スコア:721/999
出典:松竹
『あやしい彼女』
【あらすじ】
娘とその息子の3人で暮らす祖母のカツは、その性格のクセの強さからある事件をきっかけに娘と口論になり、家を飛び出してしまう。途方に暮れる彼女だったが、その日の夜に偶然見つけた不思議な写真館に入ると……
【作品情報】
公開:2016年4月1日(日本)/上映時間:125分/ジャンル:コメディ/サブジャンル:ハートフルコメディ/映倫区分:全年齢/製作国:日本/言語:日本語
【スタッフ】
(監督)水田伸生/(脚本)吉澤智子/(音楽)三宅一徳/(主題歌) anderlust『帰り道』
【キャスト】
多部未華子/倍賞美津子/小林聡美/北村匠海/志賀廣太郎/金井克子/野村周平/要潤
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見放題配信
※情報は【2022年11月4日】現在のものです。上記のボタンから本作品の再生ページに直接ジャンプ出来ます。各VODを選択してご利用ください。詳しくはこちらのページでご確認いただけます。
ポイントレビュー
■おばあちゃん感が若干弱めかな?
ポイント:231/333|評価:GOOD
本家韓国版をすでに閲覧済。う~ん、これどうなのかな?おばあちゃん感がやや負けちゃっているって感想。作中では関西のおばちゃん風味を足す(作中は標準語だけど)ことで肝っ玉おばあちゃん感を出そうとしてるんだけど、演じている倍賞美津子の内なる上品さが隠しきれていない。どう見ても。ただし、徐々には馴染んできた。そこはさすが名優。
■おばあちゃんの多部未華子が可愛い
ポイント:205/333|評価:GOOD
本作日本版を先に拝見しています。若おばあちゃん役の多部未華子が可愛いです。でも、老おばあちゃんの頃とは別人みたいになってしまっているところがあります。中身がおばあちゃんではあるんだけど、本作序盤に出てきたおばあちゃんではない気がしました。とはいえ、ストーリーには泣かされましたね。特に老おばあちゃんパートは。
■日本風にとても上手にアレンジされてる
ポイント:285/333|評価:GOOD
日本風にうまくアレンジされたハートウォーミングな物語に仕上がっています。私は先に見た韓国版より本作の方が取っ付きやすかったですね。泣かせよう泣かせようとしていません。後半、納得いかないシーンもありましたが、私自身が母も祖母も持つ娘なので、感情移入しやすかったです。そんなもんで……結局泣いちゃいました。
メインレビュー
- ネタバレありの感想と解説を読む
娘向け作品に仕上がっているから男性はあんまりかも
メインレビュアー
SF担当/最高評価私的には、主演の多部未華子は買い物をして、ファッションスタイルを変える前よりも、おばあちゃんスタイルだった頃の方が可愛く映りました(両方可愛かったけど)。可愛い人はどんな格好をしても可愛いカワイイなんですね……くやしいです。
お話としては、リメイク元の韓国版からの改変がとても上手く、概要はほぼ同じでも『日本版』という別の作品になっています。
同居の娘が離婚している設定もそうです。この話に婿はいりません。邪魔なだけですね。韓国版が年老いた母を抱える息子向けなら、本作は娘向けといえば分かりやすいでしょうか。
また、ところどころに本家原作へのリスペクトが感じられる作品でもあります。大事な部分はほとんど変更されていません。アイテムが少し変わっているぐらいです。
ただ、多部ちゃんの可愛さを抜きにして語れば、男性から見ると本作はどうなんでしょうかねぇ。
娘が向ける母親への想いと息子が向ける母親への想いってやっぱり違うと思うので……
あと、細かい話をすれば、若くなったおばあちゃんが後に恋をすることになる、音楽プロデューサー役の要潤との最初の出会いで、彼を痴漢呼ばわりするシーンがあるんですが、現実だとアレはシャレにならないでしょうし……まぁそこは映画の世界ってことでいいか(笑)要潤のゴールド免許も見れたし。
……と、余計な情報も含んでお伝えしてしまいましたが、そういう意味では本作は実際娘向けだと思います。後半少々メロドラマ化しますしね。
しかしながら、韓国版であった孫がおばあちゃんに惚れるっぽいシーンが少なくなったのは私的にはとても嬉しかったです。アレいらないんです。あってもサラッとでいいんです。
かの名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でも、過去に戻ったマーティンが若い実の母親からキスされて「なんだか弟としてるみたい」なんていうシーンがありますけど、そんな感じでいい。子供を抱える身としては、想像するだけでなんか気味が悪くなってしまうんで(笑)
作中で孫のバンドで歌う曲も日本版の方が良かった。単に馴染み易かっただけかもしれませんが、ステキな歌でしたね。
ただ、唯一納得いかなかったのは、凄く細かいところなんですけど、事故に合ってめっちゃケガしてんのに、孫が血だらけになりながら会場に駆け込んでくる改変。いや、そこは変えなくていいでしょうよ。救急車で運ばれたって連絡が入るだけでいいじゃん。
そんだけ孫が必死だったってことを伝えたかったんでしょうけど、いえいえ必死なのはそんなことしなくても分かってますから。ここはちょっと意味が分からなかったかなぁ。
でも、ツッコミどころはそれぐらいです。娘役の小林聡美なんてメッチャ良かったですし。WOWOWの連続ドラマ『パンとスープとネコ日和』でもそうでしたけど、熟年で旬を過ぎた女編集者を演じさせたら、この人の右に出る女優さんはいませんね。
この小林聡美をはじめ、出演陣には一つも文句なしです。おばあちゃんを長年愛し続けている次郎の娘役は、韓国版の女優さんが森三中の黒沢にそっくりだったので、配役されるんじゃないかと、勝手に予想していたのですが、違いました(笑)。
でも、今回の女優さん三鴨絵里子で大正解です。妙に目立った魅力がありましたね。
本作のおかげで、熟年女編集者なら小林聡美、行き遅れの娘を演じさせるなら三鴨絵里子ということで私の中で決まりそうです。
コメディ作品としては物凄い名作とまでは評価していませんが、普通に名作です。お母さんやおばあちゃんと一緒に見たいお話です。子供は少し退屈するかもしれません。
何しろこっちの苦労も知らずに若くて元気ですからねぇ…彼らは……もう全く。
本作の名台詞
私は何度生まれ変わっても寸分違わずこの人生を生きるよ
出典:あやしい彼女/VOD版
役名:大鳥節子(若おばあちゃん)
演:多部未華子