
この『バトル・ロワイアル』臭はどうなんだ?
メインレビュアー
オールジャンル担当/最低評価拭い切れない『バトル・ロワイアル』っぽさに思わず吹き出してしまいそうになりました。あの作品の世界観やらルールやらアイテムやらを、ちょこちょこっとイジっただけの作品じゃないですか……これ?
『バトル・ロワイアル』ではそこまで重要視されていなかった「飯食わなきゃ体がもたないよね」って点に重心を置くことで、パクリっぽさをどうにかして回避しようとしているようにしか私には見えなかったですね。
これだったらSFチックに描いて逃げるのではなく、『バトル・ロワイアル』と同じようにアメリカの中学生達が殺し合う話で良かったんじゃないかって思う。普通にリメイク作品として出しなよって。
スクールカーストの文化が根強い国だから、むしろそっちの方が盛り上がるんじゃない?知恵を絞ってナード達(オタク)がジョック達(スポーツマン)をやっつける展開って、アメリカ映画は大好きじゃないですか。
そりゃぁ確かに飯を食ったり、水を飲んだりってのは大事ですけどね。栄養失調で脱水症状の戦士なんて戦う以前の問題だし。
ただ、その飲食物を差し入れて貰うためには、貴族階級にいるスポンサーからの人気を得なければならないってのは、オリジナルの物語として成立させるためだけにしか役に立たない、こじ付けじゃありません?
試しにスパイシーな発想を振りかけてまくってみたら、元の料理とは全く別物の料理が出来ましたって言われてもね……日常でも気まぐれに素うどんの上にスパイスとレトルトカレーをかけてみたら旨かったみたいなこともあるけど、この作品は違う。胡椒や唐辛子を必要以上にかけて、観客の舌をマヒさせてるだけです。
さらに驚きなのはこの映画には原作があって、原作小説は本国で大ヒットを飛ばしたってこと。いや、アメリカの皆さん。ホントに読んだり見たりしたことないですか?日本の『バトル・ロワイアル』?原作小説でも映画版のどちらでもいいですから…何なら漫画版でも……
けれども、小説のが日本で出版されたのが1999年。本作の原作小説『ハンガー・ゲーム』が出版されたのが2008年だから、日本の『バトル・ロワイアル』出版から約10年の歳月が流れているわけで、日本の本の輸入があまり活発じゃなくて、アメリカで小説『バトル・ロワイアル』が出版されていない、若しくは出版されていたとしても、昔すぎてアメリカの方が同作の内容を忘れてしまっている可能性はありうるのかな?
『ハンガー・ゲーム』を書いた作者も偶発的に似たような話を書いてしまい、当時日本で起きた『バトル・ロワイアル』ブームよろしく、結果的に大ヒットになったってことなら、話そのものは興味深い内容ではあると思う。というか、イチ観客の私がどうこう言ってもどうしようもないことなので、そう思い込むことにしよう。そうしよう。
でも……どうしても似てると思って見てしまうんだよなぁ……
田舎町のマドンナみたいなジェニファー・ローレンスが映っている時以外は。
この映画の時のジェニファー・ローレンスは、どう見たって『世界にひとつのプレイブック』のヒロイン役の女優さんと同一人物だとは思えない……そこは評価したいですね。
本作の名台詞
人に好かれるにはどうするの?
出典:ハンガー・ゲーム/VOD版
役名:カットニス・エヴァディーン
演:ジェニファー・ローレンス