スコア:546/999
出典:20世紀フォックス
『TIME/タイム』
【あらすじ】
全ての人類が25歳から歳を取らなくなる世界。この世界での通貨はお金ではなく生きる事ができる時間、つまり寿命である。時間に貧しい家庭に生まれた主人公は果たして生き残る事が出来るのであろうか?
【作品情報】
公開:2011年10月28日(アメリカ)|2012年2月17日(日本)/上映時間:109分/ジャンル:SF/サブジャンル:異世界映画/映倫区分:全年齢/製作国:アメリカ/言語:英語
【スタッフ】
(監督・脚本)アンドリュー・ニコル/(音楽) クレイグ・アームストロング
【キャスト】
ジャスティン・ティンバーレイク/アマンダ・サイフリッド/キリアン・マーフィー/オリヴィア・ワイルド/マット・ボマー
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見放題配信
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ポイントレビュー
■設定の期待値が高かっただけに……
ポイント:212/333|評価:GOOD
SFとしてのアイデアは、何で今までなかったんだろうと思ってしまうぐらいに面白いです。お金と言うものに対しての厳しい暗喩が効いている世界観になっています。「時は金なり」まさにその通りのお話です。
でも、ちょっと後半に向かってどんどん滑っていってしまったような気がしますね。面白い設定だけあれば何とかなると思ったのか、地図を持たずに突っ走っちゃったようなストーリー展開になっています。
一般的な星5つが満点のレビューで言うと、設定が星5つ以上でストーリーが星3つといったところでしょうか……
期待値が最高潮まで上がってしまったいた分、少し厳しい評価になってしまったかもしれません。それでも、標準よりは随分上位の作品だとは思いますが、後半の取り扱いが非常に悔やまれる作品ではありました。
■評価は低めだけど、また見るかも
ポイント:158/333|評価:BAD
超面白いかもって思って見ていたら、結局はそこまでは面白くなかったなという映画でした。完全なる尻すぼみ作品ですね。大昔に映画館で観た時もそんな感想でした。
観賞済みの映画を間を置いてからもう一度見て評価を再確認してみると、案外結果が変わったりするもんなんですけど、この映画は変わりませんでしたね。
ただ、何となくもう1回見てみてもいいような気がするから不思議です。多分、生涯でもう一回ぐらい見るんじゃないでしょうか。
あと、もしも私がこの世界にいたら、おそらく今この世にはいませんが、幸運にも現実はそうではないので、最後に一言だけ。時間あげるので、どなたかお金下さい。
■一番大事なことからは逃げないで欲しかった
ポイント:176/333|評価:GOOD
コーヒーを買うのにも寿命を削らなければならない世界。
でも、考えてみれば我々も時間を使って寿命を使って働き、お金を得ているわけですから、そんなにズレてないというか、極めて現実的なSFだという感想を抱きました。
でもこれ、アクションシーンはいらなかったのではないでしょうか?この世界での人間模様を描いているだけの方がずっと良かったようなイメージです。
余計なアクションがあるせいで、どうしても時間とお金の根の深い部分から逃げている印象を受けてしまいました。実際主人公は金持ち連中からしたら逃亡者なのでしょうがない所はあるのですが、ある時点から水を打ったように、時間と金のテーマがほったらかし状態になるのは頂けませんでした。
終盤など前半のリードがあったから乗り切れたようなものでした。ドンパチしてない時の方が緊張感があった、ある意味レアな映画です。
メインレビュー
ネタバレありの感想と解説を読む
発想が良すぎた分だけストーリーが損しちゃってる
メインレビュアー
SF担当/最高評価スコアレビューからの繰り返しになっちゃいますけど、世界観の設定はSF映画としては完璧です。
プチ情報としては序盤に日本でも人気の海外ドラマ『ホワイトカラー』のニール役で有名なマット・ボマーが出て来ます。相変わらずの超絶イケメンぶりです。
マットが同性結婚を公にした時、いい男はだいたいゲイっていうのは本当なんだなと思ったもんです。全然関係ない情報で文章を稼いですみません(笑)肝心の本題『タイム』に関してに話を戻します。
タイムバトルいらなくないですか?
そうですね。どうにもこうにも何でこんな展開になってしまったのかなと残念でなりません。こういうアイデアを思いつく人に生まれたかった人間なので、本当に苦しいぐらいに残念。
なんかノリだけで終わらせてみましたって感じなんですよね。話が進むに連れて、どんどん失速していきます。どうにかならなかったんでしょうか?せっかく凄い設定なのに。
ついでに言わせて貰えば、映画の中で出てくる『バトル』(自分の時間を使ったチキンレースみたいなもの)って意味あったんですかね?あんまり作中で役に立ってなかった気がします。
時間を分け合えるって話があるんだから、それだけで十分だと思うのですが、やっぱり架空のギャンブルみたいなものを描きたかったのでしょうか。ヒロインの父親との対決も命をかけたポーカーとかで事足りると思うんですよね。
戦いとしてもかなり地味だし、何処の筋肉使っているのか、何処に力入れて入れているのかが分からない戦いなので、冷静に見ちゃうとあの場面は顔芸対決か脈を測り合っているようにしか見えません。笑えたからいいですけど……
キリアン・マーフィーを25歳に見せるぐらいの努力はしようよ
あと、登場人物達の中にどう見ても25歳に見えない人がいます。そこはこだわろうよ。実年齢より若く見える役者さんを使うならわかるけど、実年齢より老けて見える役者さん使ってどうすんのよ。
タイムキーパー役のキリアン・マーフィーなんて、ただでさえ役者にしては実年齢より老けてんのに……まぁ良い役者さんだから使いたいのはわかるんですが、SF作品では重要じゃないですか?そこは。
ただでさえ、リアリティがない世界をリアルに作らなきゃいけないジャンルなんですからね。特殊メイクやCGを施してまで撮影してるんですから、キリアンも若くさせてあげましょうよ。
人生でも映画でもレビューでも、時間は有効に使わなきゃですね
……と、色々文句を付けてしまいましたが、少なくともこの映画は、見た人が「時間を無駄にした」とは言わないレベルにはある作品ですのであしからず。
ただ納得いかないだけなんですよね。なんでこんなにもシンプルで完璧な世界観をこういう感じに仕上げてしまったのかって。
最高点を付けてるクセにこんなレビューになって申し訳ないですが、どうしても我慢で出来ないお話ってありませんか?その文句の付け所も含めて楽しめる作品ならいいんですが、本作はひたすら勿体ないだけですからね。ラストも散々。二人で時間銀行強盗って……
いや、そう考えると何で私こんなに高得点付けたんだろ?これほど大改編リメイクを施して欲しい作品もないので、きっとその期待分を込めたんでしょうね。次こそはもっと時間を有効に使ってほしいものです。
また私本人としては、願わくば、このレビューを読んだ皆様が「時間を無駄にした」とは思わないことを祈るばかりでございまする。
本作の名台詞
“私の時間を無駄にするな”
出典:TIME/タイム/VOD版
役名:ヘンリー・ハミルトン
演:マット・ボマー