スコア:502/999
出典:東宝
『シン・ゴジラ』
【あらすじ】
目撃証言等から矢口蘭堂は、アクアラインのトンネルが崩れた原因を巨大生物によるものと分析するが、政府はこれを認めなかった。結局政府は報道でそれが事実である事が明らかになってから重い腰をあげることとなる。
【作品情報】
公開:2016年7月29日(日本)|2016年10月11日(アメリカ)/上映時間:119分/ジャンル:パニック/サブジャンル:モンスターパニック/映倫区分:全年齢/製作国:日本/言語:日本語・英語・ドイツ語
【スタッフ】
(監督)庵野秀明,樋口真嗣/(脚本)庵野秀明/(音楽)鷺巣詩郎,伊福部昭
【キャスト】
長谷川博己/石原さとみ/竹野内豊/高良健吾/高橋一生/市川実日子/國村隼/柄本明/大杉漣/野村萬斎/斎藤工/KREVA/ピエール瀧/鶴見辰吾
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ポイントレビュー
■ゴジラは怪獣と闘ってなんぼじゃない?
ポイント:180/333|評価:GOOD
やはり本作のゴジラも古き良き「ゴジラ頑張れ!負けるな!!」みたいな作品ではなかった……
せっかくゴジラやるんだったら、人間と戦わせてどうするって話なんだよね。怪獣同士が戦うから面白いのに……
まだメカゴジラ的なものを出すんだったらいいんだけど、戦車やら戦闘機やらであれこれされてもねって、それはゴジラと違うじゃんって思う。
ただ、『シン』ということなので、全くの別物として見るならアリな作品かな。日本人の会議好きが良く表現されてるしね。長い会議も無駄なら、会議のための資料作ってる時間も無駄なのに。アホだよね。ホント。
評価も別物の映画として出してます。そこそこ楽しめるっちゃ楽しめます。
■ハリウッドリメイクよりは幾分マシ
ポイント:171/333|評価:GOOD
元祖ゴジラ誕生から半生期以上が経ち、彼の設定にも繰り返し改変が行われてきたわけですが、近代ゴジラは相も変わらず余り人間性(?)が感じられませんね。
とはいえ、リメイクの中では、ジャン・レノが出ていた『GODZILLA』より数十倍マシです。渡辺の謙さんが出演していた2014年度版の『GODZILLA ゴジラ』との比較だとタメ戦張れるか、やや上って印象になります。
いつの時代のリメイク版も元祖ゴジラの性質からかけ離れていることが毎回残念でなりません。
■ノーラン風は『ゴジラ』には合わない
ポイント:151/333|評価:BAD
クリストファー・ノーランのアメコミ映画みたいな感じに、何でもかんでも生真面目に複雑に暗く描けば良いってもんじゃないよね。『ダークナイト』とかは、それがハマるだけの理由があったから、名作足り得たわけで……
ゴジラに求められているのは、そういうことじゃないんじゃないかな?しかもこの映画じゃそこらへんも中途半端ですから。それを踏まえつつも、『シン・ゴジラ』として、あえて暗くするなら、徹底的に暗くするで、ちゃんと振り切って欲しかった。
アホの子のミニラを出しつつも、真っ暗な話にするみたいな勇気ある現代版アレンジが今後出てくることを切に願います。
あっ、ノーラン風の『シン・ウルトラマン』ならワンチャンいけるかもね。
メインレビュー
- ネタバレありの感想と解説を読む
カヨコ・アン・パタースン特使を愛でる映画
メインレビュアー
パニック担当/最高評価石原さとみ演じるカヨコ・アン・パタースンの出しゃばりっぷりが笑える。
『利家とまつ』の「まつ」バリに「カヨコにお任せくださいませ」って感じに出過ぎ出過ぎ。特使という立場上仕方ないところもあるのかもしれないけど、それにしたってねぇ。
まぁ、後半は出てくる度に笑えたし別に良いか。出来るぶってるイタイ子としては、本作でもっとキャラ立ちしている登場人物だったし。もうとっくに日本にいる年数のが長いのに、いつまでも海外生活時代を引きずってる帰国子女みたいなね。
だけど、新しいゴジラを描こうという作品としては邪魔な存在になってたんじゃない?彼女だけが、昔のゴジラに出てくる登場人物みたいな雰囲気だったから。
リアルに描こうとしているのに、存在が完全に浮いてた。俺はカヨコ・アン・パタースンのおかげで、娯楽作品として楽しめたけど、本筋の狙いは多分そうじゃない。
おそらくは、会議ばっかりでなかなか動かない日本政府とか、なんやかんやで最終的には米国頼りになるところとか、そういうのを描きたかったハズなんだよね。
でもね。もうその時点で『ゴジラ』じゃない。だから、『シン・ゴジラ』なのかもしれなけど、だったら『ゴジラ』じゃなくていいじゃんって話だよ。
ゴジラは文明とそれが引き起こす災害の象徴なのであって、災害そのものではない。人類の敵でもあるけれど、時には味方でもある。
だから、昔のゴジラはビルをぶっ壊したりしながらも、他の災害の象徴と熱いバトルを繰り広げて来たし、人類の味方っぽい怪獣が出てきた時は、負けたりもする。
ゴジラを食い止めることが、一番の目的になってしまうと、その軸が完全にブレてしまうから、この『シン・ゴジラ』はゴジラではない。
さらに言えば、新しいゴジラでもない。ただの新しい怪獣。そう、これはただの新しい怪獣映画として見るべき作品だと思う。
そう気持ちを切り替えて見てみると、多少なりとも楽しめる部分も出てきたし、決して悪くはない。
なので、まだ未見の方には(この項を見ている方には少ないだろうけど)、もうこれがゴジラだった事は綺麗さっぱり忘れて頂いて、イタ可愛いカヨコをコメディーリリーフとして愛でつつ、新し形の怪獣パニック映画として観賞することをオススメしたい。
本作の名台詞
どうも日本語の敬語が苦手なの、そろそろタメ口にしてくれる?
出典:シン・ゴジラ/VOD版
役名:カヨコ・アン・パタースン
演:石原さとみ