スコア:616/999
出典:デジタルSKIPステーション
『チチを撮りに』
【あらすじ】
母と二人の娘を残し、女と一緒に14年前に出て行ったきりの父。ある日、母は義弟から、その父の死期が近いとの連絡を受ける。母は「田舎に行って死にかけのお父さんの写真を撮ってきなさい」と姉妹に言いつけた。
【作品情報】
公開:2013年3月16日(日本)|2013年9月18日(イスラエル)|2013年12月6日(台湾)/上映時間:74分/ジャンル:ドラマ/ヒューマンドラマ/映倫区分:全年齢/製作国:日本/言語:日本語
【スタッフ】
(監督・脚本)中野量太/(音楽)渡邊崇
【キャスト】
柳英里紗/松原菜野花/渡辺真起子/滝藤賢一/宇野祥平
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見放題配信
※情報は【2022年11月3日】現在のものです。上記のボタンから本作品の再生ページに直接ジャンプ出来ます。各VODを選択してご利用ください。詳しくはこちらのページでご確認いただけます。
ポイントレビュー
■開始数分で止めようとしちゃダメですよね
ポイント:223/333|評価:GOOD
最初の数分間は、もう見るのをやめようかと思うぐらい退屈でした。如何にも賞狙い作品っぽい純文学臭が鼻についてしまって……
それでも、74分っていう短い映画だったので、我慢して最後まで見ることにしたわけですが……
え~大変申し訳ないです。心から謝罪いたします。最後まで見る価値アリアリでした。最後まで見といて良かったぁと、安堵の息が漏れてしまったぐらい。
物語そのものは淡々と進んでいくんですが、それぞれの心情の変化や過去に対する思いが分かるように丁寧に描かれています。
この作品はVOD内のレビューでもかなりの高得点だったのですが、サクラとかがいることもあるみたいだし、どうも信じ切れなかったようで……って、言い訳ですね。VODユーザーの皆様流石でございます。
■やはり短い映画に良作多し!
ポイント:197/333|評価:GOOD
たぶん、上映時間が長かったら見ることはなかったかな?
短時間で一本見られるなら楽でいいやって感じで鑑賞しました。
うん、そしてこの上映時間の短さが実にちょうどいい。無駄なシーンを一切省いて、しっかりまとめ上げている。
映画で「短い」って結構大事なことだと思うんですよね。
上映時間が長い映画の中にも名作はもちろんあるけど、100分以下の短い映画の方が、その数の割には名作が多い気がする。
自分がせっかちなだけかもしれないけど……
ただ、評価としては良作止まりかなぁ。ちょいちょい変ないらないギャグみたいなのが入っていたので……中にはウケたのもあったけど、余計っちゃ余計でした。
■女と逃げたお父さんを憎みにくい物語
ポイント:196/333|評価:GOOD
姉妹にとっては家族愛のラブストーリー。そしてお母さんにとっては終わってしまった夫婦愛の後片付けなラブストーリーって感じです。
夫婦愛はまだ結婚をしたことが分からないんだけど、夫婦という他人と家族を作りあげていくってのは、出来て当たり前のことのように見えて、全然当たり前のことではないんだなぁと思いました。
それでも、うまくいかなくなってしまった夫婦であっても、家族愛っていうのはどこかに残っていて、やっぱり消えてしまったお父さんを含めての家族愛なんですよね。
この映画の今の家族は女3人で愛情を分かち合ってるけど、それが出来るようになったのは、結局お父さんという存在がどこかにあったからなんだなって思います。
父親としては超最低かもですが、私はなんか憎めなかったなぁ。
メインレビュー
- ネタバレありの感想と解説を読む
丁度いい放映時間の丁度いいお話
メインレビュアー
ドラマ担当/最高評価ポイントレビューで賞狙いの純文学臭さが鼻についたなんて、失礼なことを言ってしまいましたが、題名に絡めた変なギャグを無理矢理ねじ込んだみたいな場面以外には、鼻につくようなところは全くなかったです。
ギャグでやってるのか、マジでやってるのか、ちょっと分からないシーンもあったんだけど、映画全体の若干古い感じのほのぼのした雰囲気を演出する上では必要だったんじゃないでしょうか?
短いシーンではありますが、特にお母さんとお米屋さんのやり取りの場面では、思わず笑ってしまいました。
昭和の昼ドラかよって。
最近じゃギャグ漫画とかでしかやらないシーンだよって。
それらのヘンテコな気分にさせてくれる場面を含めて、この映画をスッキリタイトにまとめるのって正解だったんじゃないかって思うんですよね。
詰め込み過ぎて2時間とかにしていたら、絶対失敗していた作品だと思う。
あと、出演陣は少しマイナーな方が多いんだけど、味がある方ばっかりで、それもまた良かったかなぁ。
母親の義弟役に『半沢直樹』で大ブレイクする直前の滝藤賢一さんが出ていたのがビックリでしたが、元々この俳優さん、色んな映画に出まくってたんですね。
調べてみたら、映画にTVにとお名前が世間一般で広まる前から出演しまくってました。
そういえば、何となく付けた映画で、「あ、半沢の人だ!」思ったのが何度もあったような気がします。
彼の演技はやっぱり流石ですね。存在感がありました。親戚の叔父さん役をやらせたら右に出るものはいなさそうです。ちょっと顔見せただけで、千円札折りたたんで渡して来そうな雰囲気があります。
主演クラスの、母、姉、妹の三人は、家族物のドキュメンタリーを見ているみたいな気分にさせてくれる演技で、派手さはないけど、この映画には絶妙にマッチしていたんじゃないかな?
特に妹役の子は初めて親戚の家に行ったときみたいな、気まずい表情がうまく出ていました。作内の設定とは状況は全く違うけど、あれ、自分もちょっと分かります。
なお、割とどうでも良い情報かもしれませんが、この映画にはスマホが出てきません。2013年の映画なのに、電話やメールをする時はガラケーで、娘達がチチを撮りにいけと言われたときに母親から渡されるのもコンパクトデジカメです。
流石にスマホのカメラで死にかけの人を撮って来い!という表現はしたくなかったって事なんでしょうか?
あのお母さんなら、平気な顔して言えそうなんですけどね。
でも、そこには何かしら理由があって欲しいですね。
単に作内の時代設定が古いというだけの話なのかもしれませんが、最後に微妙に気になる謎が残りました。
本作の名台詞
じゃあ…河原で待ってる、あの、昔いつも遊んでたところ
出典:チチを撮りに/VOD版
役名:東村呼春
演:松原菜野花